バイナンスショック、7,000BTCを奪われるものの「損失は100%カバー」


バイナンスが、先日(2019年5月7日)の午後にホットウォレットから7,000BTCを流出したものの、顧客資産全てを補填すると発表した。


 
 
「ベストな日ではない」とバイナンス取引所CEOのチャンペン・ツァオ(CZ)氏がツイートした。

ツァオ氏が呟いたように、2017年から破竹の勢いで成長しているバイナンス取引所にとって、セキュリティ侵害による7,000BTCの流出はもちろんポジティブな発展だとは言えない。

とはいえ、ハッキングに対するバイナンスの対応は過去にハッキングされた他の取引所よりも迅速で、透明性があり、何よりも同取引所に対する業界全体からの「信頼」が垣間見られたと言えるだろう。
 
 
流出額はバイナンスBTC保有量の2%

バイナンスの声明によると、ハッカーからホットウォレットに保管していた7,000BTCを一回の取引で首尾よく出金されたものの、取引所が保有している他の全てのウォレットは安全だという。

それでも、「フィッシング、ウイルス、その他の攻撃を含む様々な手法」を使ったハッカーは、多数のユーザーAPIキー、2FAコード、およびその他の情報も入手した可能性があるようだ。

また、今回流出した7,000BTCは同取引所が保有しているビットコインの「2%にしか値しない」と公式発表には記述されていたが、現時点ではハッキングを受けている可能性があるアカウント全てを特定できていない模様。

そのため、価格に影響を与えることを目的に、ハッカーが特定のアカウントの支配し続けることが懸念されるが、取引所からの出金が中止されているため、このような価格操作を行う「動機はあまりない」とバイナンスは説明した。

しかし、現時点では出金サービスが開始される目途は立っていない。

尚、直近の対応としては、約1週間かかると見込まれるセキュリティレビューに注力するものの、プラットフォーム上での取引は継続するという。

また、バイナンスが緊急時のための資金を「SAFUアカウント」に確保していることもあり、ユーザーの損失は全て補填されるようだ。

出典:Secure Asset Fund for Users (SAFU)

 
 
仮想通貨コミュニティからのサポート

ハッキングが発表された数時間後、トロン創設者のジャスティン・サン氏は以下の様にツイートした。

@binanceをサポートするために、@ cz_binanceが了解すれば、BNB、BTC、TRXおよびBTTを購入するために@ binanceへ7,000BTCに相当する4000万ドルをUSDで入金する。#FUDする必要はない。資金は安全だ!

これに対して、バイナンスCEOは「感謝するが必要ない」と述べ、損失を補えることや誰もが出金できるように問題解決へ向けて動いていることをアピール。

そして、バイナンスへの資金的援助を申し出たパートナー企業や取引所の協力に対して、感謝のコメントを残した。

ハッカーや詐欺と戦うためにこの業界が「団結」することに感謝する。

一方的な信頼が必要な中央集権型の取引プラットフォームへに対する敵愾心がないとは言い難いクリプト業界だが、BSV上場廃止や今回のハッキングはバイナンスが世界中のユーザーから最も支持され、信用されていることを如実に表しているだろう。

また、実際にハッキングが検知されてからそのアナウンスメントまでの情報の透明性やユーザーへの迅速な対応に関して、バイナンスチームは「Kudos(あっぱれ)」だったと言える。

依然としてバイナンスユーザーの資産全てが「安全」かどうかは不明だが、これからの展開に注目だ。

 
 


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