金融大手の心変わり!?JPモルガンがBTCの「潜在的な価値」について言及


これまでビットコインに悲観的な姿勢を見せていたJPモルガンの投資戦略専門家チームが、ビットコインの「潜在的な価値」について言及したことをブルームバーグが報道した。


 
 
融大手のビットコインに対する姿勢に、小さいようで、大きな変化が見られる。

ビットコインを「詐欺だ!」とこれまでバッシングしていたJPモルガンが、それの「潜在的な価値」について言及したレポートをブルームバーグと共有した。

直近のBTC価格が下落する可能性を示唆した同レポートだが、その結論に至るまでには過去の発言からは思いがけないことにも、BTCを「コモディティ(商品)」として扱うという前提があったようだ。
 
 
JPモルガン、今後のBTC価格を「潜在的な価値」から予想
 
JPモルガンが、ビットコインの「潜在的な価値」を計算電力、電気代、ハードウェアのエネルギー効率を基に「製造原価」と定義し、市場分析を行うために計算した。

調査報告によると、BTC価格は「潜在的な価値」を上回る期間が続いた後に下落する傾向にあるという。

そのため、最近の価格の急上昇にも下落が伴う可能性が高いそうだ。

出典:JPMorgan Says Bitcoin’s Jump Mirrors 2017’s Boom-Bust Pattern

過去数日間で、(ビットコインの)実際の価格は限界費用を大幅に上回った。これは、実際の値と潜在的な価値の間に乖離が生まれた2017年後半に急上昇を繰り返すかもしれない。当時は、実際の価格が低下することによってこれが解決された。

それでも、JPモルガンの戦略チームは「潜在的な価値または公正価値を定義することは明らかに困難だ」と述べ、専門家によって様々な見解が共有されていることについて言及した。

JPモルガンが指摘するように、BTCの潜在的な価値には幾つかの見解がある。

例えば、ビットコイン奨励家として知られているFundstrat創設者トム・リー氏は、BTCの公正価値が「マイニング損益分岐点の約2倍」と以前から公言していた。

一方、オーストリア派経済学を推奨するロジャー・ヴィア―氏は、ライトコイン創設者と「BTCに潜在的な価値はない」ことについて議論している。
 
 
バフェット氏、「ビットコインは何も生み出していない」
 

マイニングにおけるBTCの「生産コスト」を踏まえた上でのこれからの価格推移を考察したJPモルガンの報告では、大前提としてビットコインが「コモディティ」の様に扱われた。

コモディティとは、石油やゴールドなどの有形資産の1単位を指し、希少性があることや、需要と供給によって価格が決定されることが大きな特徴としてある。

BTCは従来のコモディティと類似している点が多い。

例えば、発行枚数上限が定まっているため希少性が高かったり、価格が純粋な需要供給に基づいていたりする。

しかし、(例えばゴールドとは異なり)物理的な存在を欠いていることからも、BTCはコモディティの定義に当てはまらない、と一部の金融専門家から指摘されていた。

また、Berkshire Hathaway社のCEOであるウォーレン・バフェット氏がFOX BUSINESSで「ビットコインは何も生み出していない」と批判するように、需要供給だけで価格が推移するBTCは詐欺ではないかという声は現在でも多い。

それというのも、BTCの長期保有者は、株式投資のように配当を待っているのではなく、最終的な利益を待ち望みBTCを保有しているため、将来のリターンに関する期待や「憶測」によって価格が決定する。

(このような予想不可能性からも、コモディティへ投資する投資家は実際に商品を購入するのではなく、先物取引をするのが一般的だ。)

そのため、ビットコインはポンジ・スキームのような「Greater Fool Theory (大馬鹿者理論)」が当てはまると一部の金融経験者は指摘し、JPモルガンを始めとする多くの金融機関はこれまで懐疑的な姿勢を見せていた。

☞「Greater Fool Theory (大馬鹿者理論)」ついてはこちら

 
 
脱資本主義のディストピア通貨はやっぱりコモディティ!?
 

それでも、ブルームバーグが報じた今回のJPモルガンのレポートでは、ビットコインが「コモディティ」として分析されたり、「潜在的な価値」という言葉が実際に使われるなど、これまでのJPモルガンの姿勢とは異なるスタンスが垣間見られた。

ビットコインを「脱資本主義のディストピア」でしか採用されない通貨や、シンプルに「詐欺」と言明していた昨年と比べると、大きな変化と言えるだろう。

世界のどの金融機関よりも積極的にテクノロジー投資をするJPモルガンだが、これからビットコインに寝返るようなことはあるのだろうか。

それとも、今後も継続して「分散型の通貨」という最新テクノロジーの反対に賭け続けるのだろうか。

業界人が「銀行の発言ではなく、行動に注目すべきだ」と指摘するように、これから従来の金融機関がどのような仮想通貨関連の取り組みを行っていくかに注目だ。

 
 


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