UnitedCorp、ビットメイン社を含めるBCH「中央集権型」企業を訴える!?

様々なドラマが繰り広げられた今年のBCHハードフォークを巡り、米国で新たな動きがあったようだ。

フロリダ州のブロックチェーン企業UnitedCorp(ユナイテッド・コープ)社が、BCHコミュニティのキープレイヤーに対して訴訟を起こした。

Bitcoin.comやビットメイン社は「中央集権化」された企業!?

「分散化された取引システムと意図されたはずのBCHネットワークが、市場操作によって中央集権化させられることにより、民主主義と中立の原則が腐敗する。」

上述のようにBCHエコシステムで多大な影響力を持つ企業が存在することの危険性について警笛を鳴らしたのは、マイニング施設を提供することでも知られている、ユナイテッドコープ社。

BCHハードフォーク時におけるクリプト企業Bitcoin.comによる「ハッシュ・パワー」の操作について言及し、

「BCHネットワークのアップグレード直前になるまで見当たらなく、直後では引き下げられたハッシング・パワーは、(ビットコインキャッシュの)規則に基づいた上で人為的に長いチェーンを維持する唯一の目的のために、少数の個人や企業によって画策された。」

と述べ、Bitcoin.comがハードフォーク直後でBCHネットワークの原則を覆すような「不公平な行為」を行ったとした。

具体的には、Bitcoin ABCチェーンのマイニングのために、Bitcoin.comはBTCマイニングで使用していたマイニング機器とレンタルした更なるハードウェアを使用したと言われている。

>>ロジャー・バー氏吠える!ハッシュ戦争はBitcoinABC開発の「圧勝」か

また、同社はBitcoin ABC開発チームが、「Deep Reorg Prevention(深刻な改正防止)」を含めるブロックチェーンの管理を強化できる仕組みを搭載したことについて言及し、

「この介入により、(Bitcoin ABC開発チームは、)将来の実装や今後のネットワークアップグレードに関連する規則の管理を維持する。」

とBitcoin ABC開発チームのネットワーク上での影響力について指摘した。

尚、マイアミ地方裁判所に提訴書類は既に提出されており、被告としてはBitcoin.comのCEOであるRoger Ver (ロジャー・バー)氏とビットメイン社のJihan Wu(ジーハン・ウー)氏が名指しされ、また企業としてはクラーケン取引所の名前が挙がっているという。

「分散化・中央集権化」に関する初めての裁判!?

ユナイテッド・コープ社による今回の訴訟は、クリプト業界にとってとても興味深いものとなる。

それというのも、BCHユーザーが「分散化の権利」を有するかどうか、また指定された被告の行為がそのような権利に違反しているかどうか、などについて裁判所が判断を下すというとてもユニークな事例だ。

また、論点としては、プロトコルが分割する際に一つのネットワークがBitcoin.comが提供したようなハッシュパワーが必要となった場合、それは分散型ネットワークにおける「コンセンサス(意見の合致)」と見なせるかどうか、が重要だと見られている。

かつてない訴訟内容に対する米裁判所の反応に注目が集まる。

原典:Lawsuit Accuses Crypto Heavyweights Bitmain & Roger Ver of Hijacking Bitcoin Cash

ここまでの内容と考察

ユナイテッド・コープ社が、ビットコインキャッシュハードフォークにおける「市場操作」を懸念して、Bitcoin.comを始めとする企業を訴えたという、今回のニュース。

分散型ネットワークの参加者における、「分散化の権利」に関して裁判所はどのような判断をするのでしょうか。

今回のBCHハードフォークでも問題となった、「マイニングの中央集権化」というかねてより議論されているトピックに関して、クリプト業界で有名なサイバーセキュリティ専門家のジョン・マカフィー氏は以下のようにツイートしていました。

「中央集権化に関して怒るようなことは開発者たちの未経験さを示す。マイニングはビジネスだ。そもそもそのようにデザインされている。その欠点としては、ビジネスは集団となりいつも中央集権化すること。これはビジネスの基本。」

ほとんどの仮想通貨が中央集権化されているという指摘がある中、ビットコインキャッシュはどうなのでしょうか。

>>85%は中央集権化されたプロジェクト?仮想通貨市場の「現状」とは

今後もクリプト業界の真髄とも言える、分散化と中央集権化に関する話題に注目していきましょう!