ロジャー・バー氏、自称サトシ・ナカモトに「騙されたかもしれない」

完全にビットコインコミュニティを分裂させたBTC/BCHハードフォークが実施されてから、約1年。

ビットコインの生みの親「サトシ・ナカモト」のビジョンを実現すべく一致団結したはずのビットコインキャッシュだったが、そんなBCHコミュニティにも少しずつ亀裂が走り始めていた。

それというのも、BCHプロトコール開発を進める二つの開発チームが「方向性」を巡り対立しており、次回のBCHハードフォークではネットワークが分裂することが「回避不能」と言われている。

>>ロジャー・バー氏動くか!?高まるBCHハードフォークへの緊張感

そんな中、今回のハードフォークをアグレッシブに推し進める自称サトシ・ナカモトを語るCraig Wright (クレイグ・ライト)氏に関して、BCH奨励家であるRoger Ver (ロジャー・バー)氏が回想した。

自称サトシ・ナカモト、「私はサトシだ」

ビットコインキャッシュ開発チームの一つであるnChain(エヌチェイン)をリードするライト氏が、それと競合する開発チームBitcoin ABCを後ろ盾するBitcoin.com運営者バー氏に対して、今月3日に連絡していたことが判明した。

これは、Bitcoin.comがBitcoin ABCをサポートすると発表した直後に送られてきたという。

以下、バー氏が公開したメールの内容だ。


出典:Roger Ver’s Thoughts on 15th November Bitcoin Cash Upgrade

もし戦争が欲しかったら…

私は二年間取引をしない。皆無だ。

この戦争で、コインは全て取引できなくなる。

もしABCや糞コインが欲しい場合、自由に破産してくれ。

会えてよかったよ。

ビットコインは、ABCがそれをダメにする前に死ぬ。BCH取引は今後数年間ゼロになるだろう。それを見たいか?

ABCの味方につくことは、ビットコインを憎むことを意味し、私の敵となる。これがどういう意味か理解していない。

それが時期にわかるだろう。

私はサトシだ。(せいぜい)いい人生を送れ。私を怒らせたのがわかるようになるだろう。

そして、ノーだ。あなたは証拠を持てたかもしれなかった。あなたの選択だ。

くたばれ。

クレイグ

元ビットコイン・ジーザス、「騙された」と認める!?

前述のメールや後一週間に迫るハードフォークに関し、これまで完全に口を噤んでいたロジャー・バー氏がついに重い口を開いた。

 
「騙された、と認めるのは簡単なことではない」

上述のようにくたびれた口調でライト氏について話し始めた同氏は、メール内容を読み上げ、40代のビジネスマンとして「大人げない発言だ」とコメント。

普段のエネルギッシュな熱弁はどこにもなく疲れ顔を見せるものの、ビットコインキャッシュの「Core (中核)」となる哲学として、

「仮に少数が大多数に反対する場合、ハードフォークをしたければ、するべき」

と今回のハードフォークについて語った。

「ビットコインホワイトペーパーの思想を反映したビジョンを持っている」として過去にライト氏を称賛していたバー氏だが、ここ数年でライト氏の「技術的な能力」を疑い始めたという。

その具体的な例として、バンコクで開催されたマイナーのミーティングで、ライト氏が技術的な議論が行われた際に、

「Bullshit and lies (戯言と嘘だ)」

と吐き散らした上でその場を去ったことを挙げた。

これに関して、同氏は技術的な議論ができないのだろうと推測し、

「懐疑的になるような多くのことがこれまでにあった – 非常に、非常に、深く懐疑的になった」

と付け加えた。

今年のBCHハードフォークも、昨年のものと同様にクリプト業界が語り継がれていくものとなることは間違いないだろう。

ここまでの内容と考察

ロジャー・バー氏が今月15日に発生するビットコインキャッシュハードフォークに関して言及したという、今回のニュース。

沈黙を守り続けていたバー氏が、ついに重い口を開きましたね。

仮想通貨がここまで認知されるようになったのも彼のおかげという声も多い、バー氏。

以前から波紋を呼ぶような発言や行動も多かったですが、彼ほど仮想通貨への思いが熱い人物は業界人の中でも稀。

「価格がどうなる?」ということばかり焦点が当てられるハードフォークですが、実際に仮想通貨の普及を促進したり、開発を進める人々の努力があることが背景にあることを忘れてはいけません。

BCHハードフォーク、もうすぐですね。

最近では今回のハードフォークの際に誕生する新しいビットコインキャッシュを攻撃すると宣言するマイニングプールも登場する中、果たしてどのような結末を迎えるでしょうか。

今後クリプト業界を促進させることに日々努めるロジャー・バー氏の動向に注目していきたいですね!