イーサリアム共同創設者ブテリン氏、ブロックチェーンにコインは必須

一般的な仮想通貨については前向きでないものの、国を挙げてブロックチェーン技術関連のプロジェクトを推し進めている、韓国。

以前はキムチプレミアムと呼ばれる程BTC取引量が多かった同国だが、そのような熱気は薄れてきている。

☞BTC取引で日本円が米ドルを上回る、韓国「キムチ・プレミアム」は完全に終了か

それでも、最近では仮想通貨規制緩和の声も出始めているようだ。

そんな中、イーサリアム共同創設者であるビタリック・ブテリン氏が、韓国議会で仮想通貨やブロックチェーンについてスピーチをした。

ブテリン氏、ブロックチェーンに「仮想通貨は必要」

ニュース1の報告によると、イーサリアム共同創設者と韓国超党派の議員グループが、韓国政府に対してブロックチェーン業界の規制緩和を要請した。

かねてよりの韓国政府の「仮想通貨ではなく、ブロックチェーン技術」というスタンスに物申すように、ブテリン氏は以下のような発言をしたという。

「ブロックチェーンは仮想通貨なしでも稼働する技術だが、仮想通貨はブロックチェーンなしには存在しない。パブリックブロックチェーンは暗号法にとても頼っている。そのため、仮想通貨は(パブリックブロックチェーンに)必須だ。」

ICOを禁止しながらもブロックチェーン技術の推進を繰り返し試みてきた韓国政府だが、「仮想通貨」と「ブロックチェーン技術」を引き離して考えることはできないと強調する、ブテリン氏。

数多くの詐欺によって一般的にネガティブなイメージを持たれるようになったICOについて、最近では「確実に改善されており、今後も改善され続ける」と主張。

また、最近の「クリプト冬」は詐欺師たちを追い出し、長期に渡って持続可能なプロジェクトを明らかにしたため、当業界にとってはプラスだったと述べた。

ブテリン氏が「仮想通貨を使用する・しないブロックチェーン」について独自の見解を示したのは、今回が初めてではない。

同氏は「仮想通貨を使用しない」IBM社を始めとするIT大手が開発を手掛けるブロックチェーン技術について、以下のようにコメントしている。

「企業を対象にしたブロックチェーンはたくさんある。(仮想通貨メディア)CoinDeskでIBMブロックチェーンについての記事を読んだ。深く理解しているわけではないが、特に目についた詳細は、IBMが全ての知的財産を所有しており、そのプラットフォームを他の企業が使えと言っていること。(このようなブロックチェーンの利用は)的外れだ。」

「仮想通貨を使用する」パブリックブロックチェーンを推奨するブテリン氏だが、その類のブロックチェーン技術に対する批判も多く存在する。

例えば、ハーバード大学の暗号学者であるブルース・シュナイアー氏はパブリックブロックチェーンにおける「信頼」の問題を指摘した。

☞ハーバード暗号学者、そもそもブロックチェーン技術は「必要ない」

ブロックチェーン技術に積極的な取り組みを行っていることが報じられている韓国だが、果たしてブロックチェーン技術に対する理解は変化するのだろうか。

原典:Vitalik Buterin Urges South Korea to Deregulate Blockchain, Embrace Crypto

ここまでの内容と考察

イーサリアム共同創設者であるブテリン氏が韓国議会でスピーチをしたという、今回のニュース。

ブロックチェーン技術に積極的なものの、仮想通貨には消極的な韓国政府ですが、今後そのような姿勢を変えることはあるのでしょうか。

ちなみにですが、ブテリン氏は同国で開催されたカンファレンスで仮想通貨反対派経済学者と討論をしています。

☞ついに実現!クリプト頭分と仮想通貨ペシミストの一騎打ち

今後も当業界で発言力のあるブテリン氏の動向に注目していきましょう!

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