ビットコイン頌歌、Xapo代表取締役「BTC投資はポートフォリオの1%まで」

ウォレットサービスを展開するXapo社CEOほど、スイス投資家マイク・ファーバー氏やMiller Value Partners創設者ビル・ミラー氏を含める名立たる投資家をクリプト業界へ呼び込むようなプレゼンをする人物はいないだろう。

経済が不安定なアルゼンチンで生まれ育ったこともあり、家族が資産を失うのを3回も目の当たりにしたという、ウェンセズ・カサレス氏。

一回目は、通貨の切り下げ

二回目は、ハイパーインフレ

三回目は、政府から銀行口座のお金を没収されたという。

お金を巡って父母が喧嘩していたことが記憶に残っていると語るカサレス氏は、インターネットがお金を民主化することで「経済の自由」が促進されるのを信じる理想主義な若者だったそうだ。

が、志向していた経済の自由は、当時から30年経った今でも現実にならなかった。

これに肩を落としていたカサレス氏は、偶然ビットコインに出会った時でさえ、最初の反応は皮肉的だったそうだ。

しかし、実際にBTCを利用したり、学ぶことで徐々にビットコインへ惹かれ始め、最終的に「残りのキャリア、資本、評判」を当業界に捧げることを決心したという。

そんなカサレス氏がIkigai社のリサーチプラットフォームで、今後7年ー10年でBTC価格が100万ドル以上に達することを示唆するエッセーを公開した。

グローバル決済の基準となるBTCは100万ドルへ

「BTC価格がどのように変化するかを推測する私の方法は極めて平凡だ。時価総額が”約7,000ドル”x”BTCユーザー数”で変動することに気付いた。もしこれが正しければ、BTCを30億人が所有する場合、時価総額が約21兆ドル(7,000ドル×30億ドル)に達し、1BTCは100万ドルになる。」

このように将来のBTC価格を予想したのは、Xapo社代表取締役であるアルゼンチン人起業家、カサレス氏。

出典:#ManifiestoMajadas x Wences Casaresからのスクリーンショット

ビットコインが成功する見込みは「少なくとも50%」あると断言し、その場合はBTC価格が現在の250倍である100万ドル以上になる、と主張。

また、資産としてのリスクがあるため、失っても問題ない以上の投資は無責任だと述べたものの、BTCをポートフォリオに含めないことも無責任だと強調した。

「1000万ドルのポートフォリオにおいて、最大で10万ドルをBTCへ投資するべき(これは最大1%であり、この投資を失うリスクが高いのでそれ以上投資するべきではない)。ビットコインが失敗した場合、このポートフォリオは3-5年で最大10万ドルまたは価値の1%を失う…しかし、ビットコインが成功した場合、7-10年の間に10万ドルが2500万ドル以上の価値になり、初期ポートフォリオ全体の2倍以上に成り得る。」

既に10年以上ネットワークを安全に保ち、分散型ガバナンスで管理される通貨を生み出すことに成功したビットコインだが、カサレス氏によるとビットコインは米ドルのような主要準備通貨を代替するものではなく、「超国家通貨」または法定通貨と並行して機能する「別の選択肢」だという。

そして、ビットコインが世界的な「非政治的価値と決済の基準になるかもしれない」と付け加えた。

また、俗に言われる「ビットコインではなく、ブロックチェーン技術」というウォールストリートの決まり文句の不合理性を以下のようにアピールした。

「”ブロックチェーンには興味があるが、ビットコインにはない”という言葉が特に金融機関で使われるが、これは”ウェブには興味あるが、インターネットには興味ない”と主張するのに等しい…(すなわち、)ウェブがインターネットなしには存在できないことを理解していないのと同じことだ…(いわゆる分散型ガバナンスを確立した)”Soverignty(ソブリン、主権・独立している状態)”がブロックチェーンの唯一の技術革新だろう。」

そして、実際にソブリンを確立したブロックチェーン技術の標準プロトコルは「ビットコインだけ」と付け加えた。

銀行コイン誕生、ビットコインの競合相手になるか
カサレス氏のブロックチェーン技術に対する見解は、JPモルガンを始めとする金融機関が分散型技術を基盤に発行する所謂銀行コインとは異なると言えるだろう。

