米国政治家のクリプト実験、トークンを使ったユニークな選挙活動とは?


FEC(連邦選挙委員会)が、米フロリダ州選挙区で出馬する無所属候補者に対して、選挙ボランティアの報酬に金銭価値のないトークンを配布することを許可する方針を諮問意見草案で示した。


 
 
 
 
ークンを貰うことは誰にとってもやっぱり嬉しいものだ。

初めて仮想通貨を手にした時の感動を覚えている人は多いのではないだろうか。

一般的にICOやIEOで販売され、依然として投機的な一面が強いトークンだが、価値をブロックチェーン上でトークンとして形作るという技術革新は様々な場面で使用されることが期待されている。

そんな中、米フロリダ州議会の候補者は政治キャンペーンの一環として「トークン配布を実施する」という独特な選挙活動を計画しているようだ。
 
 
トークンは「記念品」みたいなもの
 
フロリダ州議会候補者のオーマー・ライズ氏は、「仮想通貨実験」として選挙ボランティアや関心のある有権者にトークンを配布することの許可を求める書簡を今年5月30日にFECへ送った。

Omar2020と名付けられたトークンは、イーサリアムブロックチェーンで発行され、選挙活動の「動機付け」として配布されるという。

具体的には、ライズ氏の選挙活動に関連する以下のタスクをこなすことでトークンを獲得できるそうだ。
 

1. 仮想通貨チュートリアルのイベント参加:1 OMR

2. イベントで選挙登録する:10 OMR

3. 政治活動ボランティア参加:50 OMR

4. 政治活動ボランティアへ新たな参加者を呼び込む:75 OMR

5. メールリスト登録:100 OMR

6. 請願書を一番多く集める:200 OMR

7. Omar2020のイベントを主催:1000 OMR

 
しかし、OMR2020トークンには「金銭的な価値」がなく、バッジや帽子のような「選挙活動の記念品」であることをライズ氏は書簡で強調した。

また、トークン購入やトレードは「ノー」だと主張し、取引には「イーサリアムを保有する必要がある(=ETHで手数料が支払われる)」ため、実質的な取引回数はOmar2020委員会から受取者への「1回」のみだという。

しかし、分散型取引所やP2P取引についてライズ氏はコメントしなかった。

それでも、FECはトークンを使用した政治キャンペーンに前向きだ。

ライズ氏の書簡に対する最初の返答となる7月5日に公開された諮問意見草案で、FEC議長エレン・ワイントロー氏はOMRが「バンパーステッカー、庭の看板、バッジなどの伝統的な選挙活動の記念品に似ている」と述べた。

また、選挙支援の報酬としてのトークン配布は「連邦法に違反しない」と指摘。

さらに、(P2P取引については言及しなかったものの)トークンの移転によって発生する取引手数料は支出として報告するべきだという見解をワイントロー氏は示した。

尚、同草案はFEC公会議で検討されるが、公式サイトによると7月24日に予定されている次回の会議の詳細は現時点で明らかになっていない。
 
 
政治家トークンも価格が上がる!?
 
金銭的な価値がない記念品として配布される選挙キャンペーン用トークンだが、候補者の将来的な活動によっては価値が生まれるかもしれない。

例えば、第35代米国大統領ジョン・F・ケネディ氏の大統領選挙キャンペーンで配布されたバッジはe-bayで10ドル以上で販売されている。

また、選挙キャンペーンにおけるトークン配布には他にも利点があり、例えばブロックチェーン上に記録が残るため、ボランティア参加者は支援する候補者をサポートしたという改変不可能な「証拠」を残すことが可能だ。

さらに、現時点で仮想通貨と直接的な関係性がない活動におけるトークンの使用は、これまで仮想通貨に興味を示さなかった人がそれに触れ合う機会にもなり得る。

実際にも、これまでBTCのバッシングを続けていた米著名リバタリアンのピーター・シッフ氏は、仮想通貨を獲得したことでそれに対する意見を少なからず変えつつあるようだ。

ゴールドを推奨することでよく知られているシッフ氏は、2,800ドル相当のBTCを受け取った後にYouTubeで「ビットコインチャレンジ」をライブ配信することを発表し、ビットコインに関する「私の考えを変えることができるなら、これがあなたのチャンスだ」とツイートした。

また、直近の市場の動きを踏まえた上で、ビットコインの将来性を否定しながらも次のように発言している。
 

ビットコインの市場支配率は現在65%以上まで上昇している。アルトコインが価値を失うにつれ、多くの人はビットコインが勝者であり、デジタルゴールドとして認識する。しかし、アルトコインが崩壊できるなら、ビットコインも崩壊できるだろう。これは、ビットコインが信頼のおける価値の保存手段に決してならないことの1つの理由だ。

 
仮想通貨を手に入れ、第三者に頼らずに資産を自己管理するようになってから初めてわかる「仮想通貨の魅力」に気付けるような機会が今後さらに増えることに期待だ。
 
 


 
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