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「非中央集権化」は完全無視か、BCHハッシュ戦争1日目を終えて
- 2018/11/17
- 仮想通貨の最新ニュース
ついに火蓋が切られたビットコインキャッシュの「ハッシュ戦争」。
その1日目が終了した今、水面下で何が起きているのだろうか。
Bitcoin ABCのリード開発者であり、自称「善良の独裁者」を語るAmaury Séchet (アマリー・セシェット) 氏によると、競合するBitcoin SVは「何かを企んでいる」という。
自称サトシ・ナカモトの策略か、Bitcoin SVのハッシュレートはどこへ
Bitcoin.comがハッシュレートをブーストしたことにより、BCHネットワークの51%以上のハッシュパワーを獲得した、Bitcoin ABC。
>> ロジャー・バー氏吠える!ハッシュ戦争はBitcoinABC開発の「圧勝」か
しかし、現状ではBitcoin ABCがハッシュ戦争に「勝利」したとは言い難い。
Bitcoin ABCリード開発者であるセシェット氏は、以下のような懸念を述べている。
「(Bitcoin SVを支援する)コインギークとBMGのハッシュレートが消えている。彼らが勝っているわけではないが、マイニングをしていない。つまり、彼らは2exaハッシュ(2000petaハッシュ)を未だ使っていない。彼らは何かしらの攻撃を企んでいるだろう。」
現状では、「コイン価格」や「企業からのサポート」において優勢だと見られているBitcoin ABCだが、セショット氏が危惧するようにハッシュレートの面ではBitcoin SVとほぼ互角だ。
これに関して、コインギークを支援する億万長者Calvin Ayre(カルビン・アイアー)氏は、ハッシュ戦争における両開発チームを支援する企業の「資産力」について言及し、以下のように考察した。
「ロジャー・バー氏のBitcoin.comは、顧客から24時間だけハッシュを借りている。また、ビットメインは、このハッシュ戦争で私たちに追いつくために投資家のお金や株主の資産から1日に何百万ドルも費やすのと同時に、IPOでさらに資金調達をしなければならない。私たちは何ヶ月も戦う準備ができているため、これはビットメインの資本金を奪うことになる。また、私が仮にビットメインの株主または投資家であった場合、ジーハン・ウー氏がBCHへお金を費やしている理由を問うだろう。」
また、Bitcoin SVを奨励する自称サトシ・ナカモトを語るCraig Wright (クレイグ・ライト)氏も同様な見解を述べており、ハッシュ戦争は「短距離走ではなく、マラソンだ」とコメントしている。
BCHマイニングの中央集権化
ハードフォークによって分裂した二つのBCHネットワークで、マイニングプールの「非中央集権化」が疑問視されている。
コインダンスの統計によると、コインギークがBCHSVネットワークの約50%獲得している一方、Bitcoin.comはBCHABCで63%を独占しており、両ネットワーク共に「中央集権化」が進んでいる。
また、BitMEX (ビットメックス)の報告によると、BCHSVコインのマイナーは、少なくとも1日推定3200万円の損失を出している一方、BCHSVよりもマイニング難易度がほぼ2倍であるBCHABCマイナーの損失額はそれ以上だという。
しかし、全ての取引所がビットコインキャッシュの取引を停止している現在、BCHを売却できないハッシュ戦争中におけるBCHマイニングの損失はマイナーの「承知の上」だと見られているようだ。
そもそも「不要不急」という見解もある今回のハッシュ戦争が長引くことが予想される中、それによるクリプト市場全体への影響が危惧される。
原典:Bitcoin Cash: Where the 4th-Largest Cryptocurrency Stands the Day after the Fork
ここまでの内容と考察
BCHハッシュ戦争の1日目が終了したという、今回のニュース。
しかし、Bitcoin SVはまだ本領を発揮しておらず、この戦争は長引くようですね。
ハッシュ戦争に関して、ツイッター上では以下のような声が挙げられていました。
ハッシュパワーがすべてを決める、ハッシュ戦争で勝ったほうが本物のBCHだって、粋がっていたひとの意見がいざハッシュになってみると揺らいでいるのをみると、なんとも言えない気持ちになる。
— ビッグストーン Bigstone (@bigstonebtc) 2018年11月5日
BCH分裂に端を発しBTCまで巻き込んだハッシュレート獲得戦争。ハッシュレート奪い合いで戦っておられるのでしょうが、電気代垂れ流し戦争による「トラストレス」構築に、ウンザリしている傍観者の存在にまだ気付きませんか?
傍観者が愚かな戦争を見て「見切り」をつけたら、誰も資金を入れませんよ。— xKeiki@(公式)ながさきコイン (@Keiki_XRP) 2018年11月15日
仮想通貨のハードフォーク賛成派のロジャー・バー氏ですら頭を抱える、今回のハードフォーク。
分散型の仮想通貨における「ガバナンス」について、よく考えさせられますね。
特に、コミュニティ内で影響力のある人物たちによる対立が「戦争状態」にまで発展するようなことがあると、仮想通貨ユーザーですらちょっと距離を置きたくなることでしょう。
しかし、「PoW=ハードフォークある=商用化されない」という風に、(間違った)簡略化をすることで事を片付け、SHA-256アルゴリズムを採用する仮想通貨を全て否定することが正しいとは言いきれない。
マイニングがない仮想通貨は、何を意味するのか。
また、マイニングがある仮想通貨は、どうしてそのような仕組みをそもそも採用しているのか。
仮想通貨の「表面的な利便性」だけに囚われずに、今後もBCHハードフォークに注目していきましょう!
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