投資家も大感激!?ICOトークンの「生みの親」による新資金調達案

VC(ベンチャーキャピタル)を代替するような新たな資金調達方法として、昨年中旬から今年初旬にかけて注目を集めたICO(イニシャル・コイン・オファリング)。

革新的な一面もある一方、仮想通貨市場の投機的なイメージを強めた、との意見も多い。

そんな背景の下、新たなICOの「あり方」がイーサリアムトークンを開発した人物によって考案された。

出資金がいつでも全額返金される!?新たなICO誕生か

ICOでお馴染みとなったイーサリアムブロックチェーンで発行されるトークン「ERC-20」の生みの親である、Fabian Vogelsteller(ファビアン・フォーゲルシュテラー)氏。

初期段階の新興企業が短期間で膨大な資金を調達することを可能にしたことで、「一攫千金」の風潮を作り出したICOに責任を感じ、「より良い(資金調達)方法を考案する義務がある」と感じていたという。

そんな同氏が、プラハで開催されたデベロッパーカンファレンスで 「RICO(リバーシブルICO)」という新たなICOを提案した。

これについて、同氏は以下のように説明した。

「(プロジェクトから受け取る)トークンを送り返すだけで、投資家はコミットした資金全てをいつでも引き出すことができる」

つまり、ICOプロジェクトへ投資を行い、トークンを受け取った後でも、それをプジェクトへ返金することで投資額の全てが返還されるというもの。

具体的には、ETHによる出資金を返金できる機能をスマートコントラクトに組み込むことで、払い戻しが実行される(すなわち投資家がトークンを送り返す)と他の投資家がそのトークンを購入できるような仕組みになるという。

同氏によると、このような仕組みを採用することで、スキャムを防げるだけでなく、運営資金が必要なスタートアップに対して、プロジェクトを遂行する直接的なインセンティブを与えることができるそうだ。

また、プロジェクトが仮に失敗する際にも、投資家は完全に資金を失うリスクを負わず、「プロジェクトが自然に失敗する」ことを可能にする。

「これはコミュニティとプロジェクトのバランスを取り戻すため、本当に重要だと思う」

と同氏はリバーシブルICOの必要性を訴えた。

しかし、このようなICOは、トークンの価格変動を大きくするため、新興企業はICO外で資金調達する必要があるという。

ICOトークンの価格割れや、仮想通貨詐欺が横行する中、リバーシブルICOが採用されることで、仮想通貨市場がより健全に成長することができるかもしれない。

原典:The Godfather of Ethereum ICOs Wants to Let Investors Take Their Money Back

ここまでの内容と考察

ICOトークンとして一般的なERC-20を開発したファビアン・フォーゲルシュテラー氏が、新しい資金調達方法を提案したという、今回のニュース。

少しプロジェクトにはリスクが大きいようにも思えますが、ICOトークンを返金すればいつでも投資金額が戻ってくるという、投資家にとってはとても有難いような仕組みですね。

ちなみにですが、2018年にICOを行ったプロジェクトが発行したトークンの価格が70%以上下落している、とも言われています。

これを踏まえても、やはり既存のICO方法は様々な問題があるのかもしれませんね。

最近では、規制に明確に準じた従来の有価証券をトークン化・販売する「STO(セキュリティ・トークン・オファリング)」も注目されていますが、果たしてICO市場は今年初旬のように再び活気付くことは今後あるのでしょうか。

やはりビットコイン市場の動きが重要になってくるかもしれませんね。

今後も資金調達を大きく改革したICOに注目していきましょう!