ビットコインには「一目惚れ」!?リップル社CTOがXRP誕生の経緯を語る

価値の保存手段として、金(ゴールド)や銀などの貴金属のポートフォリオを多様化できるということなどから、最近では金融大手からも注目されるようになった、ビットコイン。

しかし、それの技術的な欠点を指摘する専門家は少なからずいる。

例えば、リップル社CTOであるデイビット・シュバーツ氏は、ビットコインに一目惚れしたものの、それの欠点に気づいてしまったという。

そんな同氏が、ビットコインの技術を踏まえた上で、XRPが誕生したまでの経緯について説明した。

ビットコインの「秘伝のソース」は〇〇
米テキサス州オースティンで主催された「SXSW」で、シュバーツ氏がブロックチェーン・仮想通貨業界に参入した理由について語った。

「ビットコインを初めて見た時は、”一目惚れ”と呼べるようなものを感じた。本当に何かがあると思い、それについて可能な限り全てを学びたく、コミュニティを見つけたり、ソースコードを見た。」

「当時、偶然にも(ビットコインに)問題があったことを少しラッキーに思う。ちょうどマイニングプールが出現し始めた頃で、ソフトウェアはマイニングプールを処理できるように設計されていなく、多くの人がパフォーマンスの問題について不満を言っていた。そんな中、私はソフトウェアのパフォーマンスの向上を一つの専門としており、多くの懸賞を見た。マイニングプールは、”この問題を解決することができれば10BTCを払う”などと言っていた…本当に約15ドルの価値があるお金だった…」

同氏によると、ビットコインの技術革新は、マイニングアルゴリズム「PoW」ではなく、ネットワーク参加者全員に公開されている台帳技術であり、それがXRPのインスピレーションとなったそうだ。

「コミュニティの多くの人は、PoWがビットコインの”秘伝のソース”または”魔法の要素”だと思っている。しかし、XRPの形成と最終的にはRipple社を導いたジェッド・マッカレブ氏の重要な洞察は、PoWはそのようなものではないということ。」

「ビットコインの”秘伝のソース”は、情報がすべて公開されていること…。これの意味合いは、誰もが他人の言葉を信用する必要がない、ということだ…これが分散化の”魔法”であり、PoWは二重払いの問題を解決する方法にすぎない。このような考え方が、ビットコインとは異なる二重払いの解決方法の模索に繋がった。」

また、ブロックチェーンと仮想通貨の最大のユースケースは、国境を越える決済であることを強調した。

「ユースケース?決済であって、これは間違いない。世界のほとんどの地域における国内の支払いは非常にうまく機能するため、特に国境を越える決済に有効だ。しかし、例外もある。(決済サービス企業である)PayPal社やVenmo社は同じ企業によって保有されているのにも関わらず、相互運用性がない。これは国内決済が明らかに機能していない例だ。」

さらに、同氏によると企業がブロックチェーン技術の用途に気づき始めるのには、時間の問題だという。

「中央集権型のデータベースは高価だ。商品の動きを追跡するデータベースアプリを探している製薬会社と話したことがある。この会社は、中央集権型のデータベースを提供する企業から、何百万ドルもの見積もりを受けていた。」

「例えば、プライベートのイーサリアム のノードを立ち上げれば、コストを大幅に削減し、信頼性を挙げることができる。また、セキュリティにおける根本的な違いもある。多くの人は、アプリのセキュリティはそれほど重要ではないと言うかもしれないが、ブロックチェーンではある種の攻撃が基本的に不可能。ブロックチェーンでは、偽のデータを差し込むような攻撃が無理な一方、データベースでは可能だ。」

海外送金に焦点を当てた仮想通貨のユースケースに注力するリップル社の今後に注目が集まる。

原典:Ripple CTO Reveals the Genesis of XRP, Bitcoin’s Secret Sauce and the Potential of Blockchain and Cryptocurrency

ここまでの内容と考察

リップル社CTOが、ビットコインやXRP技術の誕生の背景について語ったという、今回のニュース。

PoWを巡って様々な議論がされていますが、果たしてシュバーツ氏や、XRP・XLMを構築したマッカレブ氏の見解は正しいのでしょうか。

海外送金における仮想通貨のユースケースにこれからも注目が集まりますね。

ちなみにですが、IBM社も同分野における仮想通貨製品の開発を本格的に行なっているようで、IBMブロックチェーン担当者のバイスプレジデントは以下のように発言しています。

「とりあえず50か国以上の国々、30-40の通貨、そして30-40の銀行に対応するのに十分なマーケットメーカーをサポートする予定だ。そのため、世界の大部分をカバーすることになる。目標としては、ネットワークを拡大し続け、世界中のどこからでも非常に低コストで、瞬時に、一貫した方法で送金できることを3-5年以内に世界規模で提供することだ。」

☞IBMの新製品「World Wire」、ブロックチェーン担当者が最新情報を漏らした!?

世間一般からの認知度はまだまだ低い仮想通貨ですが、これからの活躍に期待していきたいですね!

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