米財務長官ムニューシン氏:リブラは「国家安全保障問題」


米財務長官スティーブン・ムニューシン氏が、仮想通貨に焦点を当てたプレスカンファレンスを今月15日に開き、ビットコインやリブラコインに対する規制上の懸念について言及した。


 
 
 
 
大統領がビットコインの「ファンではない」ことを明かしたツイートからおよそ5日後の今月15日に、米財務長官ムニューシン氏が仮想通貨にスポットライトを当てたプレスカンファレンスを開いた。

犯罪用途に使用される可能性があるリブラコインや仮想通貨全般を懸念するコメントを残したムニューシン氏だが、それらに対する批判的な見解は示さなかった。
 
 
リブラコインは「国家安全保障問題」か
 

 
仮想通貨規制において「最優先の目標は金融システムの健全性を維持し、悪用から守ること」だと述べるムニューシン氏によると、リブラコインは「国家安全保障問題」だという。

その理由として、ムニューシン氏はマネロンやテロリスト資金供与などの手段として同デジタル通貨が「悪用される可能性」があることを挙げた。

また、仮想通貨を使用した金融犯罪対策としては、FinCEN(金融犯罪執行ネットワーク)がビットコインとリブラを使って取引を行う組織や団体に対して「高度な基準」を要求するという。

同記者発表会では仮想通貨全般に関する質問も挙がったが、ムニューシン氏は今回のプレスカンファレンスの意図が「違法金融活動の阻止」だと返答し、「投資メリットや投機的な側面」についてはコメントしないと述べた。
 
 
金融犯罪に使用しなければ問題なし!?
 
仮想通貨に焦点を当てたプレスカンファレンスを開いたホワイトハウスに対して、業界人からは驚きの声が多い。

例えば、かねてより物議を醸すBTC価格予想で有名なFundstrat創設者トム・リー氏は、次のようにツイートした。
 

– ホワイトハウスは公正な規則を望んでいるが、現時点ではさらなる行動を意図していないようだ。

– (会見後の)BTC上昇は市場がこれに満足しているのを示している。

 

また、Morgan Creek Digital Assets創設者アンソニー・ポンプリア―ノ氏は、米財務長官が仮想通貨で「違法行為を行わないようにすること」を強調したとツイートし、「正しいやり方でやりたいという人には青信号だ」と続けた。

 
 
リブラコインは銀行よりも「安全」か
 
各国の政府、中央銀行、また規制当局がリブラコインに対して「犯罪行為」や「プライバシー保護」おける懸念の声を挙げているが、従来の法定通貨と比較した同コインの優位性は否定し難い。

例えば、リブラコインは「部分準備銀行制」を採用している一般的な銀行とは異なり、流通しているコインの価値が100%担保されている。

ウォール街ベテランのケイトリン・ロング氏がForbesへ寄稿した記事によると、これは仮に預金の引き出しが一斉に行われるような取り付け騒ぎが発生した場合でも、リブラコインはそれに対応できることを意味するという。

 

リブラの価値は100%裏打ちされているというフェイスブックの言葉を信じると、リブラは従来の銀行や(短期金融資産を運用する)短期金融資産投資信託よりも”安全”と言える。取り付け騒ぎのリスクは非常に低い。

 
また、リブラコインが複数の法定通貨や短期国債によって価値が担保されるため、単一の法定通貨よりも「優れている」と指摘する専門家は多い。

例えば、シェイプシフトCEOエリック・ボアヒーズ氏は、次のように述べている。
 

リブラは米ドルだけで価値を裏打ちしないという素晴らしい決断をした。これは深い意味を持つ。中期的に、政府が発行する単一の通貨を代替する可能性がある。おそらく間違いなく米ドルより優れていると言えるだろう。

 
リブラが成功するか否かに関わらず、民間企業が通貨を発行するという「概念」がこれからの金融業界に大きな影響をもたらすという見解もある中、それに対処しようとする各国のこれからの取り組みに注目だ。
 
 


 
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