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英ケンブリッジ大学研究チーム、BTCの死滅はメディアの「誇張」
- 2018/12/16
- 仮想通貨の最新ニュース
著名経済ジャーナリストがBTC価格の「底値」を2500ドル付近だと見定めるなど、弱気市場の終わりが近いという見解が仮想通貨アナリストによって示されつつある、現在のビットコイン市場。
☞弱気市場ラストスパート、BTC底値はズバリ「2500ドル」
しかし、ポンジ詐欺のようなビットコインには将来性がなく、BTC価格がゼロになるのではないかという見解も依然として強い。
また、最近ではBTC価格が「死のスパイラル」の中を歩んでいるとの主張さえあるようだが、果たしてそれは本当だろうか。
英著名大学の調査報告書によると、BTC市場が死に向かっているという報道は単なる「誇大広告」に過ぎないという。
ビットコイン市場の終焉は誇張されている、市場回復もそう遠くない!?
「(クリプト)市場とエコシステムの死が非常に誇張されている。市場参加者の拡大がせいぜい遅れるくらいだろう。」
このようにメディアによる仮想通貨市場に関する報道についてクリプト市場調査報告書で批判したのは、英ケンブリッジ大学ジャッジビジネススクール研究チーム。
過去9年間に5回に及ぶ大幅な下落が確認されているクリプト市場では、毎回バブルが弾けるたびに仮想通貨の「死」が報道されると指摘し、BTC価格が80%以上値崩れした現在でも強気相場が始まる前の2017年1月の水準を上回っていると述べた。
また同報告書によると、ユーザー数の観点からも仮想通貨の普及は進捗しているという。
それというのも、今回のアンケートに参加した仮想通貨プロバイダーが提供するサービスで開設されたアカウント総数は1億3900万を超えている。
その内の少なくとも3500万人がKYC(身元確認)を行なっており、その数は2017年には4倍、2018年には2倍増しているそうだ。
しかし、ほとんどの投資家は取引所を通じて仮想通貨を受動的に購入するだけで、(アクティブの定義はプロバイダーによって異なるものの)全ユーザーの38%のみしか仮想通貨を実際に使用していないようだ。
ビットコインマイニングの「中央集権化」
一般的にマイニングには以下の三つの「中央集権化」の懸念があると言われている。
・特定地域における施設の集中化
・プールの単一化
ケンブリッジ大学研究チームが実際にこれらを調査してところ、まず「ASIC機器製造企業」の62%がアジア太平洋に拠点を置き、そのうち73%は中国に集中していることが判明した。
次に、「マイニング施設」は主に中国、北米(米国 カナダ)、北東ヨーロッパ(ロシア、グルジア)など電気代が安い寒冷地を中心に世界中で散らばっているものの、中国にある施設がその大半であることが確認された。
しかし、最近では北米とスカンジナビアなどの地域がマイニング施設における市場シェアを拡大させている傾向にあるようだ。
複数のマイナーが共同してマイニングを行う「マイニングプール」に関して、同研究チームはプール運営者の「プール保有数」と実際にマイニングで競い合っている「プール数」を調査した。
その結果、92%の運営者は単一のプールしか運営していないものの、大規模なマイニング事業を展開する一部の運営者は、5プール以上を支配下に入れていることが分かったという。
また、各仮想通貨のマイニングプール数を調査したところ、以下のような結果となった。
出典:2ND GLOBAL CRYPTOASSET BENCHMARKING STUDY
特に注目すべき点としては、各仮想通貨におけるハッシュレート全体の50%以上が少数のプールによって支配されていることだ。
(仮にハッシュレートを独占する複数のプールが共謀した場合、取引が停止したり二重払いなどの問題が生じると懸念されている。)
尚、かねてより話題となっているマイニング電気消費量に関して、アルゴリズムPoWを採用する仮想通貨トップ6位全体で、世界の年間エネルギー生産量0.01%未満に値する年間52TWh-111TWhの電力が消費されていることが確認された。
また、一部のマイニング施設が100%再生可能エネルギーで稼働している一方、再生可能エネルギー使用率の全体平均は施設に対する供給電気量全体の約28%だという。
これらを踏まえた上で、同研究チームはビットコインマイニングにおける中央集権化の懸念は、「一般的に信じられているよりも集中化されていない」と結論付けた。
仮にマイニングの非中央集権化が進んでいるとしても、現状では依然として中国マイナーの影響力が強いようにも捉えらえるビットコイン市場だが、これに関する何か抜本的な改善策は考え出されるのだろうか。
原典:2ND GLOBAL CRYPTOASSET BENCHMARKING STUDY
ここまでの内容と考察
BTC市場が死に向かっているという見解は誇張されているとケンブリッジ大学研究チームが主張したという、今回のニュース。
ちなみにですが、このような発言をするのは同研究チームが初めてではなく、様々な業界人もこれに関して指摘しています。
例えば、ビットコイン元祖奨励家として知られているAndreas Antonopoulos (アンドレアス・アントノポウロス)氏は「死のスパイラル」を提唱した米経済学者のBTCマイニングに関する理解度の低さを厳しく批判しました。
☞BTC元祖奨励家、ビットコインは「死のスパラル」にはいない
直近のビットコイン価格に関しても、ゼロ、1500ドル、2500ドル、3000ドルなどの「底値」が予想されていますが、果たしてどのアナリストの見解が正しいでしょうか。
短期的なトレーダーの見解だけでなく、実際に仮想通貨を通じて何かしらの「価値」を生み出すことに日々励む業界人の意見や、長期的な仮想通貨の価値を考えてみることもたまには重要かもしれませんね。
今後も仮想通貨市場の興味深い話題に注目していきましょう!
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