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FBが金融ジャイアントに!?Facebookコインのローンチは2020年Q1がターゲットか
- 2019/5/26
- 仮想通貨の最新ニュース
ソーシャルメディア大手Facebookが、2020年第1四半期を目安に、複数の法定通貨で価値が裏打ちされたステーブルコインを展開する計画を立てていることをBBCが明かした。
シリコンバレーを特徴付ける一つの気風に「Move fast, and break things (迅速に動き、壊せ)」という言葉があるが、フェイスブック程これが当てはまるような行動を起こせる企業はあまりないだろう。
これまで批判を撥ね付けながらイノベーションに専念してきたフェイスブックのアクティブユーザー数は、プライバシーやデータ漏洩が問題となっている最近(2019年Q1時点)ですら約24億人。
サービス開始当時の2006年に物議を醸していた「ユーザーが提供するコンテンツをニュースフィードとして配信する」というモデルも、本日は当たり前のように受け入れられるようになった。
そんなフェイスブックは仮想通貨分野でもスピード感に溢れており、マイクロソフトやIBMを始めとするIT大手が「ブロックチェーン関連の製品」を手掛けている一方、フェイスブックは「仮想通貨」のローンチを視野に入れている。
しかも、BBCの報道によると、スイスを拠点とするフェイスブック子会社Liberaが発行母体となるステーブルコイン「GlobalCoin」は、早くも来年のQ1に展開されるようだ。
プロジェクト「リベラ」、FBを金融ジャイアントへ
詳細が一般公開されていないが故に様々な憶測が憶測を呼んでいるフェイスブックコインだが、BBCによるとGlobalCoinは「ユーザーが銀行口座を持っているかどうかにかかわらず、手頃で安全な支払い方法を提供する」ことが目的だという。
フェイスブックは規制面の課題を明確にするために大企業や政府機関と掛け合っており、例えばイングランド銀行の最高経営責任者であるマーク・カーニー氏や米国財務省の役員から意見を求めているようだ。
送金に関する商業的な面においては、国際送金サービス大手ウエスタンユニオンや、またFinancial Timesの報告によると、Gemni取引所やコインベースとも話し合いを進めているという。
2016年の米大統領選挙の結果を左右したと言われるデータ漏洩を含める、様々なプライバシー関連の問題を抱えているフェイスブックが母体となる仮想通貨は、「分散化」や「個人情報保護」を強調する当業界の気風に沿ったようなものとは言い難い。
それでも、フェイスブックがペイパルのような法定通貨をベースとする支払いプラットフォームではなく仮想通貨に着目したことは、クリプト業界にとって前向きな発展だと見られている。
例えば、ギャラクシーデジタルCEOのマイク・ノボグラッツ氏は、フェイスブックが独自ステーブルコインを手掛けることは仮想通貨の将来性を「証明するもの」だとCNBCで述べた。
また、GlobalCoinは2021年までに「控えめな計算でも30億ドル」の追加収益をフェイスブックにもたらすという楽観的な見解もあるようだ。
GlobalCoinは、プライバシー問題が指摘される広告ベースの収益モデルに依存しているフェイスブックの「異なる収益源」になり得るため、悪材料が多かった同社の株主にとっては久しぶりの朗報になり得ると言われている。
GlobalCoinにより支出データもFBのものに!?
ユーザーの個人情報保護に関して様々な問題を抱えているフェイスブックが、規制が不明瞭な当業界でオリジナルの仮想通貨を発行することに対して、警笛を鳴らす金融専門家も存在する。
例えば、ブロックチェーン技術専門家であるデイビッド・ジェラード氏は、独自決済システムを構築することによってフェイスブックがユーザーの貴重な「支出データ」にアクセスできるようになると指摘した。
また、英著名メディアGuardianの取材に応じた銀行取引データ分析会社のCEOであるレベッカ・ハーディング氏も、プライバシー保護において問題ありな経歴を持つフェイスブックの決済システムを懸念しているという。
英国では、例えば、仮想通貨は法定通貨ではないため、正式な法律がない。また、フェイスブックは過去数年間でユーザーデータ保護における問題を抱えていた。これは、財務情報が安全であるという保証をユーザーに提供しようとしているフェイスブックには問題になる可能性がある。
技術革新によって人々がコミュニケーションを取る方法を著しく変化させたフェイスブックが、仮想通貨をベースとした金融の将来に向けていち早く動き出していることは、確かに当業界にとっては朗報かもしれない。
ソーシャルメディア大手がフィンテックジャイアントへと化けようとする中、従来の金融機関がビジネス改革を余儀なくされることは時間の問題とも言える。
それでも、フェイスブックの管理下の元に国際的に使用されることが意図されている「GlobalCoin」が、プライバシー保護を尊重するグローバル規模の動きが盛んになっている今日のユーザーからどのように受け入れられるかを判断するのには、まだ時期尚早かもしれない。
個人情報をアップロードするハーバード大学の生徒に対する「Dumb fucks (大バカ者)」という現CEOマーク・ザッカーバーグ氏のフェイスブック初期のコメントは、将来の仮想通貨ユーザーにも適応できるのだろうか。
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