ECON支援の調査結果:銀行コインとビットコインは競合する必要ありか


ECON(経済および金融問題に関する欧州議会委員会)の要請を受けて実施されたデジタル通貨に関する調査報告によると、時価総額の大部分が少数の仮想通貨に集中しているデジタル通貨市場には「CBDC(中央銀行デジタル通貨)」が必要だという。


 
 
 
 
ェイスブック主導のリブラプロジェクトが主流メディアでも頻繁に話題となっている中、中央銀行によって発行されるデジタル通貨(CBDC)も再び多くの注目を集めている。

ECONによって要請されたデジタル通貨を含めるフィンテック市場に関するレポートによると、一部の仮想通貨に市場が集中している現クリプト市場にとってCBDCは「救済策」になるという。
 
 
銀行コインが仮想通貨市場を再構築?
 
デジタル通貨の前提として、電子的にしか存在しない「支払い手段」というイングランド中央銀行の定義を用いた今回のレポートによると、デジタル通貨市場における市場シェア競争には「デジタル通貨同士」と「取引所間」の2つがあるという。

いずれにせよデジタル通貨の市場競争は比較的に限られており、例えばデジタル通貨同士の競争では(2017年3月時点では)BTCとETHだけで時価総額全体の「88%」を占めていることからも市場集中度が高いことが伺えるようだ。

しかし、商業銀行や中央銀行のような新たなプレイヤーが市場に参入することで、現市場における一部の仮想通貨の優位性が弱まる可能性があるという。
 

銀行、さらには中央銀行によっても促進される許可が必要な仮想通貨の到来は、仮想通貨市場における現在の競争レベルを再構築し、競争相手の数を拡大する。

 
また、取引所市場において75%の市場シェアが5社に集中していることを同レポートは報告し、また30%が市場リーダーによって独占されていると指摘した。
 
 
銀行コインとビットコインは競合しないか
 
法定通貨がデジタル化されたCBDCと仮想通貨が競合することを示唆した同レポートだが、それらが資産として特徴が大きく異なることについては言及しなかった。
 

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その理由の一つとしては、依然としてビットコインが一種の「支払いシステム」のように捉えられているケースが多いことが挙げられる。

少額決済が多いキャッシュレス決済の「P2P版」というように認識されがちなビットコインだが、分散型ネットワークを形成し、発行枚数制限が設けられていることもあるため、「新たな資産クラス」としての注目度も高い。

(例えば、CBDCを含めるデジタル資産を4種類に分類したBNCリサーチによると、ビットコインは「金融政策や監視資本主義」に対するヘッジ手段として期待できるという。)

また、全ての仮想通貨は必ずしもCBDCのような支払い手段としてのユースケースを意図されているわけではなく、例えば当業界でBTCはゴールドを代替するような価値の保存手段としてよく見なされている。

(もちろん一部の業界人はBTCが法定通貨を代替すると主張しているが)このようにバリュー・プロポジション(価値提供)が根本的に異なる一部の仮想通貨と銀行コインが直接的に競合するとは言い難い。

最近ではBIS(国際決済銀行)もCBDCを奨励するようになった中、今後どのようなコインが生き残るかに注目だ。
 
 


 
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