ブロックチェーン+ IoT、未だ脆弱なサイバーセキュリティの現状

より便利な社会には、より高いリスクが伴うのかもしれない。

「スマートハウス」から「脳波」まで様々な分野で活躍することが期待されており、2023年までには200億以上のデバイスがインターネット上で繋がると言われている、IoT。

しかし、他全ての最新技術と同様に依然として課題は多く残っており、特にIoT関連のデータ、サービス、およびデバイスの安全性における「サイバーセキュリティの問題」が深刻だと言われている。

その一つの解決策として注目されているブロックチェーンに対する企業からの関心が、昨年だけでも2倍以上増加したことが明らかになった。

IoTの未来と「不安が残る」サイバーセキュリティの現状

ジェマルト社が技術者とビジネス専門家950名を対象に調査を行ったところ、IoT部門におけるブロックチェーン技術の採用が2018年中に9%から19%まで成長したことが判明した。

また、回答者の23%は同技術がIoTデバイスを保護するための「理想的な」解決策になり得ると報告し、現在ブロックチェーンを使用していない企業の内91%も将来的にそれを「検討する可能性がある」ことを示唆したという。

一見ブロックチェーンの認知度が高まっているように見えるが、同技術はまだ初期段階であるため、現状ではほとんどの企業が他のハッキング対策へ投資を続けているようだ。

具体的には、企業の71%が「データ暗号化」、66%が「パスワード保護」、また38%が「二段階認証」を統合しているという。

また、サイバーセキュリティ問題の深刻さを如実に表すかの如く、調査対象企業の半数近くがIoTデバイスがハッキングを受けているかどうかすら検出できていないとし、95%が「標準的なセキュリティに関する規制」を導入する必要がある、と考えていることが明らかになった。

これに関して、ジェマルト社データ保護部門CTOであるジェーソン・ハート氏は、サイバーセキュリティにおける政府による明確な規制が必要性を強調し、以下のように述べた。

「企業は、データ量の増加からそれを保護することに対するプレッシャーを感じている。ブロックチェーンなどに投資することでセキュリティ問題に対処しようとしていることはポジティブだが、露出されていないことを確認するための直接的な指導が必要。これを達成するためには、企業が政府に行動するよう圧力をかけなければならないだろう。ハッキングを受けた場合に、打撃を受けるのは政府だ。」

また、IoT対応デバイス数が増加傾向にある最近のトレンドを踏まえた上で、企業が依然としてハッキングを検出できない現状が「心配だ」とコメントした。

デバイスが増加することで、プライベートな情報を含めるより多くの情報が採集されることが予想されている近い将来は、サイバーセキュリティの頑強さは生活する上で必要不可欠になるかもしれない。

原典:Adoption of Blockchain to Secure IoT Doubled in 2018, Says Gemalto

ここまでの内容と考察

サイバーセキュリティ対策として、ブロックチェーン技術が大きな関心を集めているという、今回のニュース。

ブロックチェーンはブロックチェーンでも、どのような種類のものが注目されているかが気になりますね。

このことに関しては、オプシリアム創設者が以下のインタビュー記事で詳しく説明してくれています!

☞Optherium創設者が語る「銀行がポケットに入る次世代について」

それにしても、企業の半分以上がデバイスのハッキングを検出できないというのは少し怖い。

セキュリティの向上とハッカーの攻撃は「イタチごっこ」なんてよく言われますが、実際にIoTが普及できるくらいまでに技術が発展するまでにはどれくらいかかるのでしょうか。

同技術の基盤となると言われているブロックチェーンにも注目しながら、サイバーセキュリティの改善を期待したいですね!

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