85%は中央集権化されたプロジェクト?仮想通貨市場の「現状」とは

「中央集権化」進む、仮想通貨の現状

仮想通貨業界の気風と言っても過言ではない「分散化」という概念だが、仮想通貨プロジェクトは実際どれくらいそれを尊重しているのだろうか。

CryptoCompare(クリプト・コンペア)社が行なった調査によると、現存する仮想通貨のほとんどは中央集権化されているようだ。

分散化は「嘘」?実は中央集権化された仮想通貨が大半

規制、分散化の度合い、また経済的インセンティブなどその他多数のパラメーターを設置し、「開発者によるプロトコールへの直接的な影響」や「開発者なしで仮想通貨が機能するか」についてクリプト・コンペア社が調査した。

その結果によると、なんと全体の内「85%」の仮想通貨では、開発者がプロトコールを思うがままに変更できるという。


出典:CryptoAsset Taxonomy Report

また、ビットコインやライトコインを始めとする「決済手段」として使用される仮想通貨を詳しく分析したところ、その41%が中央集権化されていることが判明した。

ビットコインはOK、ETHやXRPを巡る「非有価証券対象」の判断

かねてより議論が進められている仮想通貨が「有価証券か否か」という判断について、同社がFINMA(スイス金融市場監督局)によって設定されたガイドラインを適用したところ、仮想通貨の55%が既存の法律で規制対象となる「有価証券」と判断できるそうだ。


出典:CryptoAsset Taxonomy Report
また、仮想通貨のキングとも言えるビットコインにおいては、高い確率で「非有価証券対象」となるとのこと。

一方で、中央集権型の発行母体が存在するイーサリアム やリップル(XRP)などのオープンソースプロジェクトに関しては、ソフトウェア開発が「多数に依存しているか、少数か」という点が議論の焦点となるというが、結論は出ていない。

CFTC(米商品先物取引委員会)のチェアマンがこれらのアルトコインは「有価証券の対象になるのではないか」と発言している中、その判断において重要な仮想通貨の「分散化の度合い」における規制当局の定義とそれが下す結論に注目が集まる。

原典:New Study Finds Fault With Cryptocurrency Decentralization

ここまでの内容と考察

85%の仮想通貨が中央集権化されているということが判明したという、今回のニュース。

これが「驚きの数字」とは、あまり言えないかも知れませんね。

ちなみにですが、分散化が進んでいると言われているイーサでさえも厳しくその中央集権化を指摘されています。

例えば、特にイーサリアム に否定的として知られる、Kevin Pham (ケビン・ファム)氏は以下のようにツイートしています。

「ビットメイン社を懸念してキャスパー開発を速めるという、ビタリックの発言そのものがイーサリアムが中央集権化されたことの証拠となる」

「ビットコインは、人々をそのまま受け入れる」

「ビタリックが考えるような、人々は「こうあるべき」というものがビットコインにはない」

有価証券か否かという議論も未だ続いている中、イーサリアムリップルに関する判断はいつ出されるのでしょうか。

仮にでもETHが「有価証券ではない」と認められた場合、それは何を意味するのでしょうか。

今後も「分散化」の意味合いや、ホットな議論の内容について注目していきたいですね!