Harvard Business Review: 建築業界でもブロックチェーンが活躍するか

Harvard Business Review: 建築業界でもブロックチェーンが活躍するか

ドン・タップスコット氏とリカルド・バーガス氏が建築業界におけるブロックチェーン技術のユースケースについて、Harvard Business Reviewへ寄稿した記事で説明した。


 
 
 
 
ロックチェーン技術の採用が思いがけない専門分野でも進捗しているようだ。

Blockchain Revolutioin (ブロックチェーン革命)」の著者として有名なドン・タップスコット氏とブラジル人起業家リカルド・バーガス氏によると、「請負業者や下請業者の大規模なチーム、多くの建築基準、安全規制および規格が関係する」建築プロセスにおいて、同技術はコスト削減やプロジェクトの効率性アップにおいて期待できるという。
 
 
ブロックチェーンでプロジェクト管理の効率アップへ
 
「How Blockchain Will Change Construction (ブロックチェーンがどのように建築を変えるか)」と題された記事をHarvard Business Reviewへ寄稿した前述に挙げられた筆者は、建築業界でブロックチェーンを採用した解決策を提供する企業に対してインタビューを実施した。

アムステルダムを拠点とするHerenBouw社は、アムステルダム港の大規模開発プロジェクトにおけるビル開発のライフサイクルをより効率的にするためにブロックチェーン対応のプロジェクト管理システムを活用しているという。

Propulsion Consulting社によって提供される同ブロックチェーンアプリは、「正確さと監査証跡が不可欠」な法的拘束力のあるタイミングでの取引登録に焦点を当てているようだ。

Propulsion Consulting創設者マーク・ミニー氏は次のように述べた。
 

ブロックチェーンは成果物を明確に連鎖させ、主要タスクを実行する責任を全員に課すプラットフォームを提供する…事実をチェーン上に登録する利害関係者は、明確で均等に分配されたインセンティブを持っている。

 
しかし、建築業界におけるブロックチェーンの普及には幾つかの課題もあるようだ。

例えば、米カルフォルニアを拠点とし、ブロックチェーン技術を使用した建設データアナリティクスを提供するBriq社のディレクターであるエリス・タルトン氏は、建設業界における「人間関係」を指摘した。
 

建設業界は多くの面において技術的に進歩している。しかし、業界は非常に人間関係に基づいており、多くの家族経営の会社と民間会社がある。請負業者と下請業者の選択は、何十年も前から存在していた関係に基づいて行われることがある。

 
 
企業はどうやってブロックチェーンを使える?
 
主にシステムの「コスト削減」や「自動化」を実現する新たな解決策として注目されているブロックチェーンだが、筆者によると企業間でリソースを移動させる際に「身元、契約、および支払いを監査し保護」や「資産の所有権を追跡する」必要がある際に同技術は有用だという。

具体的なユースケースとしては、次が挙げられるそうだ。
 

・成果物を追跡することで、信頼できる下請け業者を特定する(=評判を判断する)のに役立つ台帳。

・説明責任を特定したり、マイルストーンに基づく支払いを自動的に行うスマートコントラクト。

・ワークフロー管理のために集約されたデータをプロジェクト管理ダッシュボードで共有可能なアプリ。

・保証やメンテナンスチェックポイントを含む全ての建物のインプットと資産を記録できる分散型台帳。

・追跡された材料、テスト、および建築基準や規格に対する結果における検査を合理化するアプリ。

 
直近では乳製品のサプライチェーンにおけるブロックチェーンの活用を食品・飲料大手Nestleがテストしていることが報じられている中、これから登場する同技術のユニークなユースケースに注目だ。
 
 


 
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