ゴールドマンサックス、金融大手は仮想通貨サービス展開に「難航中」か

ゴールドマンサックスモルガンスタンレーは、いつ本格的なクリプトサービスを展開するのだろうか。

金融大手によるクリプトサービスの開始は来年に迫っていると噂さているものの、それらが年内に始まるだろうと期待していた多くの一般投資家にとって、今年の進捗は不満が残るものだったと言えるだろう。

しかし、実際にビットコインETFに関する取り組みを業界最前線で行っている人物によると、金融機関による資産管理サービスやデジタル資産交換所を期待するのに2018年は時期尚早だったという。

2018年は早すぎた?ゴールドマンサックスによるクリプトの取り組み

「ゴールドマンサックスまたはその他の金融大手が、BTC取引ビジネスを突然のように始めるという非現実的な期待を市場が持っていた。これは非常に大げさな考え方だ。」

上述のようにブルームバーグの取材に対してコメントしたのは、米市場でビットコインETFを実施することを試みている投資ファームVanEck社と協力しているSolidX Partners社のCEOである、ダニエル・ガランシー氏。

同氏によると、一般投資家が主導となり活気付いた昨年の強気市場の雰囲気が、ウォールストリートで再現されるようなことは「現実味を帯びていない」という。

実際にも、2018年末までにクリプト関連の事業を開始すると噂されていたモルガンスタンレー、シティグループ、および他の多くの大手銀行は、仮想通貨に基づいて構築された新興市場へ積極的に参入しようとしなかったことは紛れもない事実だ。

しかし、その例外として投資銀行大手ゴールドマンサックスは、仮想通貨ビジネスに積極的だったと言えるだろう。

同社CEOであるデイビッド・ソロモン氏は、仮想通貨取引デスクやビットコイン先物取引に開始に向けて動き始めていることについて今年6月に発言していた。

しかし、仮にCME、CBOE、およびその他の米国市場で確立された先物市場の支援を受けることでBTC先物取引を実施したとしても、顧客の資産を管理する「カストディアン」として認可されない限り、仮想通貨を保持または投資することはできない。

そのため、ライセンス取得に向けて準備を進めていた同社だが、地元の規制当局から「承認を得られなかった」と同社執行役員であるジャスティン・シュミット氏が今年11月に発表。

また、デジタル資産の法的定義が曖昧な間は、金融機関がクリプト市場に関するサービスを提供するのは「危険だ」と主張した。

当時シュミッド氏は以下のように語っている。

「カストディ(資産管理)は絶対的に必要な根本的なものだ。 これは様々なパートが互いに円滑かつ安全に機能する必要がある総合的なシステムの一部であり、何かを購入してからそれを保管するまで、そのすべての過程を信頼できるようにする必要がある。」

金融大手、クリプト事業に軒並み苦戦中か

仮想通貨関連の取り組みに難航している金融大手は、ゴールドマンサックスに限らない。

例えば、顧客からの仮想通貨に対する需要があると公表していたロンドンを拠点とする投資銀行バークレイは、クリプト事業を調査するためにクリス・タイラー氏とマシュー・デゥーバル氏を任命した。

しかし、タイラー氏は今年9月に辞任し、その後を追うようにデゥーバル氏も退社。

現在のところ、バークレイズは仮想通貨取引デスクを計画していないという。

また、仮想通貨エキスパートを雇用し、ビットコイン先物取引の準備が今年9月からできているはずのモルガンスタンレーだが、先物取引が実際に行われていることは確認されていない。

同様に、シティグループが提供する、実際にコインを保有せずに仮想通貨投資ができる「digital asset receipts (デジタル資産レシート)」を含める、規制範囲内で設計されたクリプト製品の取引は一切行われていないようだ。

2018年はインフラ整備に注力、機関投資家の市場参入は2019年から

一見、金融大手が足踏みしているように伺えるものの、それは「事実から程遠い」と指摘する人物もいるようだ。

仮想通貨ヘッジファンドCircuit Capitalを設立した元ドイツ銀行トレーダー、ユージェネ・グ氏は、次のように述べている。

「弱気市場では、十分なテストを行わなかったり、ゴールドラッシュを見逃すことを恐れるようなことはない。インフラ構築を急がずに、適切な基盤を提供できるようになる。」

また、米取引所コインベースのプレジデントであるアシッフ・ヒリジ氏は、自社が提供する予定の資産管理サービスに数百の機関が興味を持っていると2019年に楽観的だ。

一般投資家・機関投資家からの需要がある仮想通貨だが、法律面におけるインフラ整備にはもう少し時間を要するかもしれない。

原典:Why Goldman Sachs Suddenly Starting Bitcoin Business is Unrealistic: SolidX

ここまでの内容と考察

金融大手が仮想通貨サービスを実施するにはまだ時間がかかるという、今回のニュース。

そういえば、レボウルト社のCEOも年内に機関投資家が市場へ参加することはないと以前言い切っていましたね。

☞年内は無理か、レボウルトCEO「規模の大きい機関投資家の関心はない」

ちなみにですが、機関投資家の市場参入を触媒する大きなポジティブ要因としては、よくICE取引所が展開するバクトのビットコイン先物取引が挙げられます。

☞ビットコインETFよりも破壊力大!?Bakkt取引所のビットコイン先物取引

大手仮想通貨メディアによってサービス展開の遅延が予想されているものの、「現物決済」を採用するバクトの先物取引は遅かれ早かれ実施されるという見解が多いです。

そんなバクトは、ウォールストリートジャーナルによる以下のツイートを共有していました。

「現金ではなく仮想通貨で支払われる最初の先物契約が、すぐに規制当局の承認を得ることが期待されている。」

市場が低迷していることもあり、機関投資家の市場参入が「希望の光」となっている現在のクリプト市場ですが、2019年はどのような展開が待ち受けているでしょうか。

どうなるかがとても楽しみですね。

今後も従来の金融大手による仮想通貨の取り組みに注目していきましょう!

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