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ハードフォークには問題あり!?ゴールド市場専門家:「ビットコインは堕落している」
- 2019/6/12
- ビットコインについて, 仮想通貨の最新ニュース
ガべリ・ゴールド・ファンドの貴金属市場アナリストが、ゴールドと比較したビットコインの欠点についてKitco NEWSのインタビューで言及した。
人の手によって生み出されたビットコインは堕落している、と指摘する金融プロがいるようだ。
サトシ・ナカモトがビットコインを「貴金属のようだ」と表現したように、発行枚数上限が定められているビットコインは、地球上の採掘量が限られるゴールドのようなコモディティ(商品)に似ていると一般的に言われている。
しかし、ゴールド市場の専門家のクリス・マンチニ氏によると、ビットコインには中央銀行が顔をしかめるような幾つかの弱みがあるという。
人に創られたビットコインは「堕落」している
日本銀行と欧州中央銀行が通貨供給量を増加している中で米国連邦準備理事会も金利を下げるのではないかという見解が示されている昨今、ゴールドのような逃避資産への注目が集まっている。
例えば、ブルームバーグによると、為替・株式市場に対する不安が募っている最近はゴールド相場が高値を更新する可能性があるという。
一方、「マクロな(巨視的)な観点から相場を見ている」と語るゴールド市場の専門家のマンチニ氏によると、「円、ユーロ、ドル全ての供給量が増える」とゴールド相場が上昇する傾向にあるそうだ。
また、その理由としてゴールドが「通貨とは異なり、新たに生み出すことが出来ない」ことを挙げた。
しかし、希少性においてゴールドと同様な性質を持つことから逃避資産としても注目されているBTCに対して、マンチニ氏は悲観的だ。
#Bitcoin has been corrupted because it's a creation of man; #Gold can’t be corrupted as it's a creation of god, said @InvestGabelli analyst Chris Mancini | @KitcoNewsNOW @DanielaCambone @InvestInMining | #kitconews #121mininginvestment #invest $BTC $GLD | https://t.co/QPvAhxBMYs
— Kitco NEWS (@KitcoNewsNOW) June 5, 2019
ビットコインが「SOV(価値の保存手段)」として見なされていることを認識しながらも、マンチニ氏は中央銀行が「ビットコインではなく、ゴールドを購入している」ことを指摘し、「ハードフォークはクレイジーだ」と主張。
さらに、ビットコインからビットコインキャッシュが派生したように、ゴールドから新たな種類のゴールドが生まれることはないと述べ、ビットコインについて次のように結論付けた。
全体像として、ビットコインは人によって創られたものであるため堕落している。一方、ゴールドは神の創造物であるため堕落することはない。
金融機関はハードフォークを危険視している!?
当業界でも物議を醸すことが多いビットコインのハードフォークに関して、マンチニ氏と同様な見解を示す金融専門家は少なくない。
例えば、2018年の年末にBTC価格が1,500ドルへ向かうことを示唆したブルームバーグアナリストは、「ハードフォーク」について次のように述べている。
ハードフォークは、この技術が初期段階であることを顕著に伝える重要なものとなった。お互いが破壊し合うような狡猾な特徴を持っている。金融機関はそれらから離れるのがベストだと見ているだろう。
また、中央銀行がBTCの貯蓄を始めるかどうかという議論に関しても、サイフィーディーン・アモウス氏のようにかねてよりビットコインに前向きな発言をしながらもマンチニ氏と同様な見解を述べる経済学者はいるようだ。
ゴールドマイニング市場の長年の「堕落」
それでも、マンチニ氏が指摘したようにゴールド自体は「堕落していない」かもしれないが、ゴールド市場全体が堕落していないとは到底言い難い。
例えば、ゴールドマイニングはかねてより様々な人権的問題が指摘されており、直近ではSouth China Morning Postがカメルーンで事業を展開する中国企業と現地住民の衝突を報告した。
Chinese gold mining brings killings, land grabs and corruption to the surface in Cameroon https://t.co/LD2mJcwHTz
— SCMP News (@SCMPNews) April 23, 2018
金採掘の現場では、中国企業「Lu and Lang」の従業員が現地住民を殺害したり、現地住民が農地を手放すことを強要されていることが問題になっているだけでなく、地元メディアによると「将軍、大佐、議員、大臣、また大統領の甥」などの一部の人間がマイニングの「許可書」に関する権限を握っているという。
さらに、現地の社会活動家によるとカメルーンエリートによる堕落を示唆することは他にも挙げられるようだ。
軍がすべての採掘現場で中国人を保護しており、近隣の地域社会に損害を与えたり、不正な金儲けしている。
このような一例を見るだけでも、市場全体を考慮した場合、仮にビットコインに「人為的な堕落」が見られたとしても、ゴールド市場の「人権的な堕落」は度外視できないと言えるだろう。
地中から掘り起こすだけでも多くの工程を踏む必要があるゴールドマイニングと、誰からも許可を必要とせず、ピュアな計算力勝負でブロックが生成されるビットコインマイニングの違いは、将来の「価値の保存手段」を決める一つの重要な要素なのかもしれない。
「ビットコイン Vs. ゴールド」の議論が今後も繰り広げられることが予想される中、何が人々の心を動かす決定打になるかに注目だ。
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