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英語版ポケモン主題歌シンガー、ビットコインの「パロディーソング」を歌う
- 2019/7/8
- 仮想通貨の基本情報, 仮想通貨の最新ニュース
人気アニメ『ポケモン』の最初の英語版主題歌を歌ったことで知られる米シンガー、ジェイソン・ペイジ氏が、ビットコインのパロディーソングを歌った。
最初の英語版ポケモン主題歌のシンガーとして有名なペイジ氏が、物品やサービスに対して「ベストなお金」で支払いたいというメッセージを込めたパロディーソングを熱唱した。
果たして日常決済に使用できるようなベストな通貨とはどのようなものだろうか。
ビットコインを使うのは「大義だ」
I wanna pay with the very best
Like no one ever has
To mine is them is our real test
To use them is our cause…誰も経験したことないようなベストなもので支払いたい。
(ビットコインを)マイニングするのは私たちの試練で、それを使うのは大義だ。
前述の歌詞から始まるビットコインのパロディーソングを歌ったペイジ氏によると、ビットコインは「単なるドル以上のもの」だという。
ビットコインの価値については様々な考察がされているが、果たしてBTCは最良な「支払い手段」だろうか。
悪貨は良貨を駆逐するを説く現代経済学でお馴染みのグレシャムの法則によると、ベストなお金は決済手段ではなく退蔵される傾向にあると言われているが、もしかすると同氏はオーストリア経済学を熱唱しているのかもしれない。
法定通貨は「手放される」?
例えば、民間通貨が自由市場で法定通貨と競合することを予想したノーベル経済学賞受賞経済学者は、良いお金が悪いお金を排除するという、グレシャムの法則の逆を唱えている。
オーストリア学派の代表的な学者フリードリヒ・ハイエク氏は、1976年に発表した「The De-nationalization of Money(貨幣の国営化解除)」という論文で、グレシャムの法則は「法によって強制される異なる構造のお金が固定レートで交換される」場合のみに成り立つ、と主張した。
(例えば、一定のゴールドを含む「コインA」とコインAよりも多くのゴールド含む「コインB」が法によって同じ価値があると見なされる場合、人々はコインAを支払いに使用する。)
しかし、ハイエク氏によると「変動レート」でお金が交換される場合、クオリティの低いお金は良いものよりも価値の評価が低くなり、また価値が下がることが予想されると人々はそれを「出来るだけ早く手放す」という。
(良いお金の)選考プロセスは、様々な機関によって発行されたものの中で最良と見なされたものへ向かって進み、不便または価値のないと判断されたお金は急速に排除される。実際にも、インフレが本当に急速になった時はじゃがいも、タバコ、ブランデー、ドル紙幣などの外貨まで、より安定した価値を持つあらゆる種類の物がお金として使われた。
このような現象は法定通貨の価値が「紙切れ」と同等になったベネズエラでも確認されており、外貨へアクセスすることが困難な同国では、ビットコインが「価値の保存手段」として使用されている、とベネズエラの経済学者カーロス・ヘルナンデス氏が報告している。
しかし、ヘルナンデス氏によると現時点では実際にBTCでやり取りが行われることはなく、物品購入の前に取引プラットフォームを介して仮想通貨を法定通貨へ交換しなければならないという。
それでも、ヘルナンデス氏は年間インフレ率が170万パーセントの法定通貨(ボリバル)を保有することは「経済的な自殺」だと述べた。
ハイエク氏が推奨する「良いお金」とは?
美声テナーがビットコイン払いを強く歌いあげている中、現時点でBTCが価値の交換手段として使用されているケースはあまりないと言える。
(しかし、ビットコインによる瞬時決済を実現する「ライトニングネットワーク」を始めとする新技術が、問題解決に繋がることが多くの業界人から期待されている。)
また、前述にあったハイエク氏が同論文で推奨した通貨は、価格変動が激しい一般的な仮想通貨というよりかは、どちらかと言えば価格が安定したステーブルコインに近いものだ。
通貨の発行において一部の仮想通貨が形成しているようなDAO(分散型組織)の概念がまだ存在しなかった当時、ハイエク氏が推奨したお金は、民間企業が発行する複数のコモディティによって価値が裏打ちされた通貨。
政府が発行する通貨の価値は「継続して減少する」一方で、コモディティマネーの需要は増加する主張していたハイエク氏は、自由市場で争う民間企業が様々な通貨を発行するようになることを予想していた。
(価値が)安定した通貨に対する需要が急増し、類似しているが異なる名前の価値単位を提供する競合企業が間もなく出現するだろう。
ハイエク氏が予期していたような民間通貨は誕生していないものの、最近では複数の法定通貨や短期国債で価値を裏打ちするフェイスブック主導の企業間通貨「リブラコイン」が誕生した。
1か月のアクティブユーザーが約20億人というフェイスブックにリブラコインのウォレットが搭載されることで、日常決済にも使用できるステーブルコインとして機能することが期待されている。
そんなリブラコインに対して既に世界中の中央銀行や政府が警笛を鳴らしており、最近では欧州中央銀行が規制当局は「速く動かなければならない」という見解を示したことが報じられた。
また、「apolitical (政治的に無関心)」ではない法定通貨によって価値が裏打ちされたリブラコインに対して、当業界からの批判の声は絶えない。
一方で、おそらくハイエク氏が予想していなかったビットコインは、コモディティマネーだけでは達成できないような「検閲耐性」などの新たなバリュー・プロポジション(価値提供)を提示した。
しかし、激しい値動きを見せるビットコインを含める仮想通貨が、ペイジ氏が熱唱したようなベストな支払い手段として利用されるようになるかどうかを判断するのは時期尚早かもしれない。
一部の中央銀行もデジタル通貨を発行することを検討するようになった昨今、これから市場シェアを獲得できる通貨がどれになるかに注目だ。
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