Bitmain社、サマーに向けて20,000台のマイニング機器を配備か

Bitmain社、サマーに向けて20,000台のマイニング機器を配備か
今年のサマーに向けて、マイナーが水面下で動き始めている。

マイニング市場最大のASIC機器製造業者として知られている著名クリプト新興企業、ビットメイン社。

しかし、最近では取締役の交代やリストラが報じられており、IPOの先行きは不透明どころか「アンリーズナブル」だという声も多い。

そんなマイニング大手が、夏季の安価な水力発電を利用するために20万台の自社マイニング機器を中国南西部に配備する計画を立てていることをCoindeskが報じた。

この動きは、長期に渡るクリプト市場低迷を受けてマイニングを停止していたマイナーたちが、再びマイニングへ投資する準備を始めたというある種の「市場の変化」を示すかもしれない。

マイニング市場に変化到来、ビットメインも掘り始めるか

約20万台のマイニング機器を配備する計画をビットメイン社が立てていることを同社に精通している中国南西部のマイニング事業経営者が米メディアに明かした。

「20万台」という数は控えめに見積もっても8000万ドル相当と推定できるが、同社はこれらを販売するよりも水力発電による夏季の低電力コストを活用しマイニングを行う方が利益がある、と見ているようだ。

尚、中国南西部の雨季は5月まで到来しないが、同社は既にマイニングファームと取引を開始しているという。

ビットメイン社によるマイニング事業拡大が間近に迫っていることは、著しい「市場シフト」を示すかもしれない。

2018年6月30日の時点で、同社は四川省、新疆、そしてモンゴル自治区を含める11地域にマイニングファームを開設し、合計20万台のマイニング機器を保管していた。

しかし、昨年9月に香港証券取引所に新規上場申請をした際に明らかにした財務報告によると、同社のマイニング収益は年々減少傾向にあったようだ。

それというのも、マイニングによる収益は全体収益の20.3%(2015年)から7.9%(2017年)へ減少しており、 2018年の上半期には3.3%にまで落ち込んでいる。

一方、マイニング機器の売り上げの割合は、78.6%(2015年)から80.5%(2017年)と増加傾向にあり、2018年の6月30日には94.3%にまで達していた。

それでも、昨年のマイニング市場の衰退は、ビットメイン社の既存ビジネスに大きく影響した可能性が高い。

マイニングの収益性が大幅に減少した昨年、60万台以上のマイニング機器がBTCネットワークへの接続を断ったり、また中古マイニング機器の供給が増加したなどのことが報告された。

このような市場の移り変わりについて、Hashage共同創設者であるYun Zhao氏は以下のようにコメントしている。

「強気市場では、機器を購入したり、マイニングファームで利用可能なスロットを見つけるのが困難だった。電力コストはそれほど大きな問題ではなかった…弱気市場では、リソースを活用するためのより良い方法を見つける必要がある。」

☞夏がチャンス!?中国マイナーは「中古マイニング機器」を買い増しか

中古機器の供給が増加しており、性能的にも振るわない新製品による収益が見込めない中、ビットメイン社はマイニングによる収益を期待しているのかもしれない。

原典:Chicago Mayor Says Crypto Adoption Could Be Inevitable

ここまでの内容と考察

ビットメイン社が20万台のマイニング機器を今夏に向けて準備しているという、今回のニュース。

大規模な「リストラ計画」が報じられている同社ですが、今後の経営方針はどのようなものになるのでしょうか。

☞ビットメイン社、ついにマイニング大手も従業員50%解雇か

また、以前はビットコインキャッシュのマイニングを積極的に行なっていた同社がこれからどの通貨をマイニングするのかにも注目ですね。

ちなみにですが、仮に電力コストが今年の夏に減少したとしても、BTC価格「3000ドル」が今後の市場の先行きを左右するような重要な価格帯だそうです。

☞夏がチャンス!?中国マイナーは「中古マイニング機器」を買い増しか

何度も弱気市場を乗り越えてきているビットコインですが、現在の「クリプト冬」はどのようなタイミングで雪解けが見られるでしょうか。

今後もマイニング大手企業の動向や市場全体に影響するBTCマイニングに関する動きに注目していきましょう!

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