ビットコインETFは実現可能か?SECの4つの懸念とは

ビットコインETFは実現可能か?SECの4つの懸念とは

数年前から開始されることが噂されていたものの、なかなか実現されるまでに至っていない、ビットコインETF。

☞ビットコインETF承認までの道のりは長い!?市場操作リスクが懸念か

現状では一体どのようなことが議論されているのだろうか。

Barnes&Thornburg事務所のパートナーであるトレース・シュメルツ氏によると、ビットコインETF申請を承認するにおいて、SEC (米国証券取引委員会)は4つの懸念を持っているという。

懸念材料多し!?技術革新よりもリスク重視か

市場操作 – 流動性が低く、規制が緩いスポット市場 (現物市場)は、潜在的に市場操作が行われる可能性がある。

価格変動 – ETFは、基礎となる金融商品の価格の動きと一致する必要があるため、仮想通貨のようなボラティリティのある市場において価格設定を行うことが困難。

流動性 – 投資金を直ちに清算できるように、十分な流動性を確保することが必要。

資産管理 – 先物ではなく、「物理的」に裏付けされているETFは、安全な資産管理が証明されなければならない。

ETF申請を検討するにおいて、米規制当局が抱えているであろう懸念をこのようにリストアップしたのは、シュメルツ氏。

しかし、BTC市場が成熟過程にあることについて同氏は言及し、前述の懸念は全て「解決された」と主張。

最終的な結論としては、

「SECは、ビットコインETF申請を認可することで規制的懸念よりも技術革新を重視するべき」

と述べ、イノベーションに焦点を当てた取り組みの必要性を訴えた。

シュメルツ氏がSECによるビットコインETFの取り組みに楽観的な姿勢を見せている中、セント・メアリー大学教授であるアンジェラ・ワルチ氏によると、米規制当局のアジェンダにおける技術革新は投資家保護の二の次だという。

「規制当局は、システム障害を回避しながら、消費者を保護し、イノベーションを促進するという綱渡りを続けている。しかし、クレイトン委員長を始めとする多くのSEC委員は、消費者と金融システムを保護することを最優先しており、技術革新は二の次だ。」

また、SECは仮想通貨が従来の金融システムにもたらすであろう「リスク」に注視している、と続けた。

しかし、SEC委員の中にも、Hester Peirce(へスター・ピアース)氏のように、ビットコインに積極的な人物もいるという。

多くのSEC委員が技術革新に否定的であるため、ピアース氏を始めとする仮想通貨にフレンドリーな委員は自身の見解が実際に制定された際のリスクを心配することなくイノベーションを促進できているそうだ。

SECが積極的なICO規制を開始している中、米クリプト規制強化による仮想通貨市場への影響に注目が集まる。

原典:Analysis: Understanding theSEC’s Stance on Crypto

ここまでの内容と考察

ビットコインETF申請を承認することにおけるSECの4つの懸念についてシュメルツ氏が言及したという、今回のニュース。

資産管理のような、技術的にはそこまで困難とも言えないよう懸念でも、規制面から考えるとなかなか時間を要するようですね。

従来の金融システムのように第三者によるカストディをそもそも必要としていないビットコインですが、やはり自分の資産は自己管理するというパラダイムシフトが起こるまでには、もう少し時間がかかるかもしれません。

これについて、ツイッター上では以下のような声が挙げられていました。

「考え方を大きく変える必要がある。 資産管理および取引上の責任の委任は、ビットコインの存在理由に反する。秘密鍵の管理および取引におけるデューディリジェンスにおいて、個人的な責任を負う方法を教えるために、徹底的な努力が必要となるだろう。」

しかし、最新技術に対して必ずしも敏感でない高齢者を含める大衆に秘密鍵の管理まで全てを要求するのは難しいかもしれません。

(仮に自分の不動産をトークン化した後に秘密鍵を紛失したら、家の所有権がなくなってしまうなんてことがあったら大変かも。)

この点からも、より簡単でセキュリティの高い仮想通貨スマホアプリの登場が必要不可欠かもしれませんね。

今後も世界各国の規制当局の取り組みに注目していきましょう!

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