ビットメインIPO申請失効、代表取締役も正式に交代へ

業界初の快挙となるかもしれないとも言われていたマイニング大手のIPOは、実現しなかったようだ。

香港証券取引所に上場することを試みていたビットメイン社のIPO申請が「失効期限」に達した。

尚、同社はIPO申請を再度提出する意向を現時点では示していない。

マイニング大手上場ならず、代表取締役も交代へ

昨年9月26日に上場申請が提出されてから6か月が経過したため、ASIC機器製造会社ビットメインによる香港証券取引所へのIPO(新規上場)申請が正式に失効した。

香港証券取引所の公式ウェブサイトには、これまで「inactive(非アクティブ)」と分類されていた同IPO申請が、現在「lapsed(失効した)」と表示されている。

出典:APPLICATION PROOF, PHIP AND RELATED MATERIALS – INACTIVE

ビットメインは上場申請を再提出できるものの、追加で財務記録を提供することを要求されるだろう。

それというのも、香港証券取引所の上場規則には、以下のように記述されている。

「新規申請者における会計士によって報告されなければならない最新の会計期間は、上場申請文書に記載されている日付から6ヶ月以上経過していない必要がある。」

前回ビットメインが公開した会計報告はほぼ9か月前の2018年6月30日までの期間を対象としていた。

ビットメイン、「適切な時期に上場申請を再開」

2017年に10億ドル以上稼いでいたビットメインは、昨年上半期だけで10億ドル近くの純利益を生み出したこともあり、同社のIPOは昨年秋に大きな注目を集めていた。

しかし、香港証券取引所は同社を上場させることを承認するのに尻込み。

☞ビットメイン社のIPOは難しい!?香港証券取引所CEOが語る

ビットメインがIPO申請の再提出を検討しているかどうかは現時点では不明だが、同社の公式ブログには以下のように記述されている。

「ビットメインが2018年9月に行った香港証券取引所への上場申請は、6ヶ月の失効期限に達した。 仮想通貨とブロックチェーン業界には大きな可能性があるが、それらの価値を証明しようとしている当業界は比較的若いことを認識している。 規制当局、メディア、そして一般人が当業界にもっと包括的になることを願っている。適切な時期に上場申請を再開する。」

また、同社共同設立者であるジーハン・ウー氏とミクリー・ツァン氏が共同代表取締役の座から退いたことを正式に発表した。

尚、同社の製品エンジニアリング責任者を務めていたハイチャオ・ワン氏が新代表取締役に任命されたようだ。

一世を風靡したマイニング大手や新進気鋭の競合企業のこれからに注目が集まる。

原典:Bitcoin Blockchain Costs Approx. $7 Million a Day to Stay Secure

ここまでの内容と考察

ビットメインによる香港証券取引所への上場申請が失効期限に達したという、今回のニュース。

クリプト業界外からも大きな注目を浴びていたビットメインのIPOでしたが、形にはならなかったようですね。

ちなみにですが、香港取引所CEOは以前以下のようにビットメインのIPOに関して仄めかしていました。

「ある企業がAというビジネスを介して数十億ドルを稼いだ後、突然Bというビジネスをやると言い、パフォーマンスを示さずBが優れていると言った場合、Aに焦点を当てた(上場審査)アプリケーションは持続可能ではないと思う。その上、規制当局が過去に手を出していなかった(ビジネスA)に対して規制を制定するようになる場合、事業を継続し利益を得られるだろうか?」

また、マイニング市場の近状ですが、中古マイニング機器の供給が増加しているためASIC製造会社が以前のように簡単に収益を上げられるような状態ではないようです。

☞Bitmain社、サマーに向けて20,000台のマイニング機器を配備か

リーダーシップ交代によって、ビットメインへはこれから再起を期すことができるでしょうか。

マイニング大手の今後のビジネス戦略やマイニング市場の変化に今後も注目していきましょう!

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