ライバルは「Dfinity」!?イーサリアム創設者ブテリン氏が語る

俗に言われる「ICOブーム」のきっかけを作り出した分散型プラットフォーム、イーサリアム。

トークンに存在価値がない開発の進捗が芳しくないとの批判もあるものの、依然として時価総額第2位にランクインしている。

また、イーサリアム共同創設者であるビタリック・ブテリン氏も、同プラットフォームの技術優位は揺るがないと依然として強気だ。

そんな同氏が仮想通貨ジャーナリストであるローラ・シン氏のポッドキャストでイーサリアムや業界の動向に関する独自の見解を述べた。

イーサリアムは「優位性を奪われている」!?

仮想通貨業界への貢献からスイス最古の高等教育機関から「名誉博士号」を授与されている若き天才、ブテリン氏。

EOSやNEOを始めとする競合ブロックチェーンの増加から、イーサリアムがライバル達から「リードを奪われているのではないか」というシン氏の質問に対し、同氏は「ある程度はそうだ」と答えた。

その理由としては、イーサリアムが初期段階のプロジェクトであることや、新しいプロジェクトは過去のものから学べることが挙げられるという。

しかし、同氏はイーサリアムよりも後に誕生したプロジェクトを特別警戒しているわけではなく、プロジェクト始動時は「楽観的になる傾向がある」と述べた。

また、他の分散型プラットフォームにイーサリアムが「優位性を奪われることは気掛かりか」という質問に対して、「どのブロックチェーンかによる」と返答。

それというのも、イーサリアムはZcashやイーサリアム・クラシックとでさえ「睦まやか」だという。

しかし、仮にトロンがイーサリアムを追い越すようなことがあると、「人類に対するある程度の希望を失うことになる」と付け加えた。

尚、イーサリアムの最も有望な競争相手は「Dfinity(ディフィニティ)」だそうだ。

出典:Dfinity公式ページからのスクリーンショット

イーサリアムは「有価証券」ではないか

最高値から90%以上価格が崩れたETHに関して、イーサリアムコミュニティーは「価格に重点を置くべきか」というシン氏の質問に対し、「価格が上がればプロジェクトは良くなる」という、ブテリン氏。

そもそもイーサリアムが価格を重要視していないようにアピールしたのはハイリターンを約束する他のプロジェクトと差別化するためだった、と付け加えた。

また、ETHが有価証券対象となるのではないかというかねてより話題となっている懸念に関して、「イーサリアムには弁護士や法務がいる」と同氏は述べ、「今は心配する理由がない」と言い切った。

世界で最も活発とも言われる開発コミュニティを誇るイーサリアムだが、果たして分散型プラットフォームとしての「キングの座」とこれからも継続できるのだろうか。

原典:8 Takeaways from Vitalik Buterin’s Live “Unchained” Podcast Appearance

ここまでの内容と考察

イーサリアム共同創設者がプロジェクトの近状や競合プロジェクトについて言及したという、今回のニュース。

イーサリアムが「有価証券対象か否か」という上述にもあった話題ですが、SEC(米国証券取引委員会)は現段階でその判断を下していないようです。

☞SECクレイトン氏、イーサリアムが「有価証券か否か」に曖昧模糊

ちなみにですが、同インタビューでブテリン氏はビットコイン考案者の「サトシ・ナカモト」に対して、以下のようなアドバイスをするとコメントしていました。

「書面で明確な条件を提示するべきだ。」

というのも、サトシ・ナカモトはBTCネットワークがどのように成長するべきかを明示せずにコミュニティから姿を消してしまいました。

このこともあり、「価値の保存手段」や「価値の交換手段」などビットコインのビジョンが依然として不確かであったり、昨年大きな話題になったようなコミュニティ内の分裂が発生。

そのため、(「分散化」を強調するビットコインには仕方がないことかもしれませんが、)リーダーシップの欠如は少なからず問題なのではないかと言われています。

開発者の影響力が比較的強いと批判されるイーサリアムですが、果たしてサトシ・ナカモトはイーサリアムについてどのような見解を持っているのでしょうか。

拡張性の問題が長年に渡って議論されるイーサリアムは、これからも分散型プラットフォームのキングとして君臨し続けられるでしょうか。

今後もブテリン氏のような業界著名人の発言に注目していきましょう!

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