英ウォッチドッグ、最終版ガイダンスを公開へ

かねてより仮想通貨全般に関する様々な懸念を示していた英規制当局だが、中央集権型の機関によって「発行および支援されていない」ビットコインは、電子マネー規制の対象外となるようだ。
 
 
BTC、ETH、LTCは規制対象外か
 
FCAが先月31日に公開した最終版ガイダンスでは、異なる特徴を持つトークンが「規制されているかどうか」を市場参加者がより理解できるように、暗号資産が次の3種類にカテゴリー化された。
 

 
 
FCAによると、「セキュリティトークンおよび電子マネー」と見なされない全てのトークンは「規制されていないトークン」と分類され、前述にあった「交換トークン」と「ユーティリティトークン」はこれに当てはまるという。

また、交換トークンの例として「ビットコイン、イーサリアム、またライトコイン」などを挙げたFCAだが、これらが現時点では価値の交換手段として使用されていないことは認知しているようだ。
 

現在英国で（交換トークンは）法定通貨として認識されておらず、通貨やお金とは見なされていない…交換トークンが価値の交換手段ではなく投機目的で取得および保持されていることを認識している。

 
それでも交換トークンは（現時点で）FCAによって規制されていないため、仮想通貨取引所が担うビットコインやイーサリアムを使用した取引は電子マネー規制の範囲内にはならないという。

また、FCAはユーティリティトークンが「規制の範囲内ではない」と明示し、幾つかの事例を紹介したものの、ユーティリティトークン「バイナンスコイン（ティッカー：BNB）」の発行母体が実施していることで話題となっている「トークンバーン」については言及しなかった。

それでも、FCAは米規制当局（SEC)の判断が依然として曖昧な「徐々に分散化されるネットワーク」を基盤とする仮想通貨について次のように述べた。
 

ネットワークの性質によって、トークンが有価証券であるかどうかは決まらない。セキュリティトークンは、ガイダンスで詳しく説明されているように、その固有の特性とそれが保有者に付与する権利によって決定される。

 
 
英国におけるクリプト規制の明瞭化
 
【8.2 追記】
英国に拠点を置く仮想通貨交換所CEX.IOの法務顧問サーヒー・モク二ーブ氏によると、明確な規制が提示された最終版ガイダンスは「英国の電子マネーの近代化に緑色の光を与える(＝青信号が出される)」ため、CEX.IOはFCAの規制アプローチを支持するという。
 

FCAは2019年1月に発表された前回のコンサルテーション資料の言葉を引用し、規制されたトークンと規制されていないトークン（交換トークンとユーティリティトークン）の間に明確な分水地点を作った。そのため、ビットコインやライトコインなど、従来の仮想通貨を取り扱う多くの企業は、それらがFCA規制の範囲内であるかどうかについて明確な答えを得た。

また、モク二ーブ氏は「様々な種類のトークンの性質と事例を研究した」FCAを称賛し、同ガイダンスが英国に限らず、他の欧州連合諸国へ「強力なベースラインを提供すること」を期待すると述べた。
 

EU加盟国は全ての加盟国に影響を与える指令および規則に基づいて国内法を制定することを踏まえると、英国の経験は他の国々と共有され、規制のベストプラクティスとみなされるかもしれない。

 
 
世界的に規制の明瞭化が進んでいることからも、近い将来に新たな資産として定着することが現実味を帯びてきた仮想通貨だが、規制面からの当業界のこれからの進展に注目していきたい。