キャッシュレス社会の新フェーズへ突入!?BTCは金融政策に対する「ヘッジ手段」か


中央銀行や大企業によって様々なデジタル通貨が考案されている中、BTCやLTCのような「希少性のあるデジタル商品」の需要が増加するとBraveNewCoinリサーチが報告した。


 
 
れから世界がキャッシュレス社会へ移行する一般的に言われているものの、それは法定通貨がデジタル化するだけのような単純ものではないと言えるだろう。

「個人」や「企業」が政府と同じくらい簡単に通貨を生み出せるような時代では、「誰がどのような方法で通貨を統制するか」という議論がかつてなく煩雑化することが予想される。

既にそのような予兆は見られ、最近ではスウェーデン中央銀行が「CBDC(中央銀行デジタル通貨)」の発行へ向けて本格始動していたり、また民間企業ではフェイスブックが独自コインを手掛けていることが報じられている。

そんな中、BNCリサーチによるとデジタル通貨は大きく分けて「4つの要素」から成るという。
 
 
デジタル商品が政府コインのヘッジになる!?
 

~Permission(許可が必要な)通貨~
・中央銀行が公認するデジタル通貨…法定通貨

・企業通貨(Facebookコインなど)…正式だが法定通貨ではない

~Permissionless(許可が必要ない)通貨~
・デジタル商品のお金(ビットコインやライトコインなど)および商品に裏付けされたもの…非公式だが大部分は合法的

・デジタルキャッシュ(ZcashやMoneroなど)…非公式および違法となる可能性がある

 
上述のようにデジタル資産を分類したBNCによると、BTCやLTCのような希少性のある「デジタル商品」は、金融政策や監視資本主義に対するヘッジとして説得力のあるユースケースを提示するという。

それというのも、各国の中央銀行がマイナス金利などのMMT(現代貨幣理論)やデジタル通貨発行を検討している中、ビットコインのようなデジタル商品は金融政策による意図せぬマイナスの結果に影響されない。

そのため、BTCやLTCへの需要は、インフレを抑制するために米国や他の国々が特別な金融政策へ移行するにつれて、「劇的に増加する」と考えられるという。

また、特に国際貿易や政治情勢によって発生するのボラティリティに対するヘッジ手段として、複数の商品に裏打ちされたデジタル通貨は貿易決済における「超国家的な単位」として扱われるようになることが予期できるそうだ。
 
 
政府コインも競争を強いられる近未来の自由市場
 
現時点では、上述にあった全てのデジタル資産が暗号学を採用しているため「暗号資産」という新たな資産クラスに分類されているが、BNCが示唆するようにそれぞれは本質的に大きく異なる言えるだろう。

また、既存の金融システムの効率化を図るだけでなく、それを代替するような新たな金融インフラ構築を目指す当業界が、ブロックチェーン技術を使用していたとしても「許可が必要なコイン」に楽観的だとは言い切れない。

例えば、ブロックチェーン開発企業IOHK代表取締役であるチャールズ・ホスキンソン氏は、JPモルガンが発行した独自通貨に対して次のようにコメントしている。

 

JPMコインを見ると、JPモルガンがこの業界を何も理解していないのがわかる。醜態を晒しており、みっともない概念だ。5-6機関と共に全てを行うという完全な負け犬。必要とされておらず、使い道もない。当業界にいることを主張するための単なる概念実証であり、執行役員の奇妙な空想を正当化するようなものだ。

それでも、フェイスブックのような多くのユーザーからの信頼がある企業によって発行されるコインは、デジタル通貨全般の将来性を肯定し、またデジタル通貨の認知度を高めるという意見もある。

ゴールド支持者として有名なEuro Pacific Capitalの代表取締役であるピーター・シッフ氏が「資本主義を信じるならば、あなたは自由市場と価格発見を信じることになる」と以前発言していたが、これまで政府によって発行される「通貨」は自由市場で競争していなかった。

しかし、ブロックチェーン技術によって様々な価値が「トークン化」することが可能になった今、それが変化する可能性も完全には否定できないだろう。

多くの人が欲するような「ベスト」なお金は、どんなお金だろうか。

ノーベル賞受賞経済学者ハイエク氏が夢見たような「民間によって発行される通貨」が実現した中、これからの通貨における「当たり前」の変化に注目だ。

 
 


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