バー氏「10年間でもかかってこい」、ハッシュ戦争は長期戦か

ビットコインキャッシュのハードフォークが実施されてから間もなく一週間が経とうとしているが、果たして「ハッシュ戦争」の現状はどのようになっているのだろうか。

>>ロジャー・バー氏吠える!ハッシュ戦争はBitcoinABC開発の「圧勝」か

自称サトシ・ナカモトを語るnChain(エヌ・チェーン)チーフサイエンティストであるCraig Wright (クレイグ・ライト)氏が「長期戦」をアピールする一方、ビットコインキャッシュは完全に二つに分かれたとの見方もあるようだ。

Bitcoin ABCが本物のビットコインキャッシュ!?

「彼ら(Bitcoin ABC)がお金を使い切るまで、後ろを追いかけ、追跡し、尾につける」

上述のような語ったのは、新しいビットコインキャッシュの一つのバージョンであるBitcoin SVを奨励する、ライト氏。

Bitcoin SVの戦略を「持続性のある狩猟」と表現し、ハッシュ戦争が長期戦になるとした。

それというのも、競合するBitcoin ABCが現在ネットワークをサポートしている量の「ハッシュ・パワー」を持続することは不可能なため、 Bitcoin SVは最終的にそれを制することができるという。

しかし、以前は「ビットコイン・ジーサス」とも呼ばれていたBitcoin ABCを奨励する起業家Roger Ver (ロジャー・バー)氏は、

「ハッシュレートをどこから持ってくるかは関係ない。また、(ハッシュレートを提供できるのは)一日に限ったことではなく、私たちが望む限り10年以上可能だ。かかってこい。」

と発言し、継続して戦う姿勢を見せている。

また、Bitcoin SVが完全にBitcoin ABCのネットワークを乗っ取ることは、非常に困難だと言われている。

なぜならBitcoin ABCは、「チェックポイント」と呼ばれる印を一定数量のブロックが生成される度につけているため、いくらBitcoin SVがブロック生成数で上回ったとしても、印が付けられたところまでの取引履歴を変更するは不可能。

すなわち、Bitcoin SVは、過去の全ての取引履歴をリバースすることができないというわけだ。
 
BCHマイニングの収益性はマイナス!?両チームへ大打撃か

ハッシュ戦争の戦況に関わらず、Bitcoin SVとBitcoin ABCの両方のマイナーが大きな損失を出している。

コインダンスの統計によると、現状ではマイニングをするだけでも損失が生じると言われれているBTCマイニングする方が、BCHSVコインまたはBCHABCコインよりも75%以上の利益を上げられるという。

また、流動性がほとんどないBitcoin SVコインは現在53ドルである一方、Bitcon ABCコインは242ドル。

これは、ハードフォーク前のBCH価格(504ドル)を大きく下回る。

このような事態に関して、バー氏は以下のようにツイートした。

「戦争では誰も勝たない。一方がもう一方よりも少なく失うだけだ。」

取引所やマイニング事業を始めとする様々なビジネスを巻き込んだ今回のBCHハードフォークは、一体どのような結末を迎えるのだろうか。

原典:Bitcoin Cash Is Now Two Blockchains – That Might Not Change Anytime Soon

ここまでの内容と考察

Bitcoin SVが長期的なハッシュ戦争を強調している一方、チェックポイントの採用もあることからBitcoin ABCネットワークを完全に落とすことは困難という、今回のニュース。

これから一体どのよう展開が繰り広げられていくのでしょうか。

ツイッター上では、以下のようにツイートがライト氏によって挙げられていました。

「いつ戦争が終わるかを聞くな、ビットコインを正直でないマイナーや攻撃者から守るのをやめる時だ。答えは、終わらない」

今回のハッシュ戦争も、ビットコイン/ビットコインキャッシュハードフォークのような展開となるのでしょうか?

本物のビットコインの理念を掲げる、本物のビットコインキャッシュはどちらなのでしょうか。

今後もハッシュ戦争に注目していきたいですね。