リップル社代表取締役、JPMコインは「理解できない」

銀行コインは本当に必要だろうか。

金融大手や大企業によってステーブルコイン開発が進められていることが報道されるここ最近だが、それらに対しては賛否両論がある。

例えば、既存システムを「より効率化できる」という期待の声もある一方、それがそもそものクリプトの趣旨を履き違えているという見解もあるようだ。

台帳技術を使って従来の国際送金を効率化させようとしているリップル社のCEOであるブラッド・ガーリングハウス氏は、紛れもなく後者を提唱する業界人の一人だと言えよう。

ワシントンで開催されたブロックチェーンサミットに出席したガーリングハウス氏がJPモルガンが発行した独自ステーブルコインの有用性に疑問を投げかけた。

リップル社CEO、銀行コインは「理解できない」

ガーリングハウス氏がJPモルガンのような金融大手が仮想通貨に手を出していることは「素晴らしい」という。

しかし、「これが唯一の素晴らしいことだ」と即座に加え、以下のように続けた。

「モルガンスタンレーの人からのインタビューに応じたことがあるのだが、その時に”モルガンスタンレーはJPMコインを使用する予定か?”と聞いてみた。そうしたら、”おそらくない”と答えた。シティバンクはJPMコインを使用するか? BBVAはどうか? PNC?答えはノーだ。」

というのも、各金融機関が発行する別々の仮想通貨を使用することは分散型台帳技術が解決しようとしている問題を悪化させると見ているという。

「これら全ての異なるコインを持つようになるということか?相互運用性が欠けているところに戻っていくのか?理解できない。」

また、法定通貨をトークン化しただけのJPMコインの必要性に疑問を投げかけた。

「あなたが1ドルを預金することで、その分のJPMコインを貰え、JPMレジャーの中で動かすことができる。ちょっと待て、ドルを使えばいいではないか。コインがドルで裏打ちされ、JPMレジャーの中だけで移動する場合、どんな問題が解決できるのかが不明だ。」

最終的な結論として、JPMモルガンが独自で発行したステーブルコインについて以下のように述べた。

「さて、最初の答えに戻ろう。JPモルガンが仮想通貨に手を出すのには賛成だ。 それだけ。」

果たしてJPMコインを始めとする金融機関によって発行されるコインは実用化されるのだろうか。

原典:Ripple CEO Brad Garlinghouse on JPM Coin: Other Banks Won’t Use It

ここまでの内容と考察

リップル社CEOであるガーリングハウス氏がJPMコインの必要性に疑問を投げかけたという、今回のニュース。

ちなみにですが、同氏は数年前から「銀行コイン」に関する独自の見解を明かしていました。

☞リップル社CEO、ガーリングハウス氏「JPMコインは的はずれ」

同氏やインターネットのパイオニアと言われるカスパースキー氏を含め、銀行が発行する仮想通貨が成功するためには、世界の銀行が一つに統制されなければいけない、という意見が多いようですね。

最近ではFacebookもクリプト開発を手掛けている中、果たしてステーブルコインは普及していくのでしょうか。

今後もクリプト業界人の発言や金融機関による仮想通貨の取り組みに注目していきたいですね!

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