SWFTとリップル、各代表取締役が「国際送金」の将来を語る

SWFTとリップル、各代表取締役が国際送金を語る

将来の国際送金の「あり方」はどのようなものだろうか。

やはり既存の仕組みから分散型技術が基盤となるようなシステムへ移行するのだろうか。

これに関して、「打倒SWIFT」を掲げているリップル社CEOブラッド・ガーリングハウス氏とSWIFT(スウィフト)CEOゴットフリード・ライブラント氏がパリス・フィンテックフォーラム2019で議論を交わした。

SWIFT対Ripple、将来の国際送金市場を制するのはどっち?

まず、既存システムの取引時間の問題解決に取り組んでいることについて、スウィフトCEOは以下のように述べた。

「ネットワークに1万以上の銀行が参加しているため、弾力性のあるシステム&コルレス銀行であると思う。また、私たちは狂ったように革新している…

3年前に自社が導入した大きな技術革新は”GPI”と呼ばれ、コルレス銀行に21世紀をもたらす…

二週間前に中国にいたが、中国銀行は私たちに”米国への送金すべては数分以内にできる”といった。(送金を)追跡できることは素晴らしいことで、最近の国際送金は本当に改善した。また、これは企業にとっても同じだ。

新しいプラットフォーム(GPI)上では、全世界の半分以上の取引が処理されている…トップ60の銀行全てを含める400以上の銀行がそれに参加しており、1年半で一般的に採用されることを目指している。」

一方、顧客数が急激に伸びているリップル社のCEOは、「IoV(インターネットの価値)」が近い将来と自社技術について言及した。

「今後10〜20年の決済のあり方ついて議論しているリップルは、IoVについて話している。それは、どのようにして情報が移動するように価値を移動できるかということ。

リップルとスウィフトの関係性は、1997年から1998年のアマゾンとウォルマートのものと変わらないと思う…

リップルは、決済を本当に民主化し、コストを劇的に削減し、さらにスピードを大幅に向上させるようなIoVについて考えている…

TCP / IPやHTTPのような新技術と同じようなものを私たちは導入したと本当に考えている。」

しかし、リップル社の技術や仮想通貨に懐疑的な姿勢を見せるスウィフトCEOのライブラント氏は、ブロックチェーン技術に関して以下のように述べた。

「私たちはブロックチェーンとAPIに関して長い議論をしてきた…ブロックチェーンを使った複数回に渡る大型の概念実証を実施した。その内の1つは、ノストロ・ボストロアカウントに関するもので、40行が参加した。IBMを除く過去最大のHyperLedgerの実装だったが、概念実証の働きはしたものの、移行コストを踏まえた上で既存システムより遥かに良いかは明らかにならなかった。ブロックチェーンを使用するよりも、現在GPIを使用しているAPIを利用して統合した方がはるかに簡単であることもわかった。」

また、少数派を除いて、銀行はボラティリティ(価格変動)の多い「XRPを使用する意思がない」と指摘した。

しかし、リップルCEOはこれらの主張に反論し、トークンに価格変動があったとしても、仮想通貨の瞬時決済は法定通貨取引のリスクよりも低いという。

「価格変動に関する話を聞くが、彼らは誤った情報を広めていると感じている…長時間の取引時間を要する低ボラティリティ資産(法定通貨)のリスクと、瞬時に取引できる高ボラティリティ資産(仮想通貨)を比較すると、XRPの方が法定通貨よりもリスクが少ないことが数学的にわかる。」

昨年からペースを緩めることなく破竹の勢いで2019年も突き進んでいるリップルだが、これからのスウィフトとの直接対決に注目が集まる。

原典:Ripple CEO and SWIFT CEO Meet in a Face-to-Face Debate in Paris.

ここまでの内容と考察

リップル社CEOガーリングハウス氏とスウィフトCEOライブラント氏が国際送金に関して議論を交わしたという、今回のニュース。

Swiftと共存ではなく、それを上回ることを強調しているガーリングハウス氏は、以前から「Swiftを乗っ取る」と発言してます。

☞リップル社CEOガーリングハウス氏、SWIFTシステムを「凌駕する」

ちなみにですが、リップルCEOは以下のようなツイートを挙げていました。

「ブロックチェーンの実験は、ビジネスモデルではないと長い間言ってきた。 そのため、リップルは最初からこの技術における最善のユースケースを見つけ、顧客のために本当の問題を解決することに重点を置いてきた。」

果たしてリップル社はこれからもシェアを拡大し続けることはできるでしょうか。

今後も国際送金市場の変化や仮想通貨の普及に注目していきましょう!

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