韓国大手取引所ビッサム、合併事業展開でセキュリティトークン取引開始!?

「コイン(通貨)」を発行するというブロックチェーン技術のユースケースが各国の規制当局によって危惧される中、レベニューシェアや有価証券などを規制に準じて「トークン化」する動きが、最近になってから一段と活発化しているようだ。

例えば、直近では世界最大級の取引所Binance(バイナンス)が、マルタ証券取引所とMOUを締結し、セキュリティトークンプラットフォームを展開する計画を発表している。

そんな中、韓国取引所大手Bithumb(ビッサム)が、ITO(イニシャル・トークン・オファリング)による資金調達を促進するプラットフォーム「seriesOne(シリーズ・ワン)」と合併したことを発表した。


出典:seriesOne公式ページ

仮想通貨取引所2.0、韓国大手による新たな取り組み

分散型取引所を開設する計画を発表したり、シンガポール拠点のブロックチェーンコンソーシアムに約400億円で売却されたことで最近大きな注目を集めている韓国仮想通貨取引所、ビッサム。

そんな取引所大手が、金融プロ集団から成るシリーズ・ワンと合併し、SEC(米国証券取引委員会)やFINRA(米国金融業規制機構)が定める規制に準拠するセキュリティトークンの取引プラットフォームを展開すると発表した。

グローバル規模でトークン取引を展開する同プラットフォームは、2019年上半期のリリースを目指しており、資金調達と技術サポートはビッサムによって提供されるという。

また、元FSC(大韓民国金融委員会)副委員長であるKaine Kim(カイネ・キム)が韓国におけるマネージングディレクター兼アジア事業統括責任者に任命されているようだ。

今回の合弁事業に関し、ビッサムCEOであるBack Young Heo(バック・ヤング・ヘオ)氏は、

「投資銀行業務、コンプライアンス、またテクノロジーに関するシリーズ・ワンの知見に感心しているだけでなく、証券規制がトークン販売にどのように適用されるかということについての理解度に感銘を受けた」

とシリーズ・ワンとの将来的な取り組みに胸を膨らませた。

また、シリーズ・ワンCEOであるMichael Mildenberger(マイケル・ミルデンバージャー)氏は、ビッサムを「仮想通貨とブロックチェーン業界におけるグローバルリーダー」と称賛した。

米国でセキュリティトークンの普及が拡大する風潮が強まる中、バイナンスやビッサムを始めとするグローバル仮想通貨取引所は、それに乗り遅れまいと準備を進めているようだ。

原典:seriesOne Joins Forces with Bithumb, a Leading Global Crypto Exchange

ここまでの内容と考察

ビッサム取引所が、デジタルトークンの発行を促進するシリーズ・ワンと「合併事業」を展開することを発表したという、今回のニュース。

Binance(バイナンス)が、「分散型取引所」や「セキュリティトークンプラットフォーム」へと進化を遂げる真っ只中、ビッサムも同様な取り組みをしているようですね。

ちなみにですが、シリーズ・ワンのプラットフォームで既に開始される「ITO(イニシャル・トークン・オファリング)」ですが、概念的にはSTO(セキュリティトークンオファリング)と厳密な違いはありません。

どちらも有価証券やレベニューシェアなどの「価値」をトークン化しています。

これが実際に普及し、流動性も高まると、資金調達方法や企業経営のあり方がまた少し変化していくかもしれませんね。

従来の資金調達方法の一つである「IPO」がどのような影響を受けるかにも注目ですね。

今後もセキュリティトークン市場や仮想通貨取引所の新たな取り組みを追っていきましょう!