それというのも、ビットコインを始めとする一部の仮想通貨は「非中央集権化」を図っているのに対し、銀行コインは発行母体への信頼を必要とする。

出典:Jamie Dimon testifies about blockchain, cryptocurrency and consumer security

カサレス氏はこれについて言及しなかったものの、ビットコインの「ソブリン」を強調する業界人の中には特にこのような類の仮想通貨に対して辛辣なコメントを寄せる人物も存在する。

例えば、ブロックチェーン開発企業IOHK代表取締役であるチャールズ・ホスキンソン氏は、JPモルガンの顧客のみを対象としたステーブルコインを「死にかけている金融業界の痕跡」と表現し、以下のようにバッシングした。

「なぜクリプト業界が存在するかというと、彼らのような犯罪者がいるから。実に酷いことを20-30年継続し、世界を破産させた。また、彼らが敷いた規制やシステムにより、結果的に30億人が世界の金融システムから除外された…仮想通貨は、これに対する反作用として存在する。これからも継続して成長し、いずれは従来の金融システムと衝突するだろう。この合成によって生まれるものはより公平で優れているシステムとなる。そのため、私は(JPMコインのようなものを)死にかけている業界の痕跡のように見ており、リスペクトはない。ポジティブな動きだとも思っていない。」

☞ホスキンソン節炸裂、JPMコインは「死にかけている業界の痕跡」

一部の専門家からそもそもの存在意義ですら疑問視されているブロックチェーンだが、BTCはどうだろうか。

著名経済学者からのバッシングも多い中、ビットコインの将来を決める人々のこれからの認識の変化に注目だ。

原典:The case for a small allocation to Bitcoin

ここまでの内容と考察

Xapo社代表取締役が今後7-10年でBTC価格が100万ドル以上になると主張したという、今回のニュース。

多くの投資家を納得させるような論理展開をすることで有名な同氏ですが、ビットコインが「失敗」する可能性について以下のように述べていました。

「ビットコインが失敗する可能性が最も高い方法は価格パニックだろう。みんなが同時に”BTCには価値がない”と思えば価値がなくなる…例えプラットフォームが損なわれないままでも価格がゼロ近くまで急落する、ビットコインの評判が悪くなり、信頼性を再構築するのに数十年を要する可能性がある…ビットコインの最大リスクは、失うわけにはいかない金額を人々が投資することだ。」

このような考えからも、同氏はよくポートフォリオの1%をBTCに割り当てることを推奨しているようです。

ちなみにですが、この「1%」という数字は、クリプト業界外の専門家にも使用されています。

例えば、Edelman Financial Engies創設者エーデルマン氏は、リスクを踏まえた上でクリプト投資のムーンショットに着目し、以下のように発言していました。

「一年に1500%上昇するような馬鹿げたレベルの価格変動は、賭けに勝てば大きなリターンを得られ、負ければポートフォリオの1%を失うだけだ。」

☞いつになる!?金融専門家「ビットコインETFは実質的に確か」

また、実際に世界の億万長者全員が資産の1%をビットコインに割り当てた場合「身の毛のよだつ」ような価格になると主張する英国の著名経済史家もいるようです。

☞もし億万長者全員がBTC投資したら…著名英経済史家が語る

しかし、潜在的に価値のないビットコインの価格に関する議論は、投機を促しているのではないかと批判する声も。

☞ウォール街のJordan氏「大馬鹿者理論でいくとビットコインは終わり」

一方、「価格に対する期待」はビットコインを世間に知れ渡らせ、普及を促進するという見解もあり、ビットコインの生みの親であるサトシ・ナカモトでさえも以下のように述べています。

「(ビットコインは)貴金属のようだ。(中央銀行のように)価値を一定に保つために供給量を変更する代わりに、(ビットコインでは)供給量が事前に決定され、価値が変わる。ユーザー数が増えるにつれて、コインあたりの価値が上がる。そのため、正帰還のループになる可能性がある。ユーザーが増えるにつれて価値が上昇する。この高まる価値がより多くのユーザーを惹きつけるのに利用できるかもしれない。」

サトシ・ナカモトが示唆するように、実際に仮想通貨ユーザーを集められるのは「分散化の概念」や「技術革新」ではなく、「価格の上昇」に対する期待なのかもしれませんね。

成功しようがしまいが、「社会的な実験」とも言えるようなビットコインのこれからに注目していきましょう!

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