JPモルガンプライベートバンク、「世界通貨」としての米ドルの衰退を示唆


JPモルガンプライベートバンクのFX、商品および金利ストラテジストが、世界の基軸通貨としての米ドルのステ―タスが衰弱する可能性を示唆し、ポートフォリオに貴金属や先進国市場およびアジア圏の通貨をより多く割り当てることで多様化することを推奨した。


 
 
 
 
界通貨であるが故に、米国のグローバルGDPのシェアが約25%なのにもかかわらず、世界の全通貨取引の85%を支配している、米ドル。

しかし、JPモルガンプライベートバンクのクレイグ・コーエン氏によると、そんな米ドルでも近未来のアジア経済圏の発展と共に独占的な準備通貨としての「地位を失う可能性」があるという。
 
 
もっとゴールドを保有すべき!?BTCは言及されず
 
準備通貨として支配的な地位を確立したことで米国へ「法外の特権」を与え続けてきた米ドルだが、コーエン氏によると歴史的にもその優位性は永続的なものではない可能性が高いという。
 

出典:Is the dollar’s “exorbitant privilege” coming to an end?

米ドルの優位性が永続的に維持されることを示唆するものは何もない。実際にも、世界の経済中心地が移動するにつれて、歴史上の何世紀にもわたり支配的な世界通貨は何度も変化した。

 
特に、グローバルGDPシェアを過去70年間で約20%まで拡大させた中国を筆頭とするアジア経済圏が成長すると共に「米ドル以外の取引の割合が増加」し、世界通貨としての米ドルの地位が失われるという。

また、コーエン氏は世界の中央銀行の準備通貨に関する最近のデータ(下図)にも注目し、米ドル離れが既に進んでいる一方で中央銀行は「過去最高のペースでゴールド準備を増やしている」と指摘した。
 

出典:Is the dollar’s “exorbitant privilege” coming to an end?

 
さらに、財政と貿易の両方で持続的に増加傾向にある米国の赤字を考慮すると、ゴールドのような貴金属や通貨バスケットに対して米ドルは「価値を失う可能性が高い」という。

そのため、コーエン氏はFXポートフォリオの資産配分において「(米ドル以外の)G10通貨、アジアの通貨、またゴールド」の比重を増やすべきだと述べた。

(*G10通貨とは、IMF(国際通貨基金)に参加している米国、日本、イギリスなどによって発行される通貨のこと。)
 

出典:Is the dollar’s “exorbitant privilege” coming to an end?

 
コーエン氏は仮想通貨について一切言及しなかったものの、世界経済に対するヘッジ手段としても注目されているBTCは近い将来により多くの世界の富裕層のポートフォリオに含まれるようになるだろうか。

既に一部のファミリーオフィスがクリプト投資を始めていることが報じられている中、BTCのこれからのパフォーマンスに注目だ。
 
 


 
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