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イラン民間防衛機関長官、クリプトで米金融制裁を「回避」する
- 2018/11/5
- 仮想通貨の最新ニュース
「最高レベルの経済制裁」を課すとイランに言い放ち、今年5月に核合意から離脱することを表明した、米大統領Donaldo Trump(ドナルド・トランプ)氏。
直近でもイラン経済を徹底的に疲弊させるために、追加制裁を行う意向を明らかにしている。
一方、米国に押さえつけられているイランは、仮想通貨を使用して米金融制裁の回避を目論んでいるようだ。
仮想通貨による「SWIFT」を使わない国際送金
前述にもあったように、核合意を巡って米国との再交渉に応じないイランは、SWIFTシステムの基軸となっている米ドルへの依存を減らし、仮想通貨に移行することを本格的に検討しているという。
背景としては、トランプ大統領が今年初めにイランに対する金融制裁を実施し、イラン通貨「リヤル」が歴史的な安値を更新していることが挙げられる。
これに関して、イラン民間防衛機関の長官であるGholam Reza Jalali(ゴラン・レザ・ジャラ)氏は、
「仮想通貨は、銀行業務を通じて追跡不能なため、特定の制裁を迂回するのに役立つだろう」
と国営テレビ局Channel 2のニュースで語った。
Iranian General Gholam Reza Jalali has recently hinted that Iran could easily evade international financial sanctions by using untraceable cryptocurrencies.#iran #politics #crypto #cryptocurrency #blockchain #monero #pivx #zcash #bitcoin #dash #verge #CryptoNews pic.twitter.com/VPvapWyDqF
— Setcoins (@setcoins) 2018年10月30日
イラン、国家主体のステーブルコインを開発中!?
イラン政府が仮想通貨に興味を示すのは、今回が初めてではない。
オバマ政権時代に成立した「核合意」をトランプ政権が正式に撤回した後の今年5月、イランとロシアは二国間貿易における仮想通貨の利用を本格化を目指すための協議を行っている。
これについて、経済自由貿易委員会の委員長であるMohammad Reza Pourebrahimi(モハメド・レザ・ポウレブラヒミ)氏は、
「この取り組みを進めると、商品交換を仮想通貨で行う最初の国になる」
とコメントし、イランとロシアは意思の疎通が取れているとしている。
また、今年2月イランISC(情報通信技術)大臣であるMohammad-Javaz Azari(モハマド・ジャバズ・アザリ)氏は、国家主体の仮想通貨の発行をすること議題として取り上げられていることについて言及。
それの実験モデルが準備完了であることを今年5月に報告している。
同仮想通貨は、リヤルで価値が裏打ちされており、それが基盤となる分散型プラットフォームには「Hyperledger Fabric (ハイパーレッジャー・ファブリック)」が選出されたそうだ。
「Disruptive technology(破壊的技術)」と称賛ブロックチェーン技術を始めとする分散型技術だが、果たしてイランの様にそれを利用することにはどのようなリスクがあるのだろうか。
原典:Untraceable Cryptocurrency Can Help Us Bypass Sanctions: Iranian General
ここまでの内容と考察
イランがアメリカからの金融制裁を仮想通貨を使って免れようとしている、今回のニュース。
リヤルと言うイランの「法定通貨」にペッグされた仮想通貨の開発を進めていることもあり、アメリカの圧力に今後も影響されるかもしれませんね。
米国によるイランへの金融制裁に対して、ツイッター上では以下のような声が挙げられていました。
【焦点】イラン金融制裁、米政権内の姿勢に食い違い
ドナルド・トランプ米政権はイラン経済の心臓部を狙う制裁発動を数日後に控え、圧力強化の極めて重要な決断を迫られている。イランを世界の金融システムから締め出すため、欧州の同盟国に同調するようどこまで強く要求できるかの見極めだ。
— Ueno Macoto (@BoyUeno) 2018年10月25日
国際司法裁判所の判断ではイラン制裁でも人道的な制裁は認められないとされ、米政府の制裁でも人道的な制裁適用除外はあるが、金融制裁はあらゆる取引に引っかかってくるので、人道的なものであっても銀行が決済を拒めば食料や医療品も手に入らなくなる。大問題。
— Kazuto Suzuki (@KS_1013) 2018年10月17日
国家同士の問題はもちろん重大ですが、当事国に在住する国民の生活がそれに大きく影響されてしまうことが心配です。
また、最近では仮想通貨の大衆への普及の第一歩としてステーブルコインが大きな注目を集めていますが、法定通貨とペッグされるステーブルコインは「仮想通貨」というよりかは、「法定通貨+」くらいにとらえた方がいいかもしれませんね。
(ちなみにですが、ステーブルコインの大きな利点としては、ベネズエラを始めとする経済が不安定な地域に住んでいる人が、米ドルなどにペッグされて仮想通貨で「価値を保存」できることが挙げられます。)
今後も社会に対する仮想通貨の影響について注目していきましょう!
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