英金融ウォッチドッグ、一般投資家向けの仮想通貨デリバティブ禁止の可能性を示唆


英国ウォッチドッグFCA(金融行為規制機構)が、英国で仮想通貨デリバティブやETN(指標連動証券)を一般投資家に対して販売やマーケティングすることが禁じられるようになる可能性を、7月3日に公開したプレスリリースで示唆した。


 
 
 
 
想通貨規制が強化されている米国のトレーダーを対象にした取引サービスが制限され始めている中、英国トレーダーも規制に悩まされるようになるかもしれない。

英国政府から独立した金融市場の規制当局、FCA(金融行為規制機構)は、CFD(差金決済取引)、オプションおよび先物などの仮想通貨デリバティブと「規制外の譲渡可能な暗号資産」に連動するETN(指標連動証券)を「すべての一般投資家へ販売、マーケティングおよび配給」すること禁止することを推奨するようだ。

 
 
最終版ガイダンスは「今夏」リリースへ
 
前述にあったような金融商品を制限する理由は、一般投資家が「突然の予期せぬ損失から害を受ける可能性」があるからだと説明するFSAによると、具体的には以下のことが懸念材料となっているという。
 

・評価するのに信頼できる根拠がないという原資産の独特な性質

・市場における不正行為の蔓延と流通市場における金融犯罪(例:サイバー盗難)

・暗号資産の価格における極端な変動性

・小売消費者の暗号資産の理解不足とそれらの投資商品に対する明確な投資ニーズの欠如

 

そのため、FSAは仮想通貨関連の投資商品は一般投資家に「向いていない」とし、これらの製品を禁止することによる小売消費者への潜在的な利益は「年間7500万ポンドから2億3430万ポンド」だと推定した。

尚、暗号資産や分散型台帳技術の方針を定めるために、FCA、英国大蔵省、イングランド銀行によって2018年3月に設立した「暗号資産タスクフォース」へアドバイスするFCAは、今夏の終わりに暗号資産に関する最終ガイダンスを発表するという。
 
 
あの経済学者はハッピー!?
 
現時点で英国トレーダーを対象とする取引サービスでアクセス制限を発表したプラットフォームはない。

しかし、(SimilarWebの統計によると)英国からのアクセスが二番目に多いビットメックスは、これからFCAが提示する仮想通貨規制の影響を受ける可能性はある。

それというのも、ビットメックスは価格変動の激しい仮想通貨を担保にして、100倍までのレバレッジを効かせることができるCFD(差金決済取引)が可能な取引プラットフォームとして有名だ。

レバレッジ取引の需要は最近の強気相場で急増しており、ビットコインに100倍のレバレッジを掛けられるビットメックスでは、24時間取引量が60億ドルを大きく上回ったことが報じられている

今回のFSAの発表を踏まえた上で、台北で開催されたイベントでビットメックスCEOと議論を交わした経済学者ヌリエル・ルビーニ氏は、次のようなツイートをした。
 

ビットメックスCEOは、100倍のレバレッジをかけられる仮想通貨デリバティブを青二才な一般投資家へ売りつけるという怪しげなビジネスモデルを守ることに議論の半分を費やした。今日英国のFCAは、凶悪なビットメックスのビジネスモデルを禁止することを提案した。英国の暗号デリバティブはバイバイ(buy-buy)からバイバイ(bye-bye)へになる。

 
ルビー二氏がビットメックスに対して辛辣なコメントをするのは今回が初めてではなく、直近では同取引プラットフォームのビジネスモデルが「麻薬密売人よりも悪い」と発言している。

中国トレーダーのようにVPNを使用することで英国トレーダーは継続してビットメックスを使用し続けるという見解も出されている中、(DataLightの統計によると)世界で4番目にトレーダー数の多い英国における規制強化が今後仮想通貨エコシステムへどのような影響を及ぼすかに注目だ。
 
 


 
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