ビットコインの価格が安定しない理由とは?ウォール街ベテランが語る


ウォールストリート歴20年以上のケイトリン・ロング氏が、ビットコインと法定通貨システムを比較しながら、「金融システムの安定性」と「価格の安定性」の違いについてForbesに寄稿した記事で説明した。


 
 
 
 
ねてよりビットコインに強気な米ヘッジファンド主導者マイク・ノボグラッツ氏が、BTC価格が急落していた今月27日に放送されたCNBCのインタビューで、次のような発言をしていた。
 

価格変動があるビットコインは通貨になれない…(通貨になるためには)供給量に限度があってはいけない。

 
風見鶏のような発言が多いノボグラッツ氏の見解の正否はわからないものの、そもそも一部の業界人がこのような発言しているのはなぜだろうか。

一般的な通貨やそれと頻繁に比較されるビットコインに、それぞれどのような特徴があること(またはなければいけないこと)を示唆しているのだろうか。

 
 
ビットコインは安定した金融システム
 
ウォールストリート歴20年以上のケイトリン・ロング氏によると、ビットコインはそもそも安定した価格を維持するように設計されているわけではなく、安定した金融システムとして意図されているという。
 

価格は安定していなくとも、(金融)システムとしてビットコインは非常に安定している。これは価格が通常安定しているものの、周期的に金融システムの不安定性に影響される法定通貨とは対照的だ。

 
ロング氏によると、ビットコインの価格が大きく変動する理由としては、ビットコインの「供給量が固定されているため、需要が変動すると直接的に価格が変動する」ことが挙げられるという。

しかし、ロング氏はビットコインがセキュリティに焦点を当てたシステムであることを強調し、世界で最も強力なスーパーコンピューター500台を合わせてもそれをシャットダウンにできないことを指摘。

また、ネットワークの頑強なセキュリティを確立するのと同時に、(発行枚数上限だけではなく)一定期間の供給量も定まっているビットコインのマイニングと、(BTCと同じく)希少性のあるゴールドの採掘との相違点について、次のように説明した。
 

ゴールドの採掘では、より多くのリソースを投資されるとより多くのゴールドが供給されるが、ビットコインの場合はそれが異なる。より多くのコンピューターリソースは、より多くの供給ではなく単純により高いセキュリティを生み出す。

 

ビットコインの需要・供給におけるユニークな性質について指摘するのはロング氏だけではない。

コロンビア大学経済学者であるサイフェディアン・アモウス氏は、BTCが「需要に対して、供給が全く反応しない」とコメントし、(法定通貨とは対照的に)供給量が定まっているビットコインを「ハードマネー」と呼んでいる。

(*ハードマネーとは、ゴールドや石油などのコモディティと同じように希少性のあるお金のこと。例としては、金本位制の時の通貨が挙げられる。)

 
 
法定通貨システムは「周期的に不安定」になる?
 
供給量および供給スケジュールが定まっているビットコインに対して、従来の金融市場の基盤となる法定通貨システムには「先天的」な問題があるとロング氏は見ているようだ。

中央銀行によって安定性が維持されている法定通貨システムは「周期的に不安定になる」と主張するロング氏は、その理由を次のように説明した。
 

市場に介入することによって、中央銀行は自然な市場のシグナル(すなわち金利)を歪め、それによって企業による正確な経済計算を妨げる…中央銀行がより活動的だった1980年代初めでは、従来の金融市場が危機/安定/危機のサイクルの中で進んでいた。

 

☞これについて詳しくはロジャー・ヴィアー氏のインタビュー記事を!

 
そして、周期的な安定性を犠牲にすることで、短期的な安定性を保つように設計されている法定通貨システムは、BTCのような安定性を確立できない、と付け加えた。

そもそもBTCが価格が安定したものとして意図されていないというロング氏の主張には、一理あると言えるだろう。

(一部のステーブルコインのように)供給量を調整するようなアルゴリズムではなく、ブロック報酬の半減のような大胆な金融方針を掲げるビットコインは、初めから価格変動に焦点を当てていたとは言い難い。

また、ビットコインの価格変動はよく問題視されるものの、業界人の多くが指摘する様に長期的に見るとビットコインの価値は常に上昇傾向にある。
 

☞過去9年間で200,000,000%上昇、BTCは史上最速で成長している新資産クラスか

 
ロング氏が指摘したようなビットコインと法定通貨の根本的なシステム構造の違いは、ビットコインが「金融革命」と言われるまでになった一つの理由であることは間違いないだろう。
 
 


 
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