狂乱の閉幕、ノボグラッツ氏「BTCは機関投資家の手へ」

昨年から機関投資家の市場参入が噂されるものの、BTC市場の現状からはその様子がなかなか伺うことができない、2019年第1四半期。

しかし、水面下の動きが全くないとはとても言い難い。

例えば、(直接的なクリプト投資ではないが、)米国公的年金基金ファンドが米著名仮想通貨ファンドへ投資したことが最近発表されている。

そんな中、BTC奨励家として知られるマイク・ノボグラッツ氏によると、今後6-12ヵ月の内に機関投資家が市場へ流入し始めるという。

狂乱の閉幕、ビットコインは機関投資家の手へ

「一般投資家による狂乱は全て洗い流された。現在では、人々の革命(一般投資家)から機関投資家へ(BTCの)所有権を引き継ぐ段階に入っている。また、機関投資家が満足するようなインフラは整っている。」

このようにアブダビで開催されたミルケン研究所MENAサミットで発言したのは、ビットコインに関する強気発言を繰り返す米ヘッジファンド主導者、ノボグラッツ氏。


出典:Crypto Finally Poised to Get Institutional Money, Novogratz Saysからのスクリーンショット

「2017年末と2018年の初めのファンタスティックなバブルが弾けた」と語る同氏によると、クリプト市場は一般投資家から機関投資家へ主導権が移り変わるという。

また、現時点で機関投資家の市場が見られない理由として「資産管理サービスの欠如」を指摘したが、それは「今後数か月で見られるようになる」と述べた。

同氏が指摘するように、実際にも金融大手フィデリティの資産管理サービスは早くも来月には開始されると伝えられており、ICEの子会社であるBakkは 2019年第1四半期に現物決済を採用したビットコイン先物取引をローンチすることを計画している。

しかし、同氏は機関投資家が一度に市場へ流入したりファンタスティックな急騰が起きる、とは見ていないようだ。

「現在時点では、まともな資産管理サービスが4つか5つくらいしかないが、これらは機関投資家と協力している。例えば、フィデリティには既に100人、200人、300人の顧客が並んでいる。もちろん、彼らは初日から参入するつもりはなく、水がパイプを通って流れるのを見たいと思う。しかし、今後6〜12ヵ月の内に資金が市場へ流れるだろう。」

「デジタルゴールド」が次の大波で「頭抜ける」

ノボグラッツ氏によると、価格が最高値から80%以上値崩れした現在でもビットコインは依然として「デジタルゴールド」のような存在であるという。

同氏は、化学でお馴染みの「周期表」の例えを使い、以下のように述べた。

「周期表には118の元素があるが、”価値の交換手段”という理由で、ゴールドだけに価値がある。ビットコインはデジタルゴールドになるだろう。」

さらに、ビットコインが法定通貨とは異なり「政府からの影響」を受けないことについて言及し、「Soverignty (独立した存在であること)にはコストがかかり、そうであるべきだ」と述べた。

送金手数料や時間に関する批判が多いビットコインだが、その「価値の保存」手段としてのユースケースを推奨する同氏はそれらを問題視していないようだ。

米国金銀塊保管所がある「フォートノックスを知っているか」とブルームバーグ記者に問い、以下のように続けた。

「ゴールドは、銃や深い金庫室に囲まれて保管されている。また、それは価値の保存手段であるため、保管するのにはお金がかかる。そのため、(ビットコインが)無料で安いはずだ、という考えは誤っている。(コストが)ビットコインをユニークにしており、(価値の保存手段となるビットコインには)他の仮想通貨には必要ないくらいセキュリティが必須だ。」

また、以前は強気な価格予想を繰り返していた同氏だが、これからBTC市場が前回のバブルのように急激に上昇する可能性は低く、「徐々にそれが回復する」とのこと。

さらに、次回の強気市場ではビットコインが他の多くの仮想通貨と比べ、「頭が抜ける」とコメントした。

仮想通貨・ブロックチェーン分野への機関投資家からの関心が薄れているという報告もあるものの、既に多くの顧客からの信頼を得ている「資産管理サービス」の開始が市場回復を触媒するかもしれない。

原典:What High School Chemistry Taught Mike Novogratz about Bitcoin

ここまでの内容と考察

米ヘッジファンド主導者ノボグラッツ氏が、機関投資家の動向について言及したという、今回のニュース。

コストがかかるのは当たり前だ、という意見はよくあるようで実はあまり議論されていない内容かもしれませんね。

例えば、ゴールド市場全体のコストと比較するとBTCマイニングは「安い!」という見解もあるようです。

☞ビットコインマイニングは金鉱採掘よりも「20倍」安い!?

また、仮にビットコインが新時代の国際的な「金融インフラ」となるのであれば、コストがかかってもセキュリティに妥協しないような頑強なネットワークを築く必要がある、という意見もあったり。

経済が安定している先進国におけるクリプトの必要性はこれからも問われ続けるでしょうが、あらかじめソフトウェアに組み込まれた絶対的な「金融方針」を持つビットコインの需要が世界的に皆無でないことは確か。

実際にも、最初は誰も信じなかったようなインターネット上で生まれたファイルが、現在「0ドル」でないこと自体が何か重要なことを示唆しているのかもしれません。

先進国にも金融危機が2020年に迫っていると言われている中、ビットコインのような民間通貨に対する人々の認識は変化していくのでしょうか。

それとも、一世を風靡したハイリスク・ハイリターン資産として終わってしまうのでしょうか。

今後もビットコインの世界的な普及や当業界を牽引する著名人の発言に注目していきましょう!

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