米経済学者、ブロックチェーン&仮想通貨は成功する見込みがない

仮想通貨は、本当に金融革命を起こせるような技術だろうか。

クリプト市場を牽引する主要通貨であるビットコインの価格が最高値から80%以上下落したという事実がある中、まだ自信を持って「そうだ」と言い切れるだろうか。

多くの業界人は口を揃えて仮想通貨の将来性を訴えるものの、業界外には仮想通貨に悲観的な金融専門家は依然として多い。

2008年の金融危機を正確に予測した経済学者ヌリエル・ルビーニ氏は、そんなペシミストの一人だ。

かねてより仮想通貨やブロックチェーン技術をバッシングすることで知られている同氏が、改めて同最新技術やそれを取り巻く市場の雰囲気を厳しく批判した。

金融革命にブロックチェーン技術は含まれない!?

「私はツイッターをやっており、仮想通貨やブロックチェーンのカンファレンスに出席している。私は人生の中で、彼ら程意見が一方的でとても傲慢な人々に出会ったことがない。この新しい資産クラスについて熱狂的だ。同時に、基本的な経済学、金融、お金、銀行業、中央銀行、金融政策を全くと言っていい程知らない。」

このようにCFA協会のインタビューで言い放ったのは、2008年の不動産バブルを正確に言い当てたことで「Mr. Doom (壊滅の預言者)」と呼ばれるようになった著名経済学者、ルビーニ氏。

Roubini Warns of ‘Perfect Storm’ for U.S. Economy in 2020

同氏によると、仮想通貨はバブルであり、「価値の保存」や「価値の交換」手段として機能しないという。

仮想通貨の欠陥の一例として、同氏は2017年下半期の甚だしい強気相場を挙げ、ハイリターンを見逃すのを恐れて多くの人々が仮想通貨を購入したものの「金融やポートフォリオについては何も知らなかった」と主張。

資産としての仮想通貨のパフォーマンスは「指数関数的な、放物線のバブル」だったと続け、資産として価値を裏付けるものがないので破裂したと指摘した。

また、仮想通貨の基盤となるブロックチェーン技術も「金融サービスの将来とは何の関係もない」と一刀両断。

金融サービスにおける真の革命はフィンテックと述べたものの、それと仮想通貨は関係がないことを再度強調した。

「最終的に生産性を高め、より多くの商品やサービスを生み出すことになるような大きな混乱はたくさんある。しかし、金融サービスの将来は仮想通貨やブロックチェーン技術とは関係ないと言えるだろう。金融サービスにおける真の革命はフィンテックだが、それは仮想通貨とは何の関係もない。フィンテックは、人工知能、ビッグデータ、そして普遍的なインターネットの組み合わせ。決済システム、信用配分、資本市場機能、保険、投資管理、財務アドバイスなどに革命が起きる。」

同氏が仮想通貨に関して批判的な見解を述べるのは、今回が初めてではない。

かねてよりBTCをバッシングしたり、ブロックチェーンを「賛美されたExcelスプレッドシート」と表現している。

これまでクリプトに懐疑的だった著名経済史学者がビットコインに肩入れするようになったことが最近報道されている中、これからのルビー二氏の見解に注目が集まる。

原典:Nouriel Roubini: The Mother and Father of All Bubbles

ここまでの内容と考察

Mr.Doomが再びブロックチェーン技術や仮想通貨に対する批判をしたという、今回のニュース。

ちなみに、同氏は米国上院でクリプトに関する証言をしており、上述の内容よりもより具体的な批判をしています。

☞米著名経済学者、米上院でビットコインをバッシング

また、同インタビューでは特に金融リテラシーの欠如が強調されており、以下のようなことも語っていました。

「至る所で見られるのは、非常に低いレベルの金融リテラシー。ほとんどの人は、基本的な経済学を知らず、基本的な財務スキルも欠けている。”ビットコインを買うべきですか”と質問するほとんどの人は、株式と債券の違いや市場の種類の違い、また金利の基本さえ理解していない。」

さらに、同氏によると金融リテラシーの欠如は二つの不幸を招くそうです。

「まず、人々は十分に貯金できない。平均余命が長くなっている中、快適に暮らすのに十分な退職金を得ることができなくなる。社会保障では十分ではないので、若い時から貯蓄を始めなければならない。第二に、一般人が貯金する時、多くの人は無謀な方法を取る。危険なものを買ったり、ギャンブルをしたり、あまりにも多くのトレードをする。また、ビットコインのような愚かなバブルやその日の流行に乗っかる。洗練されていない個人投資家は、できる限り節約するべき。主にインデックスファンドの多様なポートフォリオに投資し、それを放っておけばいい。ヘッジファンド運用会社に多額の手数料を支払う必要はなし。流動性のある株式を配分して購入&保有し、受動的で低コストのインデックスファンドへ退職するまで投資する。」

投資に関してこのような意見を持つ同氏ですが、果たしてビットコインに対する見解は正しいでしょうか。

他の著名経済学者の意見にも耳を傾けながら、これからも専門家の発言に注目していきましょう!

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