MyEtherWallet、ついに「KYCなし」で法定通貨へ変換可能へ

プライバシーに関する問題や一般ユーザーにとって手続きの困難なことから、クリプト業界では煙たがれる傾向にある、KYC (顧客確認)。

全てがオンライン上で行われることもあり、特に高齢者には敷居が高いと言われているKYCプロセスだが、「パスポートをかざしながら自撮りをしたい!」と思うような若者も少ないだろう。

しかし、テロ支援や資金洗浄などを含める犯罪目的に仮想通貨が使われることを防止するため、「KYCは必須だ」という意見も多い。

そんな中、人気仮想通貨ウォレットMyEtherWallet(MEW)」が、KYCなしで仮想通貨を最大5,000ドルまでの法定通貨へ交換できるサービスを開始したという。

匿名ではないが、「KYC」なしで法定通貨に交換できる

MEWの最新バージョン「V5」に付属する仮想通貨/法定通貨の交換機能は、スイスの金融サービスプロバイダであるBity社と共同で開発および推進されているようだ。

「exit-to-fiat gateway (法定通貨への出口)」と呼ばれるこの新機能は、ビットコインまたはイーサをユーロまたはスイスフランと交換可能にするという。


出典:MEW公式サイト

KYCなしというこの斬新なサービスは、Bityがスイスの「反マネーロンダリング条例」に準拠していることや、同国の規制および監査されている金融仲介機関であるため実現できたそうだ。

MEW代表取締役であるコサラ・ヘマチャンドラ氏は、同サービスについて以下のように述べた。

「法定通貨への出口は、KYC認証なしで人々が仮想通貨を法定通貨に交換できるため、世界中のクリプトユーザにとって大きな変化となるだろう。」

銀行の慣行はもう「進化」しなければならない!?

そもそもKYCは、法律、規制およびセキュリティ上の理由から、主に取引所などでユーザーに課されるプロセス。

ユーザーは、IDやパスポートなどの本人確認書類や、特定の文章が書かれた紙などを掲げて自撮り写真を提供する必要がある。

これは従来の銀行が実施している慣行であるものの、一般的に「理想的ではない」と認識されていることが多い。

例えば、スウェーデンの金融グループSEB ABのノルウェーにおける事業責任者であるジョン・チュレソン氏は、ブルームバーグの取材に対し、KYCの手続きは「非常に時間がかかり、顧客にとっても煩わしい」と述べている。

また、SelfKey財団を管理するエドマンド・ローウェル氏も、KYCプロセスの「厄介さ」とブロックチェーン技術が可能にする次世代の個人および企業の認証について独自の見解を明かした。

しかし、多くの企業は、オンボーディングユーザー体験をあまり考えずにKYCを実施しているのが現状だ。

(オンボーディングとは、ユーザーを新たなプラットフォームへ取り込むために必要な過程のこと。)

例えば、著名仮想通貨交換プラットフォームShapeShiftは、KYCを導入すると昨年9月に発表し、物議を醸した。

☞ビットコイン元祖奨励家白旗を掲げる、ついにシェイプシフトもKYC強制

KYCにはこのような背景があるため、今回のMEWとBityの取り組みは注目が集まっているようだ。

しかし、「KYCなし」は「個人情報を提供しない」という意味ではなく、あくまでも従来のような書類のアップロードや自撮りが必要ないだけとのこと。

ユーザーは、電話番号や銀行口座に関する情報をBityへ提供する必要があるようだ。


出典:MEW Introduces KYC-less Crypto “Exit-to-Fiat” Gateway, Powered by Bity

尚、MEWは個人情報を保管していないことを強調した。

世界中のユーザーを巻き込むエコシステムを形成する仮想通貨の普及を促進するためにも、従来のKYCのあり方は変わらなければならないのかもしれない。

原典:Something New for the Cryptoverse Coming from MEW

ここまでの内容と考察

MEWウォレットがKYCなしで仮想通貨と法定通貨を交換できるサービスを開始したという、今回のニュース。

しかし、完全に全てが匿名で行える、という訳にはいかないようですね。

ちなみに、KYCの重要性を認めながらも、それを煙たがるのは前述に上げられた金融経験者達だけではありません。

例えば、サスクエハナのデジタル資産責任者スミス氏は、KYCが高齢者を仮想通貨エコシステムへ呼び込むのを妨げていると述べ、以下のように続けました。

「新しい資本が市場へ流入するための入り口が容易ではない。現在のところ、グローバル機関は思うようにビットコインを購入できない。 第二次世界大戦を経験したような富裕な人世代は、高解像度の運転免許証の写真を撮り、それをウェブサイトにアップロードし、入金するなんてことはない。フィデリティやバンクオブアメリカに投資したいだろう。」

KYCプロセスそのものの困難さや、もしアップロードした本人確認書類や自撮り写真などの情報がハッキングされたりなどのことを考えると、やはり何かが変わらなければならないのかもしれません。

仮想通貨ユーザーの顧客確認情報は、本当に安全に保管されているのでしょうか。

☞ユーザーのKYC情報がダークネットで売られている、バイナンスも

今後も仮想通貨市場における重要な発展や取り組みに注目していきましょう!

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