洪水後に電気代が安くなる！？

洪水の後に電気代が安くなる！？

中国の南西部では、多くの水力発電所によって過剰な電力が洪水期（4-5月）に発電されることが多い。

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これは、マイニング事業が現在の弱気相場で利益を得る稀なチャンスを生み出す可能性があるようだ。

それというのも、四川省におけるマイニング機器をホスティングするための通常の電気代が1キロワット時(kWh）あたり通常約0.052ドルなのに対して、夏季にはそれが0.037ドルまで下がるという。

一見少ないように思えるかもしれないこの「0.015ドル」のギャップだが、例えば仮にあるマイニング機器が一日30kWh消費するとすると、一日に0.045ドル節約できることを意味する。

もしそれが1万台ある場合、1日で450ドル、1ヶ月では約1.4万ドルのコスト削減になるということだ。

尚、マイニング企業HashageのCEOであるXun Zheng氏によると、正確な電気代は3月末まで確定しないものの、多くのマイナーは既に水力発電所とマイニングファームとの交渉を開始しているという。

中古品＞新マイニング製品

毎年のように洪水期がある中国南西部だが、今年が前年と異なる点は「マイニング市場の変化」だそうだ。

Hashage共同創設者であるYun Zhao氏は、以下のように考察した。

「強気市場では、機器を購入したり、マイニングファームで利用可能なスロットを見つけるのが困難だった。電力コストはそれほど大きな問題ではなかった…弱気市場では、リソースを活用するためのより良い方法を見つける必要がある。」

マイニングプールを運営するBixin社のCMOであるTyler Xiong氏も同様な見解を持っているようだ。

「このラウンドでは、最も安い電気代を手に入れられるマイナーやマイニングファームに市場の優位性が移る…多くのマイナーが中古機器を好んでいるため、マイニング機器製造企業は恐らくこのラウンドに参加する意欲がないだろう。もはや市場はメーカーの見方ではない。」

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また、2018年末に多くのマイニング事業が運営を停止したことで中古機器がより多く市場に出回っていることについて言及し、マイニング機器「Antminer S9」が現在市場で最も「パフォーマンスが良い」と付け加えた。

ビットコイン価格3000ドルが「重要な価格帯」か

中国マイナーにとってはチャンスになりえる今年の夏だが、依然としてリスクもあるようだ。

Zhao氏によると、主なリスクにはビットコイン価格が3,000ドルを下回る可能性があることが挙げられるという。

「夏の間に価格が3,000ドルを下回った場合、マイナーは再び(マイニング機器から)プラグを抜かなければならないかもしれない。」

また、マイナーは潜在的な損失をヘッジするためにビットコイン先物契約でショートすることが多いものの、このような状況ではロングポジションを取る十分な相手方がいない可能性があると指摘した。

今年5月にはビットコイン報酬半減の「一年前」を切るという、これから重要な時期に入る今年の中国マイニング市場の動きに注目が集まる。

原典：Bitcoin Miners Are Investing Again, Expecting a Cheap Power Boom Soon

ここまでの内容と考察

中国マイナーが中古機器を購入し、洪水期後のマイニングで収益化を狙っているという、今回のニュース。

洪水は四川省で毎年起こるようですが、弱気市場が長期間継続しているということもあり、「中古マイニング機器」の存在が今年のマイニング市場における重要な要素となっているようですね。

ちなみにですが、(前述にあった)Zhao氏によると、現在のマイニング市場には「自主規制」が必要だとのこと。

というのも、例えばマイニングファームは顧客のためにホスティングしている機器のネットワークアドレスを、気付かれないように彼ら自身のものへ切り替え勝手にマイニングすることもあるそうです。

やはり仮想通貨市場では全体的に「透明性」の向上に努める必要があるのかもしれませんね。

今後も影響力の大きい中国マイニング市場の動きに注目していきましょう！

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