生き残れるのは1つのコイン!?「BCHハッシュ戦争」のキープレイヤーに注目!

ビットコインホワイトペーパーの解釈を巡り、二つのBCH開発チームの間に亀裂が入ったことがきっかけで始まったと言われる、2018年BCHハードフォーク。

「ハッシュ戦争」とも呼ばれるようになった同ハードフォークは、日本時間16日午前1時40分に予定されており、その火ぶたが切られるまで半日を切っている。

「生き残れる」のは、たった1つのビットコインキャッシュ

昨年のBTC-BCHハードフォークと同様に大きな波紋を呼んでいる、今年の「BCHABC-BCHSV」ハードフォーク。

クリプト企業や取引所から支持を得る開発チームBitcoin ABCが万が一の「緊急時」に備える一方、BCHネットワークにおける大半のハッシュレートを獲得したnChain (エヌ・チェーン)開発チームが推奨するソフトウェア「Bitcoin SV」はマイナーから多大なサポートを獲得している。

同ハードフォークによって、二種類の異なるBCHが誕生すると言われている中、Bitcoin SVを奨励するCraig Wright (クレイグ・ライト)氏は、Bitcoin ABCバージョンのコインを攻撃すると宣言しており、Bitcoin SVバージョンのみが残存するとしている。

また、二つのコインが誕生するものの、それらが継続して共存するとは言い難い。

それというのも、どちらのバージョンも「Replay Protection(リプレイ保護)」を装備しておらず、これは悪意のある人物が一つのネットワーク上で取引情報をコピーし、それを新しいチェーンで使用することを可能にしている。

これの意味合いとしては、ユーザーが送金したコインが失われたり、ハッカーがこれを悪用して取引所をターゲットにする危険性があるということ。

実際にも、エヌ・チェーン開発チームが発表したプレスリリースには、このことに関して以下のように記述されている。

「Bitcoin SV、Bitcoin ABC、どちらも共にリプレイ保護を実装していない。これは、1つのチェーンだけが生き残ることを意図する。」

また、ハッシュレートの獲得数で劣勢なBitcoin ABCチームは、現実味を帯びている攻撃を避けるための「最終手段」として、マイニングアルゴリズムを変更することを検討しているようだ。

>> BCH「ハッシュ戦争」、Bitcoin ABCチームが緊急事態に備える

HFいよいよ開始、ハッシュ戦争のキープレイヤー

このように緊張感高まるBCHハッシュ戦争だが、それの真っ只中にいるキーマンは以下の人物たちだ。

ABC開発チーム

Roger Ver(ロジャー・バー)氏:2012年から業界参入、ビットコインキャッシュ奨励家(ツイッター: @rogerkver)

Amaury Séchet (アマリー・セシェット) 氏:Bitcoin ABC開発リード(ツイッター: @deadalnix)

Ryan X Charles (ライアン・エックス・チャールズ)氏:オンライン決済プラットフォーム「マネーボタン」CEO (ツイッター:@ryanxcharles)

Chris Pacia (クリス・パチア)氏:イーコマースプラットフォーム「オープンバザー」リード開発者 (ツイッター:@ChrisPacia)

Jihan Wu (ジーハン・ウー)氏:ビットメイン共同創設者(ツイッター:@JihanWu)

SV開発チーム

Craig Wright (クレイグ・ライト)氏:nChainチーフ・サイエンティスト(ツイッター:@ProfFaustus)

Jimmy Nguyen (ジミー・ニュエン):nChain CEO (ツイッター:@JimmyWinMedia)

Calvin Ayre (カルビン・アイアー):マイニングプール「コインギーク」CEO(ツイッター:@CalvinAyre)

Cobra (コブラ)氏:bitcoin.org兼bitcointalk.org運営者 (ツイッター:@CobraBitcoin)

Eli Afram (エリ・アフラム)氏:コインギークライター兼Bitcoin Cash Australia 創設者(ツイッター:@justicemate)

観察者

Marcel Pechman (マーセル・ペクマン)氏:レイダーBTC創設者(ツイッター:@noshitcoins)

Peter Rizun (ピーター・リズン)氏:Bitcoin Unlimited (ビットコイン・アンリミティッド)チーフサイエンティスト(ツイッター:@PeterRizun)

Alistair Milne (アリステアー・ミルネ)氏:仮想通貨投資ファーム「アトランデジタル通貨ファンド」 共同創設者(ツイッター:@alistairmilne)

また、ABC開発チームをサポートするロジャー・バー氏は、今回のハードフォークに先駆け、クレイグ氏に「騙された、と認めるのは簡単なことではない」とコメントしている。

>> ロジャー・バー氏、自称サトシ・ナカモトに「騙されたかもしれない」

息を呑む展開が続くBCHハードフォークに、仮想通貨コミュニティ全体が注目する。

原典:How to Watch the Bitcoin Cash Fork As It Happens

ここまでの内容と考察

ビットコインハードフォークが日本時間の16日午前1時40分に予定されているという、今回のニュース。

ちなみにですが、現状ではBitcoin ABCがPoloniex(ポロ二エックス)取引所の先物取引で254ドルという値がつけられている一方、BItcoin SVは175ドルとなっています。

また、こちらのウェブサイトで、ハッシュレートを始めとするBCHネットワークに関する情報を確認することができます。


出典:コインダンス公式ページ

HFに先駆け、自称サトシ・ナカモトを語るライト氏は、以下のようにツイートしていました。

「ジーハン・ウー氏とロジャー・バー氏は売却しており、レンタルしているハッシュのためにBTCを売らざる得ないだろう。もしこの戦争が長引くなら、BTC価格は2014年の価格になるだろう。これがどういうことか考えてみろ。」

日本の取引所はBitcoin ABCをサポートすると表明していますが、これはどのような影響を及ぼすのでしょうか。

前回のETHとETCハードフォーク時に、コインベース取引所が資産を失ったという過去があるので、絶対に注意してほしいですね。

今後も差し迫る「ハッシュ戦争」に注目していきましょう。