「分散型AIのパイオニア」となれるか、中国大手が人口知能スタートアップと提携

ブロックチェーン技術の普及はまだまだ始まったばかりだ。

というのも、最近になってからようやく世界中の様々な業界の大企業がブロックチェーン製品を密かに手掛けていたことを明かしている。

例えば、直近では米シーフード大手がマグロを追跡するためのブロックチェーン関連のシステムを実装したことを発表した

そんな中、世間一般からの注目度が高い「ブロックチェーン技術+AI」分野で新たな動きがあったようだ。

中国の大手保険会社Ping An社が、分散型のAI開発を手掛けるスタートアップSingularityNETと提携した。

中国保険大手が新興企業と提携!「素晴らしいことを一緒にできる」

「Ping An社の企業規模はAIアプリの利点をデモする絶好の機会。現在は様々な種類の利用可能なデータを分析するために、SingularityNET技術をPing AnのITインフラへ統合する方法について検討している。」

「AIアプリ成功させるには少なくともAIアルゴリズム、データ、コンピューターの能力、そして問題領域に対する人間の理解という”4つの要素”が必要と言われている。SingularityNETとPing An社は、これらの4つ全てが豊富にあるため、素晴らしいことを一緒にできると確信している。」

このようにPing An社とAI関連の取り組みにおけるコラボについて述べたのは、SingularityNET創設者兼CEOである、ベン・ゴーツ氏。

出典:From Here to Human-Level AGI in 4 Simple Steps – Q&A with Dr. Ben Goertzelからのスクリーンショット

具体的には、SingularityNETのエコシステムにおいて商業目的で利用できる光学式文字認識(OCR)、コンピュータビジョン(CV)およびモデルトレーニングの3つの分野において協力するという。

また、パートナーシップの範囲は、将来的に複数の業界やプロジェクトへ拡大する予定だそうだ。

今回AIスタートアップと提携したPing An社は、世界で最も価値のある保険ブランドとして認知されており、1億7000万人の顧客と4億5900万人のインターネットユーザーを抱えている。

そのこともあり、同社はフォーブス2018の有力企業2000社の1位に選出されたり、世界第3位のグローバル金融サービス会社としてランクインした。

ブロックチェーン技術+AIのパイオニアになれるか

そんな中国大手とパートナー提携を締結することに成功したブロックチェーン新興企業は、ビジネス戦略が類似していたことで意気投合したようだ。

それというのも、プラットフォームを展開するPing An社とSingularityNETは、「先行者利益」と「ネットワーク効果」を重要視しているという。

Ping An社が急成長を遂げた理由の1つには、保険、銀行、金融サービスを含める様々な業界で市場シェアを拡大​​するために「モバイルアプリの先駆者」としての優位性を確立したことが挙げられる。

プラットフォームを提供することによるビジネスモデルを展開する同社にとって、市場で最初のプレーヤーであることは明らかな経済的利点があるようだ。

それというのも、プラットフォームが一定の規模までに達すると、「ネットワーク効果」が発生し、それと競合することはほぼ不可能になると言われている。

SingularityNETも先行者利益やネットワーク効果を意識しており、世界初の分散型AI市場のプラットフォーム(ベータ版)を先月リリースした。

出典:公式ページからのスクリーンショット

SingularityNETは、企業にAIサービスを調整する分散型ネットワークを活用する機能を提供し、オープンで透明性のある市場を形成する。

より多くの企業が同プラットフォーム上で既存サービスや新たなビジネスを展開することで、SingularityNETは非中央集権型プラットフォームとしてのポジションを確立することを企図するという。

息が合った2社だが、大企業のリソースと新興企業の最新技術をこれから上手く融合できるかが見ものだ。

原典:Breaking News:SingularityNET partners with Ping An Insurance

ここまでの内容と考察

中国保険会社大手とSingularityNETがパートナー提携したという、今回のニュース。

「ブロックチェーン技術+AI」という大注目の専門分野ですが、果たして同新興企業は「先駆者」として市場の位置を早期からしっかりと確保でしょうか。

競合企業の登場にも注目ですね。

ちなみにですが、仮想通貨は単なるブロックチェーン技術を使ったアプリの「一つにしか過ぎない」という見解を持っている同氏は、ジョー・ローガン氏のインタビューで以下のように語っています。

出典:Joe Rogan Experience #1211 – Dr. Ben Goertzelからのスクリーンショット

「本質的には、コンピュータやインターネットが特定の小さなアプリから始まり、他全てのものに浸透していったのと同じ。デジタルマネーから始まったが、中枢となる技術はほとんどのものへ浸透するだろう。なぜなら、より良いセキュリティを利用する必要のない分野はほとんどない…例えば、ある種の参加型の意思決定や分散した情報の保存方法など…これらはAIにとって価値のあるものであり、これが私がクリプト業界に参加した理由だ。」

今後も大企業や新興企業が協力して行うブロックチェーン技術関連の取り組みに注目していきましょう!

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