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ハッカー集団、仮想通貨「約10億ドル分」の資金洗浄完了か
- 2019/1/29
- 仮想通貨の最新ニュース
2019年取引所「ハッキング」第一号としてニュージーランドを拠点とする取引所が顧客資産を流出するなど、現在でもセキュリティ問題が心配される、仮想通貨取引所。
☞クリプトピア取引所、2019年取引所「ハッキング」第一号か
そんな中、たった2つハッカー集団が過去数年間で10億ドル以上の仮想通貨を盗み取った、とブロックチェーン分析企業チェーンアナリシスが報告した。
尚、同社が追跡したアドレスをベースに推測すると、これらのグループは一回のハッキングでおよそ9000万ドルを得ていたという。
辛抱強い「犯罪プロ集団」の追跡は難しい!?
疑わしい取引を阻止するために、バイナンス取引所を含める主要取引所と協力して犯罪防止に努めている、チェーンアナリシス社。
同社の報告によると、ビットコインを始めとする主要パブリックブロックチェーン上の取引は追跡できるものの、犯罪グループは様々な方法で取引と身元を結びつけないように工夫しているという。
それというのも、データを隠すプロセスにおける統制がとれていたり、「忍耐強い」犯罪グループのトランザクションを追跡することは非常に困難だそうだ。
例えば、チェーンアナリシス社の報告書で言及されている2つのハッカーグループは、取引を追跡できないようにするために、平均112日待ってから資金を洗浄するという。
出典:Crypto Crime Series: Decoding Hacks
また、その内の1つのハッカー集団は、組織と取引を関係付けられる「証拠排除」のためになんと2年近く待っていたようだ。
このことについて、チェーンアナリシス社は以下のように述べた。
「犯罪の源を偽装しようとするハッカーは、盗んだ資金を一連の財布や交換所に入れて洗浄を試みる。その後、盗難への関心がなくなるまで待ち、40日以上資金を動かさないで観察する。そして、彼らが安全だと感じた時に素早く動く。」
また、同社チーフエコノミストであるフィリップ・グラドウェル氏は、厳格なKYCおよびAMLポリシーを採用した主要取引所でも完全に資金洗浄を防止することは困難だとThe Wall Street Journalで述べている。
そして、クリプト取引の偽装方法が向上していることについて言及し、不審取引を防止する唯一の方法は「取引所が互いに協力すること」だと強調した。
複数の取引所による仮想通貨犯罪防止のための取り組みは、既に始まりつつある。
例えば、韓国大手取引所Bithumb、UPbit、Korbit、およびCoinoneは資金洗浄を取り締まるための団体を結成した。
同団体の公式発表によると、取引所、銀行、および規制当局の協力は、KYCおよびAMLの「効率を高める」という。
「取引所間の協力は、マネーロンダリング防止の効率を改善する。顧客情報を取得することや取引監視において複数の取引所が協力するならば、資金洗浄を防いだり、より安全なトレード環境を作り出せるだろう。」
グローバル規模での取引所間の協力が拡大するにつれ、将来的には仮想通貨の犯罪利用を減少できるかもしれない。
原典:Crypto Crime Series: Decoding Hacks
ここまでの内容と考察
2つハッカー集団が10億ドル以上の仮想通貨を資金洗浄しているとチェーンアナリシス社が報告したという、今回のニュース。
パブリックブロックチェーン上の取引を閲覧することは可能ですが、最近では取引の「匿名化」に特化したサービスやウォレットが開発されていることもあり、取引追跡がより困難となっているのかもしれませんね。
☞過去最高額のビットコイン「匿名」送金完了!大注目のワサビウォレットとは
ちなみにですが、ライトコイン創設者であるチャーリー・リー氏は以下のようにツイートしていました。
Fungibility is the only property of sound money that is missing from Bitcoin & Litecoin. Now that the scaling debate is behind us, the next battleground will be on fungibility and privacy.
I am now focused on making Litecoin more fungible by adding Confidential Transactions. 🚀
— Charlie Lee [LTC⚡] (@SatoshiLite) January 28, 2019
「”代替性”はビットコインとライトコインから欠けているサウンドマネーとしての唯一の特徴だ。拡張性の議論が背後にある今、次の戦いはこの代替性とプライバシー(匿名性)になる。 私はライトコインに匿名機能を追加することによってをより柔軟にすることに現在注力している。」
この「代替性」というのは、ある1BTCが全ての1BTCと「同じものか否か」ということ。
法定通貨の場合、ある1万円札には他の1万円札と全く同じ価値があります。
そのため、過去の履歴が全く分からない法定通貨は「代替可能」と言われています。
一方、過去の取引がベースとなっている&明らかになっているBTCは「代替不可能」とされています。
(同じ1BTCでも、過去に資金洗浄されているような1BTCは「クリーン」な1BTCと同じ価値があるとは言えません。)
資金洗浄の問題は仮想通貨取引において今後も課題となるかもしれませんが、規制当局はどのように対応していくのでしょうか。
匿名通貨を広めるために米国大統領選挙に出馬する業界人もいる中、今後も仮想通貨犯罪の最新情報に注目していきましょう!
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