第三次ブロックチェーン危うし、EOSの「致命的」な問題発覚か

ICOが実施されていた頃は「イーサリアムの殺し屋」と宣伝され、当時から大衆向けの分散型プラットフォームを構築することを目指にしていたEOS(イーオス)に対し、「辛らつな評価」が下された。

ブロックチェーン技術に関するリサーチ会社Whiteblock(ホワイトブロック)が実施した調査結果によると、かねてより宣伝されていた程イーオスの性能は高くないようだ。

パフォーマンス低、結局は「クラウドサービスと同じ」!?

イーサリアムよりも高い性能を誇る「第三次ブロックチェーン」と称賛される一方、台帳管理を行っているノードが「中央集権化」されていると以前から批判されていた、イーオス。

そんな以前から物議を醸している次世代のプラットフォームだが、それは「ブロックチェーンですらない」とホワイトブロック社は報告する。

同社が実施した今回の調査では、かねてより宣伝されていたEOSネットワークのパフォーマンスと、9月にローンチしたメインネットの実際のパフォーマンスが比較された。

その結果、イーオスにはセキュリティの脆弱性やプロトコールに関する様々な問題があり、それらはプラットフォームを利用する多くのユースケースにとって「致命的だ」という。

「EOSはブロックチェーンではなく、むしろハイブリッドな分散型データベース管理システムである。ブロックチェーンとは異なり、トランザクションは暗号法を使った承認がされていない。」

また、イーオストークンの仕組み、宣伝資料よりも低い取引処理能力、台帳管理を行うブロック・プロデューサーにおける透明性の欠如、また基本的なセキュリティ問題を指摘。

最終的な評価として、以下のように結論付けた。

「かねてより宣伝されていたイーオスの性能には誤りがあり、システムの基礎が真に分散化されていない欠陥のあるモデル上に構築されている」

大衆向けの分散型アプリを開発できるといわれている「第三次ブロックチェーン」がバッシングされ、エンタープライズ用のブロックチェーンが評価されるという風潮がある中、「分散型」の概念を再吟味する必要があるかもしれない。

原典:Interview: Researcher Argues EOS isn’t a Blockchain — Just a Distributed Database

ここまでの内容と考察

ホワイトブロック社がイーオスプラットフォームのパフォーマンスを調査し、宣伝されていた性能よりも劣ると報告したという、今回のニュース。

今回猛烈批判を受けたイーオスですが、以前にもそれが「分散化されていない」と指摘されています。

それを如実に表す一件としては、イーオスネットワークの台帳管理を行うブロック・プロデューサーが、27つのアカウントを凍結することに成功したことが挙げられます。

これに関して、ビットコイン奨励家であるCharlie Shrem(チャーリー・シュレム)氏は以下のように述べました。

「全てのコインは完全に分散化されていないが、ビットコインのような一部のコインはそれを達成する過程にある。私は、(EOSを設計した)ダン・ラリマー氏とチームを尊敬してたため、とてもイーオスに強気だったが、これは恥じるべきだ。リップルと同じカテゴリーにいれる。」

また、中央集権型の組織を必要とする仮想通貨の普及に関しては、以下のような見解を明らかにしているようです。

「仮想通貨の普及に関して、誰かがコントロールする力を持ったり、取引を凍結・無効にできたり、ブロックチェーン上のデータを編集・変更できる場合、仮想通貨の大衆化に価値がない」

最近では、マーケティング用の「バズワード」となっている分散化やブロックチェーンという言葉ですが、その意味を再吟味する必要があるかもしれませんね。

今後はブロックチェーン技術の単なる普及ではなく、それの意義について考えていきたいですね!