クリプト取引量のほとんどはフェイク！？

弱気市場でもボロ儲けしているとクリプト取引所は、本当に「正当な」方法でビジネスを展開しているのだろうか。

ブロックチェーンリサーチ企業の最新レポートによると、主要クリプト取引所数十社の内Binance、Bitfinex、およびLiquid以外は、「仮装売買」を行うことで実際の取引量よりも多い数値を報告し、偽りの取引量を報告していることが判明した。

（*仮装売買とは、金融商品を同時に売却・購入することで市場で誤解を招くような人工的な活動を作り出すこと。）

恥知らず！？主要取引所のほとんどは「不正取引」をしている

出典:-December 2018- Exchange Volumes Report

上図によるとHuobiやHitBTC を含める主要取引所の全てが取引量を偽っている中、最も罪深い取引所は香港を拠点とする、OKEx。

現在CoinMarketCapの取引量ランキングで2位にランクインしており、以前Binanceを上回ったこともある人気取引所だ。

☞下剋上の始まり！？バイナンスがOKExに取引量を抜かされる

しかし、BTI社が開発したアルゴリズムで実際の取引量を計測したところ、最も取引が行われている同取引所のトップ30のトークンのほぼ全てが仮装売買されていたことが判明したという。

ビットコインにおける取引量「80％」は偽造されている！？

BTI社の今回のレポートによると、CoinMarketCapのトップ25のビットコインペアの内、80％以上が仮装売買されているようだ。

同社によると、多くの取引上はこのような不公正取引を行うことで取引プラットフォームの需要を偽り、流動性を必要とする仮想通貨プロジェクトから「お金を盗む」ことで収益を上げているという。

「多数のプロジェクトからの情報に基づくと、取引所がプロジェクトへ課すトークン上場手数料は平均5万ドル(約550万円)以上。これは、2018年クリプトエコシステムから盗まれた金額は推定1億ドル(約110億円)に上ることを意味する。また、50社を超える取引所が取引量の95％を仮装取引をすることで偽っているため、これは年間50万ドル(約5500万円)スキームと想定できる。取引所のいくつかは上場手数料だけで100万ドル(約1.1億円)を超える収益を上げている。」

クリプト取引所による仮装取引や多額の上場手数料が問題が厳しく批判されるのは今回が初めてではない。

BTI社は、今年8月にも仮装取引の問題を指摘しており、クリプト取引量の約半分以上がそれによるものだと報告していた。

☞BTI社調査報告、「仮想通貨取引量の半分は偽り」

また、イーサリアム創設者であるVitalik Buterin (ビタリック・ブテリン)氏は、多額な上場手数料を要求する取引所に対し、「地獄で焼かれてしまえ」と発言している。

一方、世界No.1取引所バイナンスは上場手数料の全額を慈善団体へ寄付するなど中央集権型の取引所が「貪欲になり過ぎている」という風潮を一新するような取り組みを始めたようだ。

☞バイナンス取引所、上場手数料の「全額」を慈善基金の寄付へ

仮装取引や上場手数料に関する問題に加え、ユーザービリティの低さなど課題が多い取引所だが、今後の仮想通貨の普及に必須とも言える取引所インフラの改善に期待が集まる。

原典：Major Bitcoin Exchanges Accused of Faking Volume: Who’s Trustworthy?

ここまでの内容と考察

仮想通貨取引所のほとんどが不正取引を行っているという、今回のニュース。

かねてより話題となっていたこの問題ですが、一向に改善されてないようですね。

しかし、バイナンスやリキッドなどの取引プラットフォームは実際の取引量を報告しているため、好感度アップかもしれませんね。

また、これらの取引所同様に仮装売買を行っていないビットフィネックスに関して、以下のようなツイートがされていました。

We can love or hate Bitfinex, but it's still the only exchange which doesn't washtrade and has the highest BTC liquidity. pic.twitter.com/tDIH6PrMz6

— (@Cokinus2) December 23, 2018

「ビットフィネックを愛したり憎んだりできるが、不正取引をしていないのにも関わらずビットコインの取引量が最も多い。受け止めろ！(サングラスをかけた猫)。」

クリプト業界の正当性が世間に認められるには、トークンの流動性を提供する取引所に関する問題が解決されることは必要不可欠ですが、これからそれは改善されるでしょうか。

今後も「仮想通貨」市場の取引所の動きに注目していきましょう！

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