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近未来の「信頼」、米国小売大手がひっそりと始めていたブロックチェーン事業
- 2019/6/11
- 仮想通貨の最新ニュース
米ミネソタ州を拠点とする著名小売業者Targetが、サプライチェーン管理システムに関するブロックチェーン基盤の解決策の開発を、密かに昨年から進めていたことをForbesが明かした。
実際に企業がブロックチェーンが採用し始めると、どのようなことが期待できるのだろうか。
もしかすると、これまで情報をシャアすることに対して悲観的だった企業同士が、ブロックチェーンを通じて特定データを共有するようになるかもしれない。
少なくとも米国で8番目に規模が大きい小売業者「Target (ターゲット)」は、そんな近未来を見据えているようだ。
Forbesの報告によると、同小売大手は企業間の協力を促進するような「自社製紙業のサプライヤー(供給者)の認証」におけるブロックチェーン基盤の解決策を手掛けているという。
実は去年からひっそりとスタート!?
公式ブログによると、2018年半ばからスタートしたTarget社のブロックチェーンプロジェクトは、「分散型台帳にどのデータを保存するかを決定する」ことが開始当初の課題だったようだ。
そこで、同社のサプライヤーの一社である食品大手Cargillが手掛けていた分散型技術を採用するサプライチェーンに関するプロジェクトに注目したという。
Cargil社とIntel社によって共同で遂行されていた同プロジェクトは、最終的にLinex財団のオープンソースプロジェクト「Hyperledger」と協力し、「Hyperledger Grid」という新たなプロジェクトへと発展していったそうだ。
現時点でCargil社、Intel社、またブロックチェーン新興企業Bitwise.ioが主要貢献者となっているHyperledger Gridは、あらゆる業界のサプライチェーンに対応できるスペックを兼ね備えたのフレームワークを提供している。
どうやらTarget社のブロックチェーンプロジェクト「ConsenSource」は、このHyperledger Gridの骨組みを利用し、自社製紙業のブランドを使うサプライヤー(供給者)の認証における解決策を開発しているようだ。
ビジネス同士の新たな「信頼」の築き方
Target社のブロックチェーンプロジェクトの注目すべき点としては、同社が企業間で使用されることがはじめから意図されている解決策を提示していることが挙げられるだろう。
分散型台帳技術は「長年にわたる課題を解決するための新しいツールに過ぎない」と主張するTarget社アーキテクチャ責任者のジョール・クラッブ氏によると、同技術はこれまでデータを共有することが少なかった企業の間に新たな「信頼」を生み出すものだそうだ。
ブロックチェーンは複数当事者間の取引においてパートナーが合意形成するのに役立つ。それによって、システムからコストを取り除き、パートナーとその利害関係者にとってより良い結果を生み出すだろう。
また、クラッブ氏はオープンソースの利点を強調し、「ガバナンスモデルを最初から定義する」ことで企業が「時間、透明性、コストの削減の向上繋がるブロックチェーン基盤の解決策に集中できる」と述べた。
クラッブ氏が「企業間の信頼」を促進することを強調したように、ブロックチェーンが従来のビジネスモデルだけではなく、「信頼」や「ガバナンス」などソーシャルな様相に変化をもたらせる可能性があることには注目だ。
このような動きは、物議を醸しているフェイスブックの取り組みでも見られ、様々な市場プレイヤーを呼び込む(またライセンス料を確保する)ために、100ノードから成るネットワーク形成を図っている。
ブロックチェーンが生み出すビジネス価値は「2030年までに3.1兆ドルを超える」とGartnerが報告しているが、それに伴ってこれまでのビジネスの常識も少なからず変革されていくのだろうか。
パブリックブロックチェーンが新たな経済の仕組みを生み出したように、企業用ブロックチェーンも新たなビジネスのあり方を創造するのだろうか。
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