デミロアーズ氏、SECに「ETFを承認する利点はない」

一昨年・昨年は実現しなかったものの、「今年こそは！」と多くの投資家から期待されている、ビットコインETF。

しかし、その申請を承認するか否かを判断するにあたり、米SECは依然として4つの懸念を持っていると報道されている。

☞ビットコインETFは実現可能か？SECの4つの懸念とは

また、資産管理グループCoinShares (コインシェアーズ)のCSOであるメルテム・デミロアーズ氏によると、年内にビットコインETF申請が認可される可能性は低いという。

SECがクリプトETFを承認する利点はない！？

「SECはビットコインETFを承認しない。なぜなら、それをすることの利点がないからだ。特に米国の政治情勢を考慮すると、マイナス面しかない。任命されている現職のSECやCFTCメンバーには、政治的な立場がある。民主党下院と共和党上院が金融革新において異なる見解を持っていることを踏まえると、ETFを認可する利点はない。」

前述のようにCNBC AFRICAのインタビューで言い切ったのは、デミロアーズ氏。

出典：Why Bitcoin Crashed today. 2019 Crypto Market Predictions.からのスクリーンショット

二院の「技術革新」に対する意見の違いを踏まえた上で、SECがビットコインETFを承認するメリットはないという。

また、「市場監視の欠如」含めるビットコインETFに関する根本的な懸念が残っている、と同氏は主張した。

SECがビットコインETFの懸念を指摘するのは同氏だけでなく、Barnes＆Thornburg事務所パートナーであるトレース・シュメルツ氏は、具体的に以下のような課題があると述べている。

市場操作 – 流動性が低く、規制が緩いスポット市場 (現物市場)は、潜在的に市場操作が行われる可能性がある。

価格変動 – ETFは、基礎となる金融商品の価格の動きと一致する必要があるため、仮想通貨のようなボラティリティのある市場において価格設定を行うことが困難。

流動性 – 投資金を直ちに清算できるように、十分な流動性を確保することが必要。

資産管理 – 先物ではなく、「物理的」に裏付けされているETFは、安全な資産管理が証明されなければならない。

最有力説！？VanEck (ヴァン・エク)によるビットコインETF

一方、Shomei Capital (ショーメイ・キャピタル)のマネージングパートナー、アージュン・バラジ氏によると、仮想通貨ETFが年内に展開される可能性は高いという。

しかし、バスケット (複数の資産）を扱うETF商品の登場には「懐疑的」だそうだ。

また、SECから2か月以内に判断が下される資産運用企業VanEckによるビットコインETFが、最も期待できると同氏は付け加えた。

依然としてビットコインETFに懐疑的な姿勢を見せているSECだが、果たして年内に大きな動きは見られるのだろうか。

原典：CoinShares CSO: SEC Unlikely To Approve Bitcoin ETF, Crypto Concerns Remain

ここまでの内容と考察

年内にビットコインETFが認可される可能性は低いとデミロアーズ氏が発言したという、今回のニュース。

アメリカの政治情勢を考えると、SECが積極的にビットコインETFを推し進めることは難しいのかもしれませんね。

ちなみにですが、以前から仮想通貨の「経済的な独立、自由、プライバシー」を推奨している同氏は、過去のインタビューで以下のように発言していました。

「(仮想通貨の)根本的な問題は、人々がしっかりとそれを理解していないこと。仮想通貨は、全てのコインを中央集権型の取引所に置いたり、コインベースやフィデリティで保管するようなものではない。これは、ビットコイン（のそもそものアイデア）と真逆だ。」

従来の金融サービスが縮小すると言われている中、それを促進するためには仮想通貨に対する意識が変化する必要があるのかもしれませんね。

まずは、仮想通貨が法定通貨と同じような電子マネーと捉えられているような現状を少しずつ変える必要があるかもしれませんね。

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今後も米規制当局の動向や業界人の興味深い発言に注目していきましょう！

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