元PBoC総裁:中国にはリブラコインに対抗するための「良い準備」が必要


元中国人民銀行総裁として知られるシャオチュアン・ジュー氏が、北京で開催された国家外為管理局が主催する討論会で、中国政府は営利団体にデジタル通貨の発行を委任すべきという見解を示したことをSCMPが報じた。


 
 
 
 
大統領が6,190万人のフォロアーに向けてフェイスブック主導の企業コインに対する批判的な見解を呟いている中、かねてよりデジタル通貨の研究を行なっていた中国は企業コインのポテンシャルを軽んじていないようだ。

元PBoC(中国人民銀行)総裁のシャオチュアン・ジュー氏が、中国政府は営利企業が発行母体となるデジタル通貨から「学ぶべきだ」と発言した。
 
 
リブラが世界にもたらした「新たな概念」
 
ジュー氏によると、中国は「良い準備を整え、中国人民元を強力な通貨にしなければならない」という。

それというのも、「営利団体」が主体となるデジタル通貨はソブリン通貨と争うようになる可能性があるそうだ。

今年6月にホワイトペーパーが公開されたフェイスブック主導のリブラコインに注目したジュー氏は、支払い手段として特化した同コインが「発展途上国の決済インフラ改善に繋がる」可能性があると指摘。

また、米ドルがジンバブエ、トルコ、また中央アジアなどでも広く受け入れられているように、リブラコインのような国際的に使用されることが意図されている「世界通貨」は、(ジンバブエドルなどの)価値が安定していないソブリン通貨と競合する可能性があるという。
 

リブラは、従来の国境を越えたビジネスと支払いシステムに影響を与えるような概念をもたらした。

 
しかし、現時点ではリブラコインが提示する中国へのリスクは「remote(起こりそうにない)」と付け加えた。

ジュー氏や他の金融専門家が指摘するように、グローバル規模で展開される価格が安定した企業コインがソブリン通貨と競合する可能性は否定し難い。

しかし、限られた企業がネットワーク管理を行うコインは各管轄下の規制対象となる可能性が高く、例えばタイにおける法律上の定義が不確かなリブラコインには「規制上の課題が多い」と見られている。

また、米下院がフェイスブックCEOを含めるリブラプロジェクトの関係者に対して「モラトリアム(活動停止)」を求めたことが最近報じられた

一方で、CEOが存在しないBTCを始めとする分散型の仮想通貨は、前述に挙げられたような問題に直面しない。

潜在的なユーザーが多いリブラコインが世間からスポットライト当てられている中、それとは対となるような価値を提供する非中央集権型のビットコインにも注目だ。

 
 


 
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