アリアンツ経済学者、クリプトは「今後も存在し続ける」

法定通貨を代替するような「新たな決済手段」としての仮想通貨のユースケースが業界初期から注目されている中、今の現状を踏まえた上で専門家はどのようなことを思っているのだろうか。

アリアンツ社チーフ経済学者であるMohamed El-Erian (モハメッド・エル-エリアン)氏によると、仮想通貨は現在の弱気市場からは脱却できるものの、法定通貨を代替するようなものにはならないという。

実はコモディティ!?仮想通貨は「通貨」でない

「仮想通貨は、今後も存在し続けるだろう。また、これからも普及するだろうが、あくまでも(経済全体)のエコシステムの一部だろう…アーリーアダプター(革新的採用者)が信じるように、それが支配的な存在になることはない。」

上述のように言い切ったのはアイアンツ社のエコノミスト、エル-エリアン氏。

同氏は、仮想通貨が「通貨」としての性質を持っていないことを指摘し、それを踏まえた上でクリプト全般が「コモディティ」だと主張した。

また、一般投資家が仮想通貨投資に慎重になっていることについて言及し、機関投資家の市場参入について以下のように述べた。

「興奮は背後にあり、現在では従来の金融機関が足場を固め始めている。これは長期的に見るといいことだ。」

同氏が仮想通貨について発言したのは、今回が初めてではない。

今年9月に、長期で蔓延る弱気市場に関する質問に対して、「仮想通貨は死んでいない」と主張したものの、BTCは過大評価されており、その価値およそ「5000ドルであるべき」という見解を明らかにしていた。

ビットコイン奨励家のTim Draper (ティム・ドレイパー)氏Erick Voorhees (エリック・ボアヒーズ)氏、またツイッター社CEOのJack Dorsey (ジャック・ドーセイ)氏を始めとする業界人の多くが、「クリプトは法定通貨を超える」という見解を明らかにしている中、それの普及には今後どのように課題があるのだろうか。

原典:Crypto Will Survive Bear Market But Won’t Replace Money: Allianz Chief Economist

ここまでの内容と考察

アリアンツ社のエル-エリアン氏が、仮想通貨は法定通貨を上回るような存在にならないことを示唆したという、今回のニュース。

同氏の言うように、仮想通貨を手にすること自体がなかなか困難な現在、法定通貨のようにそれが多くの手に渡ることが難しいかもしれませんね。

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仮想通貨の普及を促進するような一つの手段として注目されているステーブルコインについて、ツイッター上では以下のような意見が挙げられていました。

「法定通貨で価値が裏打ちステーブルコインはいい足がかりになるだろう。法定通貨と仮想通貨の間を橋かける。」

仮想通貨に対する批判は依然として止むことはないでしょうが、仮想通貨業界はそれを乗り越え、世界中の誰もが仮想通貨で簡単に取引を行うことを実現できるのでしょうか。

これからも新しい経済のインフラを構築しようとする仮想通貨業界に注目していきたいですね。