国際通貨基金ラガーデ氏、銀行はデジタル通貨を「受け入れるか、消えるか」

資産運用大手フィデリティやJPモルガンを始めとする金融大手も本格的に取り入れ始めた、仮想通貨。

もちろん仮想通貨と言ってもBTCを始めとする分散型の通貨や、比較的中央集権型のステーブルコインなど様々な種類があるが、3-4年前のように「ビットコインは死んだ」などとクリプトを全否定するような発言はほとんどなくなった。

そんな中、IMF(国際通貨基金)の業務執行取締役によると、デジタル通貨を始めとするフィンテックは銀行システムを「動揺させる」ため、安定性を維持するために監視されなければならないという。

ラガーテ氏、銀行は「適応するか、消滅するか」

「仮想通貨、資産、通貨などなんであれ、分散型台帳技術を使用しているもの全てについて考えているが、明らかにシステムを揺さぶっていると言える」

このようにCNBCのインタビューで述べたのは、かねてより仮想通貨に前向きな姿勢を見せていたIMF業務執行取締役であるクリスティン・ラガーデ氏。

出典:Cryptocurrencies are ‘clearly shaking the system,’ IMF’s Lagarde says

同氏によると、著しい昨今の金融業界の変化には「規制が伴う必要」があり、顧客の信頼を第一に考える必要があるという。

「安定性を失うほどシステムを大きく揺さぶるような技術革新は望まない」

また、分散型技術を取り入れるハイテク企業が「完全に信頼できるように責任を負う必要がある」と付け加えた。

同インタビューは、米ワシントンD.C.で開催された「通貨基金の春季会議」の直後に行われた。

ラガーデ氏は、世界銀行と国際通貨基金の活動の進展が議論される同会議の「デジタル時代のお金と決済」と題されたパネルディスカッションで、グローバル規模で現金の使用量が減少していることについても言及していた。

出典:IMF Spring Meetings: Money and payments in the digital age

また、昨年スウェーデンでは取引の13%しか現金で決済されていないことを具体的事例として挙げ、スマホを利用する消費者がデジタル決済プラットフォームを通じて支払いをしていることを指摘。

このような金融業界における変化を踏まえた上で、中央銀行はデジタル通貨を検討すべき、と結論付けた。

「銀行は、生き残るために適応するか、消滅する。 キャッシュかキャッシュレスかを決めなければならないだろう。」

また、同パネルディスカッションにはCircle取引所の代表取締役であるジャーミー・アレア氏も議論に参加した。

出典:IMF Spring Meetings: Money and payments in the digital age

従来の金融業界に対して仮想通貨の利便性をアピールした同氏は、以下のように述べていた。

「銀行などに頼らずに資産を自己管理するのをイメージするのは難しいかもしれない…カウンターパーティリスクなしで、瞬時に世界中の人と取引ができ、ほとんどコストもかからない。一度これを経験すれば、後戻りできなくなる。」

また、準備通貨としての地位を築いていない法定通貨を発行している政府は、米ドルや日本円を始めとする主要準備通貨の「トークン化」を目論むプロジェクトによる影響を受ける可能性があることを示唆した。

「(仮想通貨は)潜在的にグローバル規模のものだ…これは準備通貨として確立していない(法定通貨を発行する)国々への課題となるだろう。準備通貨を使用したい誰もが(トークン化によって)瞬時にコストもかからず、それらへアクセスできるようになる…例えばアルゼンチンで”米ドルコイン”を使用できるようになり、それを誰もそれを止められない。」

さらに、このような将来が訪れるのは明らかだと断言し、その兆候としてフェイスブックが今年上半期に複数の法定通貨によって価値が担保されたステーブルコインを展開する計画を立てていることを挙げた。

☞フェイスブックコイン、密かに1,000,000,000ドルの資金調達予定か

景気後退が早くも今年の終わりから始まることが予想されてる中、ステーブルコインをがクリプト普及を触媒することが現実味を帯び始めているのかもしれない。

原典:Cryptocurrencies are ‘clearly shaking the system,’ IMF’s Lagarde says

ここまでの内容と考察

IMF業務執行取締役であるラガーデ氏が仮想通貨を含めるフィンテックと銀行のこれからの関わり合いについて言及したという、今回のニュース。

以前は「ドラッグマネー」や「犯罪マネー」と呼ばれていた(ビットコインから始まった)仮想通貨ですが、最近ではIMFのトップも前向きな発言をするまでに変化しているようですね。

法定通貨がトークン化されたステーブルコインについて今回言及したアレア氏ですが、分散型通貨であるビットコインについて以前以下のように言及していました。

「ビットコインのようなSOV(価値の保存用)資産は、はるかに大きくなり、より広く採用されるようになるだろう。他の暗号資産も幅広い日々の取引に使用される。」

ちなみにですが、同氏は分散化の概念についてもダボス会議でアピールしています。

☞ハーバード経済学教授、クリプト市場は規制するのに「小さすぎる」

果たして仮想通貨はどのように普及していくのでしょうか。

これからが楽しみですね。

今後もフィンテックの最前線で技術革新を進める仮想通貨に注目していきましょう!

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