イーサリアム創設者、ブロックチェーンは「市場だけでなく社会運動だ」

ETH価格が今年1月13日のピーク時から92%の価値を失っていることもあり、トークンの存在価値そのものが問われている、イーサリアム。

拡張性問題の解決に至るまでには後数年かかると見られているものの、多くの業界人は依然としてイーサリアムに強気なようだ。

イーサリアム共同創設者兼コンセンシス創設者であるJoseph Lubin (ジョセフ・ルービン)氏が、イーサリアムエコシステムの順調な成長について語った。

インフラ構築は絶好調!?ウォレットダウンロード数もアップ!

1000人以上の従業員を抱え、世界29ヵ国でグローバルな事業展開するまでの成長を遂げたクリプト新興企業コンセンシスの創設者である、ルービン氏。

直近では、同社の「組織大改革」に関して発表したことが記憶にも新しい。

>>ConsenSys、パフォーマンスが悪いプロジェクトを「排除」へ

そんな同氏によると、イーサリアムネットワークは順調に成長しているそうだ。

「ブロックチェーンは市場以上のものであり、社会的な運動だ。仮想通貨の時価総額は業界の活動を反映していない。分散型ネットワークは成長している。」

と主張し、イーサリアムの重要なインフラとなっている主要サービスTIM(Truffle、Infura、MetaMask)の需要が増加傾向にあることについて言及した。

例えば、ノードを持たなくともアプリ開発を行えるコンセンシス社のサービス「Infura(インフラ)」には、毎日100億回のAPIリクエストがあるという。

また、ブロックチェーン製品を構築するためのテスト環境を提供する「Truffle(トラフル)」は、100万回ダウンロードを記録。

最近スマホ版が登場したことでも話題となった、主にイーサリアムで発行されるICOトークンを保管するために使用される仮想通貨ウォレット「MetaMask (メタマスク)」も、100万回ダウンロードされているそうだ。

過去11ヶ月間にわたるETHの資産としてのパフォーマンスは低下しているものの、このようなTIMの需要が増加し続けている事実を踏まえた上で、同氏はイーサリアムの長期的な成長に関して「希望的」なようだ。

ICOプロジェクトもイーサリアムを見捨てていない!?

イーサリアムエコシステムを推奨することで有名なコンセンシス社同様に、多くのICOプロジェクトもイーサリアムの将来性を見出している。

そのような姿勢が如実に表れている一例として、ICOプロジェクトがETHのロングポジションを持っていることが挙げられる。

それというのも、ETH市場で急落に次ぐ急落が確認されている中、ICOプロジェクトはそれを売却していない、ということが最近実施された調査で判明した。

HASH CIBのアナリストであるMarat Garafutdinov (マラット・ガラフトディノブ)氏は、このことについて以下のように述べている。

「現在のところ、ICOプロジェクトはETH供給量全体の最低3.4%を保有している。 この調査結果は、別のリサーチャーによっても確認されている。」

実際にも、ディアー社が実施したICOプロジェクトの財務状況に関する調査でも、それらが資金調達の際に集めた約4割のETHを保有していることが明らかになっている。

>>ICOプロジェクト、まだイーサリアムを売っていない!?

EOS(イーオス)やCardano(カルダノ)を始めとする競合プラットフォームが増加している中、分散型プラットフォームの代名詞となっているイーサリアムの今後の発展に注目が集まる。

原典:Joseph Lubin: Forget Price — Ethereum Adoption is Growing Rapidly

ここまでの内容と考察

イーサリアム共同創設者であるルービン氏が、イーサリアムエコシステムの成長について言及したという、今回のニュース。

ETH市場が冷え込んでいるものの、エコシステムは順調に拡大しているようですね。

前述にもあったルービン氏は、以前以下のようにツイートしていました。

「背後で支えている人々がいるからブロックチェーン技術を信じている。(システムを)構築する開発者、エンジニア、技術者。コードを監査して安全性を保つスマートコントラクトの専門家。ユーザー経験に深く関わるデザイナー。Web3の話をするマーケティング担当者。」

拡張性問題解決が急がれる本日ですが、果たしてイーサリアムは今後も他プラットフォームと競合していけるでしょうか。

今後もICOブームのきっかけを生み出したイーサリアムの動向に注目していきましょう!