中国の仮想通貨投資熱は冷めず、規制の裏でICO投資セミナー続く

9月に中国政府はICO(Initial Coin Offering:仮想通貨を用いた資金調達)を禁止したものの、水面下ではICOによる資金調達活動が継続している。

規制が入る前、何百人もの人々がICO投資セミナーに参加するなど、中国において、ICO投資は大きな盛り上がりを見せていた。

そんな中今年の9月、PBoC(中国人民銀行)は、ICOが詐欺に悪用されるという懸念から、中国国内においてICOを禁止。さらに、ICOにより集めた資金の返還も義務付けた。その動きを受け、中国国内のビットコイン取引所も次々と自主的に閉鎖していった。

しかしながら、ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、中国においてICO投資セミナーはなくなっていないという。

秘密裏にICOにかかわる活動は続いており、裕福な投資家を対象として、10万ドル(約1,100万円)という投資最低額で投資家を募っている。

「仮想通貨の取引を禁止することはできるが、仮想通貨に対する需要を止めることはできない。」

とBitKanのCEO、Leon Liu(レオン・リュ氏)は述べ、さらに

「中国政府には、仮想通貨のオフライン取引を監視することはできない。」

と付け加えた。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、中国のICOが禁止になった直後に北京のゴルフクラブで開催されたICO投資セミナーを事例に挙げている。

Zhang(チャン)という人物が、6人の裕福な投資家のグループに対して、「Rコイン」と呼ばれる仮想通貨と「REC」という事業に投資するよう語ったという。

投資家は、わずか2〜3年で40倍の利益を実現することができ、必ず儲かるという内容のプロモーションビデオを見せられた。

ただ、Rコインが実在するのか、RECの事業が正当なものなのかについては明らかになっていない。

Leon Liu氏が述べたように、中国政府がICOを禁止したところで仮想通貨投資への需要が減ることはなく、今後も秘密裏にICO投資は行われていくだろう。

原典:「Chinese ICOs Move to the Shadows

ここまでの内容と考察

中国政府がICO禁止したにもかかわらず、裏でICOが行われているという内容のニュースでした。

加えて、ICOを禁止にすることで、違法にICOを行っている悪徳業者に投資家が集まるようになり、詐欺が逆に増えてしまうということです。

日本でも仮想通貨詐欺に関する話はあり、最近でいうと「HYIP」と言われる仮想通貨投資案件を広めていたD9クラブに対して、集団訴訟が起こされるのではないかという話は有名です。

現在は、仮想通貨が普及し始めたばかりで、仮想通貨投資に関する体制が整備されている最中ですので、今後制度が整ってくれば、仮想通貨に関する詐欺も徐々に淘汰されていくのではないでしょうか。

必ず儲かるという話に何も考えずに乗るのではなく、自分の頭でその投資が成功するのか失敗するのかを考えてから投資をするようにしましょう。